【#9】¥7,000で泊まれる4つ星リゾート|The Secret Resort~コンダオ諸島/ベトナムで1番きれいな海
早朝からの離島ツアーに参加し、全身海女スタイルの海装備のままバイクに跨って前泊のホテルに戻る。
預けていた荷物を受け取り、いよいよこの旅のホテルホッピング、最後の牙城に向かおう。
我が家のルールでは基本的にホテルは尻上がりにランクを上げていくものとしている。旅の疲れも出る後半は文句ない設備のホテルでリラックスしたい。
最後に泊まるのはのThe Secret Resort(ザ シークレット リゾート)。今回の旅で、1番宿泊費とグレードの高いホテルだ。
入った瞬間から異空間
主要観光地である博物館とフーハイ収容所に挟まれた便利な場所に立つThe Secret Resort(ザ シークレット リゾート)。
中心部の中でも海側のメインストリート沿いであるここは、間違いなくこの島の一等地だろう。明らかに他の建物とは一線を画すデラックスな外観は否が応でも目を引く。
時刻は13:00前。
14:00からのチェックインにはまだ少し早いが、あわよくば早めに入れてもらえるかもしれないし、もしダメでもプールで潮でも落としつつ待てばいいやとスロープを上っていく。
入り口の自動ドアをくぐった瞬間、明確に空気が変わったのを感じた。
吹き抜けの高い天井に、抜けに見えるプール。
空気清浄機でも入れているのかと思う程に澄んだ空気。
そこはかとなく香る花の香り。
ジャズ風の穏やかなBGMが流れる空間は、明らかにドアの外とは時間の流れるスピードが違う。ゆったりと漂うハイクラスの品格。
初日に泊まったオーソンホテルとは違い、ここは正真正銘の4つ星クラスだ。こんな格好で来たことを後悔させる高級ホテル。
ロビー天井にはワイヤーオブジェのカメ達が泳いでいる。
先程のシュノーケリングでは会えなかったカメにこんな所で会えるとは。不思議なめぐりあわせに思わず綻ぶ。
すぐにフロントでチェックインに取り掛かれたが、困ったことにフロントマンの英語が聞き取れない。とても訛りが強いのだ。
デポジットやバウチャーについて、何度聞き返してもよく分からず首を傾げまくってしまった。
島に来てから1番訛りのきつい英語がこの高級ホテルなのは意外だったが、こちらが理解するまで根気強く爽やかな笑顔のままで応対してくれたのは流石のホテルマンといった所だろう。
フロント横にはカフェコーナーがある。
ドリンク1杯10万ドン(¥600くらい)から。さすがにここはホテルプライス。ポップコーンやケーキなどもあり、プールサイドへの持ち出しも出来そうだ。
プールサイド
残念ながらアーリーチェックインは適わなかったが荷物は預かってもらえたので、プールサイドで待つことにした。
写真では見ていたが、実物は数倍素晴らしい。
海が目の前の立地なだけに、実際は道路を挟んでいるのだが見た目は完全にインフィニティ―なプール。広さも申し分なく、ヤシの木がリゾート気分をあおってくれる。
暑すぎる日中はプールサイドに居る人もまばらで、貸切状態。
早速入ってみると水温も熱過ぎず、冷た過ぎず適温だ。
そしてなによりタイルの足ざわりが良い。
タイルが欠けていたり、目地が剥がれていたりといったことがない。
新築でもないのにこの管理状態はベトナムらしからぬクオリティーだ。
プールサイドには「Shower」の案内板があり、覗きに行ってみると男女別の更衣室にしっかりとしたシャワールームがあった。とても清潔で良い匂いまでするし、シャワーには各種アメニティまで揃っている。
これは有難い。部屋を待たずにここで着替えて昼食に出かけられる。
設備はもちろんだが、細かい部分への配慮が行き届いている。
アメニティだけでなくタオルまで設置された更衣室、プールサイドの清掃も行き届いており、裸足で歩いたって痛くない。
プールの周囲はホテルの建物で囲まれているため、外界の喧騒から隔離されていてとても静かなのもいい。こうゆうビーチサイドで日がな一日読書にふけるような余裕のあるホテルステイを楽しめる大人に早くなりたいものだ。
部屋紹介
荷物を見張る為、交代でシャワーを浴びて着替えてきた直後に部屋の準備が出来たと言われた。ちょうどタイミングが悪かったが仕方ない。
気をとりなして部屋へ向かう。
今回取ったのはデラックスシティービューキング。残念ながらオーシャンビューの部屋はすでに満室だった。
エレベーターを降り、4階のフロアーへ。壁に付けられた格子細工に導かれるように部屋に向かう。
扉を開けた瞬間に流れ出る冷気。しっかりと空調が効いている。
落ち着いた色合いの部屋に大きな窓から日差しが入り込み、とても明るい。広いバルコニーから緑が多く見えることで、より広く感じる。
タオルと花で装飾されたベッド。シーツは高級感のあるストライプ模様で肌触りがいい。崩してしまうのがもったいない程ピシッとベッドメイクされている。枕もフッカフカなのに適度な硬さがあり、沈み込み過ぎない。左右それぞれに充電ポートまである。
壁掛けで埋め込まれたテレビに、作り付けのデスク。25㎡の割に考えられた機能的な配置で狭さを感じない。
動線がしっかり確保されているのに、デスクから繋がった作り付けの棚が大きくて鍵などの置き場に便利だ。
そしてバスローブがなんとシルク製。すこぶる肌触りが良い。
シャワー後に濡れたまま着る本来のバスローブとしての役割よりも、羽織ってリッチな気分を盛り上げてくれるという新しい使い方。
冷蔵庫にもドリンクが冷えているが、ミニバーはとても高めの料金設定。水も有料のものしかなく、とても高いので後でスーパーで水を買ってこよう。
部屋とカーテンで仕切られた水回り。
大きな鏡と洗面台は嬉しいが、脱衣スペースとしては狭い。トイレとシャワーが隣り合っているので、気心の知れた仲でないと気を遣うだろう。
ピカピカに磨かれた洗面台に、各種アメニティ―は揃っている。
やたら良い匂いがするハンドソープと、タオルの上に置かれた南国らしい生花が嬉しい。
狭い事に加え難点を上げるとすれば、トイレのドアとシャワーのドアが共用なので、どちらかを閉めるとどちらかが開いたままの状態になる。同時に使用するのが難儀だ。
だが、シャワールームのタイル装飾は美しい。
窓からの景色はシティービューとはいうが、向いは公園で緑が多いし、しっかりオーシャンもビューしている。
バルコニーも広いので水着も干しやすい。
Birth Dayプレゼント
部屋に入って、いの一番に目を引いたベッドの装飾はホテルからのサービスだ。
事前にホテル側に誕生日旅行であることを伝えておくとこういったサービスをしてくれる海外ホテルは多いが、ここの装飾はとても可愛らしい。
タオルアートのゾウにケーキ、細い笹の様な葉で作られた文字は繊細で触れるとすぐに崩れてしまう繊細さ。
出来る限り長くこのままにしておきたい。
チェックイン後すぐ、昼食を食べるために外出したのだが、部屋に戻るとなんとバースデーケーキが届いていた。
2人で食べるのに丁度いいサイズのティラミスと、なんと手書きのメッセージカードまで。記念に持ち帰ったことは言うまでもない。
これらは全て完全にホテルからの厚意なので無料だ。
ここまでしてもらって有難いを通り越して恐縮してしまう内容だった。
さすがの4つ星ホスピタリティー。
設備
折角の高級リゾートホテル。ホテルステイを満喫しようと午後の予定はまるまる空けていたのに、昼食後、部屋に戻ってから爆睡してしまった。
あまりにも寝やすいベッドと枕が悪い。持って帰りたい。
旅も4日目。朝から動いた疲れが出ていたのもあって、その気になればこの快適過ぎるベッドで明日まで寝続けられそうだ。
だがそれではあまりにもったいないので、奮起してナイトマーケットに行く前にホテルの散策に出ることにした。
最上階に上がるとライトアップされたホテルの全景が見える。
プールの横にある貝の様な白いオブジェでは夜にDJタイムがあると書いてあったが、まだ始まっていない様子。
奥には抑えた間接照明で雰囲気の良いバーがあった。
今夜はムービーナイトらしく、大きなスクリーンで映画が流れている。窓の外から伺うと掛かっているのは「スパイダ―マン」だ。
この雰囲気の中での映画鑑賞も乙だが、いかんせん店内には他の客が一人もいないので気まずい。店員に招かれる前にお暇しよう。
朝食ビュッフェ
雲の上の様な快適ベッドでしっかりと寝られた翌朝。ホテルステイの大きな楽しみの1つ朝食ビュッフェへ。
夜のうちは閉まっている可動式の仕切りが開き、朝食会場のレストランへ行けるようになっている。
プールサイドのテーブルセットでも食べられるが、外は熱いので室内で。
思っていたよりコンパクトな朝食会場で、品数も多いとは言えないが洋食メインのラインナップの中にはベトナムらしいメニューや巻き寿司も並ぶ。
私がビュッフェで必ず取るのはフルーツジュース。
買って飲むことはあまりないが、こうゆう時は贅沢に何杯も飲む。寝起きの体に染み入るビタミンが美味しい。定番オレンジとピンクガヴァのラインナップが嬉しい。
相方が気に入ったのはカリカリベーコン。ここのベーコンはカリカリを通り越してバリバリ食感で、固めなベーコンがお好みの相方は喜んでお代わりをしたほどだ。
期待していたよりは質素な内容だったが、どれもがそれなりに美味しい。特にサラダの葉物は新鮮できれいなので、安心して食べ進められる。
時間が遅かったのもあるだろうが、客も少なく、静かな環境でゆったりと食べることが出来た。
海とプールの交互運動
プライベートビーチこそないが、ホテルから一本道を渡ればすぐ海だ。折角なので、ここでもシュノーケリングをしてみよう。
プールからは植木のせいで直接海側に出ることは出来ないから、フロントを通って外に出る。
コンクリートブロックには所々海へ下りられるように階段があるので、そこから海へダイレクトエントリー。
腰高の水深からしばらく行くと2~3mの深さになるが、全体的に浅瀬なせいか2㎝ほどの小魚がチラホラいる以外は魚影がない。
それどころか滞留したゴミの方が目に付くぐらいだ。
残念だが、ホテル前の海はシュノーケリングに向いていない。
早々にプールに引き上げることにする。
プールサイドでゆっくりとプール越しの海を眺める。この過ごし方がやはりこのホテルでの正解なのだろう。
ホテルの敷地内は不思議なほど静かだ。サワサワと揺れるプールの水面の音が聞こえるほどに。
ハイグレードホテルの利点は正にここにある。
外界と違いゆったりと流れる時間。静かな環境。
詰め込んだスケジュールを消化するために忙しなく動くのではなく、普段は出来ない無為で贅沢な時間を過ごす。
それをさせやすくしてくれるのがリゾートホテルだ。
その意味で、シークレットは完璧だ。
そしてこのラグジュアリー感が1泊朝食付きで230万ドン(¥14,300くらい)という破格の安さ。1人¥7,000程で普段よりワンランク高いホテルに泊まれてしまうのはベトナムならでは。
安いホテルを探せば、下は¥1,000ほどの所まである。
でもだからこそ、宿泊費をケチらずにこれぐらいの価格帯に泊まること。それこそがもっともお得を感じられる選択なのだ。
そう思わせてくれるシークレットリゾート。
大人の階段を一段上らせてくれた。このホテルにして良かった。