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田端信太郎さんへの質問① ペルソナについて

これまで様々な講演会に参加させていただきましたが、毎回自分事に置き換えて常に質問する姿勢で臨んできました。
その中で私が直接投げかけた質問とその回答を共有します!
【医師・村本】https://twitter.com/yoichimuramoto

(村本)
ーーちょうど自分が小学生の時にR25が電車のラックによく並んでた世代です。
R25って書いてると25歳世代より下の人が、覗いてみたくなるような気持ちになるかなと感じたのですが、そう言うネーミングをマーケティング的に考えましたか?

(田端さん)
ーーR15とかR18に倣って、言葉が引きずっているイメージを、いい意味で利用しようとしたかな。

(村本)
ーー田端さんがPRにおいてペルソナを創る場合に、どういった所から情報収集してモデリングをしていますか?
私も医療サービスを開発しておりヒアリングをした経験がありますが、ペルソナ像の作り方がまだ身についていないためご相談させていただきました!

(田端さん)
ーーたとえばベタに言うと、女性誌のためのマーケティングとかだったら女性誌を読んだほうがいいですよ。
30代女性向けのメディアって言うけど、30代女性なんかが一番ライフスタイルが分かれていて、

「結婚してるかしてないか」
「子供がいるかいないか」
「働いてるかどうか」。

これだけで2の3乗で8パターンに分かれるわけですよ。
この8パターンごとに微妙に話が違う、話が合わないんですよ。

(村本)
ーー1つの雑誌ではその8分の1パターンをターゲットにして攻めるのでしょうか。

(田端さん)
ーー最低限8分の1パターンその上で、さらにどういうテイストを重ねるかっていうのがあるんですよ。
それぐらいの解像度で見ないと、結局30代の女性のためのって言っても女の人は
「はあ?」って感じで。
結婚してるのしてないの、働いてるの、働いてないの、大卒ですか、子供がいるの、いないの、地方にいるのか、都会にいるのか、結婚してるかしてないのか。
それを掛け合わせて何十パターンも違うターゲットに対して考える必要がある。場合分けで全然違う。

(村本)
ーーターゲットの解像度をもっと高める必要について学びました。
ペルソナを作る上で、田端さんもヒアリングをする場合はありますか?

(田端さん)
ーー例えば新雑誌創刊のためのヒアリングですって言って人呼んでグループインタビューをやるんですけど、ヒアリングなんて本音を話すわけがないんですよ
たとえば夫婦についてセックスレスの問題とか初対面の人にペラペラ話さないですよね。そこに対してどうイマジネーションするかですよね。

(村本)
ーーそこの課題は感じますね。例えば、今自分も健康診断の解説サービスのアプリ作っていて、健康診断で本当に困ってる人がいるのかどうかを判断するのは難しいと感じました。
健康診断を受けて結果がBとかCとかEとか付けられて不安になってる人が居るだろうという仮説の元で検証していて、実際にヒアリングをすると


「不安がある」
「解説サービスがあったらうれしい」


などの自分たちに都合の良い声ばかり聞こえてくるんですけど、その先のイマジネーションをどうすればいいのかに困っています。
つまり何か実際にサービス作った所で、もしかしたらその人たちは使わないかもしれないし、そのヒアリングと実際のニーズのギャップをどうやって埋めていくかということについて悩んでいます。

(田端さん)
ーー「あったらいいですね」って言ったところで、本当に作ったらお金払って実際使うかは別問題で最後やってみるしか分からないですよね。

(村本)
ーー小さく初めて検証をしてみるということでしょうか。
田端さんはプロジェクト企画を作ったら早くに実証してみるタイプですか?

(田端さん)
ーーはい。特にアプリとかネットサービスの場合はぶっちゃけ原価もそんなかからないし、自分の労力と手間暇くらいしかかからないなら、さっさとプロトタイプとかβ版でも作ってやったほうがいいですよ

紙のビジネスとかお店のビジネスは実一回お店を作っちゃったら取り返しがつかないから慎重度合いは変わりますけど。

(村本)
ーーβ版出した時には不完全なものであるので、測りたいものをしっかり決める必要がありますよね。

(田端さん)
ーー仮説が絞り込まれてれば絞り込まれてるほど、そこだけに特化したβ版でいいですよ。
測りたいことだけに特化したβ版を回す。

健康診断だけだと、輪郭がぼわっとしてる。
そうじゃなくて、30代の結婚しててかつ働いてる人に婦人科系の不安だけを聞くとか。それでシャープになる。

漠然と「健康に対し不安ですか」と聞くとみんな「はいそうです」ってなるし、本当のニーズは分からない。
例えば北海道地震みたいなことがあった時に「地震は不安ですか」と聞くとみんな「不安です」って言うけど、地震の怖さを受けて保険かけて何かやってるかと聞くと、「やってない」と言う。

5W2Hで、どういうひとがどういう理由で、なぜ何のために、お金をどのくらい払うのかを文章化することで、ペルソナの解像度を高められるかどうかってことです。

だいたいうまくいかないダメなプロジェクトって、輪郭がぼやっとしてるんですよ。
シャープに絞りこまれれば絞りこまれるほど、だめだってことも早く気づけるし、
もやっとしてると最後までうまくいくのか、うまくいかないのかも分からない。

(村本)
ーー悩みや課題をシャープに切っていくっていう作業が必要ということですね。
誠に有難うございました。

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