恋愛漫画を読むとあなたに会いたくなる
恋愛漫画は、中学生くらいまでは好きだった。
某月刊漫を買っていた時期もあったし、単行本を買っていた時期もあった。
でも、いつしか苦手になってしまった。漫画の中での話でしかない、そんな現実が分かっていながら、理想と現実のはざまで心が葛藤していた時期もあったように思う。
あの甘い雰囲気が苦手で、ほんわかした日常の漫画やアニメを好むようになった。小説もザ・恋愛ですというものは避けるようになってしまった。
思春期を過ぎて、少しずつ、また受け入れられるようになった。大人の恋愛も少しずつわかってきた。でも、未だに甘いシーンが流れると緊張してしまう。映画でも、見てはいけないものを見ている気分になってしまうのはまだ大人になりきれていないのだろうか。
先日、久しぶりに恋愛漫画を読んだ。
あなたに会いたくて仕方なくなった。あなたのことが好きと確定しきれず、自身もなく、時間を要していたあなたへの想い。
読んだ少し前の日に会ったせいもあるかもしれない。
いつもなら平気なはずなのに、この日は会いたくて仕方なかった。
好きだ
あなたに伝えられない言葉が心の中をかき乱した。
今すぐ連絡して、言いたい。
そんな唐突な思いを押し込めるのは、きっと冷静な自分がいたから。
この日はとりあえず我慢して、友達に「恋愛漫画を読んでたら、〇〇に会いたくなった」と連絡した。
友達からは、「確定だな。早く告っちゃいな。」と言われる始末。
そんな私だが、今すぐに言えない理由がある。
私はとことんずるい。色んな事を考えても今はあなたしか考えられないのだけど、他にも気になっている人がいた。
距離が遠く、仕事の都合で休みも合わない。性格や相性が合う合わないの前に厳しい条件なのに、気になっている人がいた。お互いに理解していて、
「難しいよね」と言い合っていた。
そんな彼に今度会ってこようと思う。一つのけじめみたいなものだ。
会ってみたら、再び心は揺れ動くかもしれない。
でも、きっと後悔はないと思う。
完璧でなくてもいいが、後悔のない選択をしたい。
そんな私をあなたは許してくれるだろうか。ちゃんと心が決まったら伝えるつもりだから、それまで彼女は作らないでいてほしいなとひそかに願っている。そんなずるい私を許してほしい。