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サラウンドのライブについて考えたこと

過去の立体音場の音楽経験〜立体音場のライブについて考えたこと

立体音場=サラウンド・イマーシブサウンド・マルチチャンネル・マルチグループアンサンブルのこと


 僕が日常でやることですが、ノートブックパソコンの少し離れたところにディスプレイを繋ぎリラックスしながらyoutubeなどで動画を見る。その場合、音はノートブックパソコンから音が出ているのですが、俳優が台詞などをしゃべると映像の方向から音が出ているかのように錯覚さっかくすることがある。


キーワード「音は視覚に引っ張られる」

 過去、マルチチャンネルのコンサートで非常に効果的な手法で記憶に残るのは、2005年のシュトックハウゼン来日の際のコンサート。スピーカーは聴き手を取り囲むように配置され、音楽再生の際会場はほぼ真っ暗になり視覚はさえぎられる。音に集中でき、音の移動や方向性は容易に聴き取れた。

日常的に経験できるものとしてほぼサラウンドに対応している現在の映画館も似たようなことをしており、会場を暗転させ横からの視覚情報カットし映像や音に没頭しやすい状況になっている。高さ方向にもスピーカーが配置されたドルビーアトモスもしかり。


こういうことからスピーカーのみで成立するタイプの立体音場の音楽は
『会場を暗転させることが有効』と思われる。


 もう一つは実際の演奏者がいるタイプの立体音場の音楽。これは難しくて演奏者がいる方向に音が引っ張られてしまうため、取り囲むようにスピーカーを配置しても意識されにくい。

これを解決する方法は聴き手を取り囲むように演奏者を配置し、聴き手はどの演奏者の方法を向いてもいい状況にする。


実際の演奏者がいるタイプの立体音場の音楽は

『あえて視覚に音が引っ張られる現象を利用する方法』が考えられる。


サントリーホールで3群のオーケストラの為の「グルッペン」を聴いた際、音楽は難解ですがあまり違和感無く聴けた経験から。おそらくスピーカーと生演奏を併用する場合は取り囲むように演奏者を配置しその間にスピーカーをおけば解決できる。

シュトックハウゼンだらけになってしまった。
シュトックハウゼンの中期後期は言語化しづらい方ですが、初期作品群は音楽的霊感あふれる偉大な作曲家。

この文章は作曲家 土屋洋一のofficial blog 2014年の記事より加筆修正され転載されたものです。

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