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体験した気の未体験

9月30日から始まる「アートフェアアジア福岡2022」にギャラリーで出展します。
香月恵介・吉岡雅哉・three、3組の作家の作品を出展します。

『3600 Colors No.5』香月恵介|H.530 x W.530 mm / パネルにアクリル絵具 / 2022
『囚人ファイル』吉岡雅哉|H.333 x W.242 mm / キャンバスに油彩 / 2011-2022
『644.3g』|W230 × D37 × H250 mm / フィギュア、木、アルミ、PVC / 2022


今年の春以降、それぞれの作家にフォーカスした発信を続けてきました。
今回の福岡フェアでは3組の作品が一つのブースに並ぶことになります。


ネット画像・肖像画・2次元キャラ、各作家が扱う対象は、私たちにとって、直接見たり触れたりしたことはほとんどないけれど認知できるもの、要するに知った気になっているもの、という点で共通したところがあります。

そういった未接触だけど認知可能な存在に囲まれた(情報化した?)生活を、今さら逆向きにすることは難しいと思われます。が、彼らアーティストはそんな状況の中で漂うものをじっくりと観察し、解体して、その構造あるいは実体に触れようとしているようで、その試みが痕跡となってそれぞれの形が現れている。それを私たちは見ている。彼らのフィジカルな作品を前に、そんなことを思います。

作品を前にそんなことを思う、というのは追体験みたいなものであって、結局のところ実体験とは異なる、なんてことも考えるのですが、作品を前にするときというのは、少なくとも自分が周りに流されずにちょっと立ち止まることができているのではないかなと思います。この立ち止まる体験がなければ、作品を展示することもできないし、この文章を書くこともないだろうと思うのです。



ということで、福岡フェア会場、あるいは上野にお近くの際は、ぜひ彼らの作品の前で、お立ち止まり頂ければ(変な言い回しですね)、幸いです。

ひとまず、明日から福岡に行ってまいります。

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