「会社の健康診断」結果の読み解き方③ 成長ドライバの診断結果

「会社健全度」の評価値は、個別診断要素の評価値の集計値として算出されます。

個別診断要素は、成長ドライバ理論のフレームワークにおけるメインドライバである「社長」「経営理念・ビジョン」「ビジネスモデル」「システム化・型決め」「行動環境」、そして、「企業環境分析」「成果分析」「成果」から構成されます。メインドライバ「行動環境」は「ストレッチ」「サポート」「自律」「規律」「信頼」の5つのサブドライバから構成されるため、これらも内訳として示されます。

個別診断要素ごとに、その評価のために使用したアンケート設問項目とそれらの評価値等の一覧が示されます。

すべてのアンケート設問項目が同じ配点となっているわけではありません。

そのドライバの状態を評価するのに重要な設問については高い点数が配点されていますし、影響がさほど大きくないもの、間接的に影響を及ぼすもの等については、低い配点となっています。

どのアンケート設問項目がより重要か、または、より強くそのドライバの評価に関連しているのか、まずはご自身で考えてみてください。

その点に思考を巡らせることが、成長ドライバ理論のフレームワークを自分のものとし、有効な改善計画を構築し実行できるようになるための最初の重要なステップとなります。

その上で、パートナー・コンサルタントに相談したり、受診企業同士グループで話し合うなどして思考の質・深さを向上させていくというアプローチが良いでしょう。

また、多くは、一つの設問が複数のドライバに関連しています。例えば、ある設問が「経営理念・ビジョン」に対して2.0点と配点されていて、同時に、その設問が「システム化・型決め」に1.2点配点されているということです。

このドライバに関連付けているアンケート設問項目について、すべての回答者が「5」と回答した場合、18点満点中の18点(メインドライバ「社長」の場合)で、5点満点の指数表示で示される「ドライバ値」は5.00となります。

同様に、すべての回答者が「3」と回答した場合、18点満点中の10.8点(メインドライバ「社長」の場合)で、5点満点の指数表示で示される「ドライバ値」は3.00となります。

「0」という回答はありませんから、メインドライバ「社長」の場合、18満点中3.6点から18点、5点満点の指数表示では1.00から5.00の範囲で評価されるということになります。

①全体平均値を見る
②幹部、一般社員それぞれの回答平均値を見る
③社長、幹部、一般社員のギャップを見る
④回答のばらつき(標準偏差)を見る

まずは、設問順に全体平均値を確認していきましょう。どの設問の平均スコアが高く、どの設問が低いのか。3.00、もしくは、5件法のアンケート方式において「プラス評価」とされる目安と位置づけられる3.50などを基準にして、それを超えているのか、下回っているのか。それらスコアの状況は自分が想定していた通りなのか、意外に高かったり、低かったりしていないか。想定よりも低いという項目については、幹部・一般社員との対話の機会を設け、そのようなスコアとなっている原因を把握・理解する必要性が高いため、チェックしておきます。

次に、幹部、一般社員の職位ごとの回答平均値、社長(自分)との認識・評価のギャップの有無、ギャップの程度(スコア差)、幹部と一般社員との間のギャップについて確認していきます。

認識・評価のギャップを認識することは、経営改善計画を策定する上で端緒となるものです。

自分の認識・評価よりも低いときには、自分が気付いていない問題点が存在しているのかもしれません。逆に、より高いときには、自分が認識している自社の課題・問題点が幹部や一般社員には共有されておらず、問題意識すら持たれていないという状況では改善を見込むことなどできないという状態なのかもしれません。

同様に、回答者による回答のばらつきからも、顕在化していない自社の問題点・課題を発見することができます。

いいなと思ったら応援しよう!