成長ドライバ理論のフレームワーク

「企業環境分析」と「成果分析」

これまで述べてきたように「社長」「経営理念・ビジョン」「ビジネスモデル」「システム化・型決め」「行動環境」が整合性を保ちながら、それらがダイナミックに刺激し合い、上昇スパイラルを描いていくようにコントロールしていくことが経営では求められますが、このとき、ドライバではありませんが、上記のメカニズムを適切に回していくために必要なことがあります。

成長ドライバ理論のフレームワークの左上の「企業環境分析」と右上の「成果分析」です。今回はこれらについてごく簡単に説明しておきましょう。

考慮しないといけない一つは「企業環境分析」です。時流に合ったビジネスをすることが、経営を軌道に乗せる上で非常に重要です。時流に合えば事業は自然に軌道に乗りますが、同じ努力を傾けても時流に合わないビジネスはうまくいきません。また、ときにはあらがい切れない大きな環境変化もあります。

社長は、メインドライバ、サブドライバを単にコントロールすればよいというものではありません。未来の企業環境を予測し、時流を読んだ上で、ドライバをコントロールすることが求められます。これが左上の「企業環境分析」です。

考慮しないといけないもう一つは「成果分析」です。ドライバをコントロールする際に、計器の役割を果たすのが「成果分析」の行為です。経営行為の成果の中には、社員の成長、仕事の効率化・仕組み化、顧客満足の向上、など非財務的な成果と、売上高や利益額など財務的な成果などがあります。

社長は、しばしば財務的な成果のみを性急に求めがちです。しかし、経営努力が財務的な成果となり、目に見えるようになる前に、質的な成長が起こっていることを忘れてはいけません。質的成長とは、社員の成長(やる気、やりがい、モチベーションの向上も含む)、仕事の効率化・仕組み化、顧客満足の向上などです。

財務的な成果のみに関心を持っていると、顕在化していないけども人材や仕組み、顧客満足面でだんだん良くなっていることに気づかずに、途中で改善行為が挫折してしまいかねません。経営に当たっては、成果を、財務面だけでなく、人材、仕組み、顧客満足も含めて短期のスパンで確認しながら進めていくことを忘れてはいけません。

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