コスタイベ?、抗体価の上昇だけじゃぁねぇ。

明治製菓ファルマのコスタイベ®(ARCT-2301)について取り上げてみる。
JN.1対応のARCT-2301の前身ともいえる起源株対応のARCT-154には、以下の論文達がある。

Safety, immunogenicity and efficacy of the self-amplifying mRNA ARCT-154 COVID-19 vaccine: pooled phase 1, 2, 3a and 3b randomized, controlled trials
臨床試験のリンク先は、
The ARCT-154 Self-Amplifying RNA Vaccine Efficacy Study (ARCT-154-01) (ARCT-154-01)

これはPhase1, 2, 3a, 3bをまとめた論文です。プラセボとの比較試験です。ベトナムでの試験とはこの論文のことですね。
BNT162b2との比較試験には、

Immunogenicity and safety of a booster dose of a self-amplifying RNA COVID-19 vaccine (ARCT-154) versus BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine: a double-blind, multicentre, randomised, controlled, phase 3, non-inferiority trial
臨床試験のリンク先は、
ARCT-154(自己増幅型RNA COVID-19ワクチン)を成人被験者に追加免疫した時の安全性及び免疫原性を評価する第III相無作為化多施設共同二重盲検実薬対照比較試験

があるんですが。Wuhan-Hu-1株などに対する抗体価の上昇である、

が結果なんですけど、ここでも論じているのは抗体価。

肝心のARCT-2301は、論文がPubmed検索で一報のみで、

Immunogenicity of a booster dose of a bivalent (Asp614Gly and omicron BA.4/5 variant) self-amplifying mRNA SARS-CoV-2 booster vaccine versus the BNT162b2 omicron BA.4/5 mRNA vaccine: a randomised phase 3 trial
臨床試験のリンク先は、
ARCT-2301(自己増幅型mRNA COVID-19ワクチン)を成人被験者に追加免疫したときの安全性及び免疫原性を評価する第III相無作為化多施設共同二重盲検実薬対照比較試験

しかありません(2024/11/09現在)。
詳細な読解はみんながしてくれているので取り上げませんが結果で大事なのはこれ。

(細かい解釈はいいとして)要するに抗体価の上昇だけなんですよここで論じられているのは。だって、

The primary outcome was the neutralising antibody level 28 days after vaccination, with the aim to show non-inferiority of response to a single booster dose of ARCT-2301 compared with a single dose of Comirnaty BA.4-5 booster vaccine, followed by a superiority assessment.

って書かれてますから。

今後、ARCT-2301についても直接的に臨床効果を検討した論文が発表されるものと思われますが、現時点でこれでは接種する理由が見当たらないですよね。
何が言いたいかというと、みなさんパンピーはあらゆる宣伝によって「コスタイベはCOVID-19に効く」と感じているんですよね。そう、感じているんです。感じているだけならいいんですが、今のところはデータがありません。

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