素数で進化した不思議な生き物たち
この地球上の生き物はとても多様性に富んでいて、数字と不思議な関係を持つ現象がたくさん観察されています。
今日はそのなかでも有名な「周期ゼミ」の話をご紹介したいと思います。
セミは世界で3000種類以上がいると言われてます。そのなかには、17年周期で大量発生する「17年ゼミ」、13年周期で大量発生する「13年ゼミ」という種類がいます。大量発生のレベルが凄い。地上を埋め尽くすくらい大量に発生するそうです。
17年後に一斉に大量発生し、その後16年間は全く地上に姿を現さずに、また17年後に大発生します。13年ゼミも似たようなことを繰り返します。ある年に大量発生したら、その後の12年間はシーンとして(地下に潜っていて)、13年後にまた地上を埋めつくす。
このセミたちがなんでこういう一定の周期で大量発生を繰り返すのか、これは13とか17とかの数字に秘密が隠されていると考えられています。
13とか17とか、これなんの数字でしょうか? 素数ですね。
素数の周期で繰り返し大量発生する。これなんの意味があるのか、考えてみましょうか。
昆虫って夜行性が多いですよね。例えばホタル。カブトムシ、クワガタ。セミも脱皮するのは夜です。
夜の方が行動しやすいから、夜行性なんですね。なぜか?鳥に食われる可能性が低いからです。
逆に言うと、昼は鳥に食われやすい。カブトムシやクワガタは昼の間、土の中に潜っています。
セミの成虫は土の中に潜れないので、ある意味無防備なんですね。なので鳥に食われてしまう。
でも、鳥に多少食われたとしても、生き残れるくらい沢山いれば、それはそれでOKです。
例えばお魚はたくさん卵産んで、1,000個とか10,000個とか、その中でちょっとでも大人になればいい。
鮭は3,000粒~4,000粒。カズノコはニシンの卵ですが10,000粒。そのうちの1~2匹生き残る。
なので、このセミも大量に発生して、食われても生き残る分がいるといバランス設定をしています。
でも、ここで問題があります。鳥などの天敵が賢くなって、セミの周期に合わせて大量発生してやろうという進化を遂げる可能性があります。生存競争はその繰り返しですから。周期を合わせられると非常にマズイ。
じゃあ、仮の世界を想像してみましょう。10年ゼミ。そして天敵がいるとします。
天敵は2年に1回大量発生します。すると、5回に1回は大量ご飯にありつけるわけです。10は素数じゃないから、約数の中にリスクが潜んでいる訳なんです。10年セミだったら、2年とか、5年で大量発生するやつがいると、最初のうちは空振りするけど、だんだん気づかれる可能性が出てきますよね。
いまは10年周期セミを考えてみました。では3年短い7年セミではどうでしょうか?これは素数なので、セミクイムシも7年ジャストじゃないと大漁にありつけません。さっきより短い周期なので、天敵チャンスが多いように思えますが、さっきみたいに2年とか5年も空振りしてしまいます。割り切れない数、素数なので周期がつかみづらい、合わせることが難しいのでセミには有利です。
このような生存競争の進化で、アメリカ大陸のセミは13年とか17年とか素数周期で大量発生して生き残ってきたと考えられています。
では、もういちど竹の周期、モウソウチクです。これは67年周期
67という数字、これもしかして。。。