BNT162b2の最初の論文。
今回は少し古いですが、こちらの論文を取り上げます。
Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine
です。
「BNT162b2」とかコミナティ®のコードネームですね、すでにご存知と思いますが。今回は特にワクチンの効果に期待して読んで行きましょう。
コロナ禍初期の論文なので(2020年12月)、COVID-19感染の歴のない方を対象にしています。
Placeboとの比較試験で、
BNT162b2: 21720人
Placebo: 21728人
を対象としております。end pointは、ここが大事なので抜粋しますが、
ってなっているので、感冒様症状のある方(16歳以上)に対してちゃんとSARS-CoV-2の検査(SARS-CoV-2 by nucleic acid amplification–based testing)もしてますね。SupplementにありましたがPCRと抗体検査の両方を用いていたようです。
患者数も多いし良さそうな臨床試験ですね😂。
結果はこちらです。
テーブルの画像がDLできなかったので、Table2から抜粋すると「Covid-19 occurrence at least 7 days after the second dose in participants without evidence of infection」において、
BNT162b2: 18198人に対して8人の発症 (0.044%)
Placebo: 18325人に対して162人の発症 (0.88%)
となっており、明らかに有意差がついております。この試験、3週間あけての2回接種なのでちょっと実地診療とは状況が異なるんですが、一応は効いているんですよね。
でもね。中央値で2ヶ月フォローして18000人のうち160人(1%たらず)しか発症しない疾患に対して接種するのに値するワクチンなのかどうか?、はこの論文だけでは答えが出ないんですよ。
この論文自体を疑うわけではありませんが、本当に適切なワクチンなのかどうかは後々答えが出るんですよね。
では。