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帰国子女ではない日本人男性の、グローバルキャリア形成

「グローバルキャリア」と聞くと、「お前、海外の会社で働いたことあんのかよ?」と言われそうだなと感じたので、このタイトルにするか迷ったが、実際に自分の会社では国内外のパートナーやクライアントと仕事をしているので、僕なりに考えるグローバルキャリア形成について書こうと思う。

僕が海外に住んだ経験は、2013年に大学から奨学金をもらい、オレゴン大学に10週間だけ留学したことがあるだけで、3ヶ月にも満たない短期間。もともと旅行や人に会うのが好きだったこともあり、それ以降、海外に行けるチャンスがあれば訪れる程度だった。

そんな自分だが、現在、経営している会社には、毎日のように海外の学生からインターンシップ応募が届き、また、一緒に働くメンバーも多国籍なチームになった。最近では、以前から仕事を共にしていたシンガポールのメンバーが、正式にフルタイムとして加わってくれた。彼はほぼ1人で大企業の案件をこなしている。

若い頃から海外を飛び回るような仕事をしたいと思っていたけど、その当時は、海外に拠点がある大企業で働くか、現地に移住して海外の会社で働く以外に選択肢はないと思っていた。けど、24歳でフリーランスになったことで、海外で就職するという選択肢ではなく、どうやって国内外で仕事を広げていくかに焦点を絞るようになった。

フリーランスになった当初、前職のクリエイティブエージェンシーで週3日、業務委託として働く機会をもらった。入社してみると、本当に多くの外国人が働いていて、会議やコミュニケーションはすべて英語で行われていた。国籍も多様で、それぞれのパーソナリティを理解するのに時間がかかったけど、彼らが出してくるアイデアはどれも面白く、刺激的な日々だった。

その一面、チャレンジングな面もたくさんあった。例えば、空気を読まずに発言し続ける人、自分の意見が採用されないと不機嫌になる人、毎回遅刻してくる人、ランチから3時間経っても戻ってこない人、商習慣の違いでバチバチやり合うことも。でも、それをまとめていたプロデューサーやクリエイティブ・ディレクターから、多くのことを学ぶことができた。

この経験が、僕にとって大きな転機となり、「日本でもこういう組織の作り方ができるんだ」と実感した。

僕は毎年一度は、自らに課していることがある。それは、「快適な環境から一歩外に出ること」。会社がまだ小規模で、複数のプロジェクトを自分もやっているから、毎日オフィスで仕事をしているのだが、それだと大企業の働き方と変わらなくなってしまい、それではうちの会社に依頼するメリットがないと感じる。だから、彼らと違った働き方をしないといけないと。

今年は、6月にロンドン芸術大学(University of the Arts London)が開講した5日間のクリエイティブ・ディレクションコースに参加するため、現地へ行ってきた。

初日は大学にアクセスできるカードが渡される

そこには、アメリカ、インドネシア、チリ、ブラジル、イタリアなど、世界中から30人ほどの社会人が集まっていた。日本人は僕一人だけ。それぞれバックグラウンドが全く異なる人たちと一緒に、先生から与えられた課題について自分の考えを話したり、ディスカッションをしたり。みんな高い学費を払ってきているだけあって、参加がアグレッシブで、よく話す(笑)

でも、こうした環境に身を置くことで、違った視点を得ることができるし、結局は意見をチームとしてまとめないといけないから、みんなの納得できる所を探らないといけなかったり。でも僕としてもこの意見は絶対に通したいから、どう文脈にのせて話したら伝わるだろうかって考えたりする。

こういうことをしていると、お前の考え面白かったよって言って友達ができたり、先生と仲良くなったり、友達が友達を紹介してくれたりして、コミュニティが広がっていく。実は、僕も常に面白い考えを持っている人を探していて、一緒に仕事できる人はいないかなって探していたりする。

話を元に戻すと、グローバルキャリアは、自ら作っていくモノなんだと思う。別に大企業で働く必要もないし、現地で就職する必要もない。
ただ、会いたい人がいたら会いに行って話をしてみる。面白そうな環境があったら、自ら飛び込んでみる。

そういうことを積み重ねていくうちに、自然と自分のもとにも新しいチャンスや話が舞い込んでくるようになり、グローバルなキャリアが自然と形成されていくようになる。この時代におけるグローバルキャリア形成はそういうものなんじゃないかと思う。

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