有名Youtuberの自殺~精神病院の強制入院の是非~
Youtuberの「うごくちゃん」という方が亡くなりました。まだ20代前半だったようです。死因は明らかになっておりませんが、動画のタイトルを見てみると
強制入院していた
Youtuberって本当に孤独です
現代社会に疲れた。(しにたい)
なんかニュースにまとめられてて草【死んでないだけ】
など、明らかに精神を病んでいることがわかります。おそらく自殺ではないかと思いますが、その真実を追求する意図はありません。
彼女の動画の中でも、
強制入院していた
というタイトルの動画にて、精神病院に強制的に入院となった経緯と入院中の話が語られていました。リスナーは下ネタの質問などをしていてそれに元気に答えていますが、実際には退院直後のこの時からはうごくちゃんは動画など撮ってられるような状態ではなかったのではないかと思います。
強制入院
という状態は、鬱病などの精神病の状態の中でも最も深刻な状態で、本人ではコントロールが効かないため、家族の要請により発生するものです。一月程度で回復する状態ではなく、普通にしている時は
薬によるコントロール下
であっただけであり、薬が切れるとそのリバウンドのような状態が続いて
完全無気力
となったり、薬の副作用で食欲や性欲、睡眠欲という
三大欲求
が失われていきます。何にも興味を持てず、こういった状態になったら、本を読んだり、外に出歩いたり、食事を定期的に摂るということは不可能に近いのです。
なぜ医者でもない私がこんなにハッキリと断言しているかというと、実際に強制入院となった家族がいて目の前で、入院前の状況、入院中の状況、退院後の状況、そして
自殺
という一連の流れを見てきたからです。うごくちゃんの話を聞いた時に、
忘れていた記憶が蘇って来ました。
私が気になっていたことを思い出させられました。それは、
精神病院に強制入院させることは果たして必要なのか?
私の家族の強制入院の経緯は、鬱病と診断されて自宅療養していたのですが、家にいると
お腹が痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイイタイ
歯が痛いいたいたいたいたいたいたいたいたいたいたいたいたいたいたい
というような感じで、
痛みを訴えてくる
事が頻繁にあり、その関連の病院に連れて行くと、
どこも問題ありません
ということが繰り返しの時期がありました。そもそも鬱病と診断される前に
ドクターショッピング
になって、あれこれ色々な病院に行っては診察券を発行しており、20枚近い新たな診察券が増えていた状態でした。
鬱病と診断されてからも、本人は精神の方に問題があるのではなく、
体に問題がある
と主張を続け、隙あらば救急車を呼んでしまったり、夜中に
イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ
助けて助けて助けた助けて・・・
といった感じで助けを求めることも少なくなく、
家族ではどうすることもできなくなった
という経緯があります。放っておくと救急車を呼ばれたり、それこそ自殺してしまうのではないかという恐怖から、
精神科に入院させた方が良いのではないか
という話が進みました。しかし、本人は自分は問題はなく、
体が痛いのを治してくれる名医に出会えばもとに戻る
と考えており、心療内科にも通わず、精神病院に入院などは絶対にしないという状態でした。家族としても、本人の意向に沿わないことをするのは良くないと思ってしばらくは家で見守っていたのですが、カウンセリングをしてもらっていた人にも、このままだとご家族も心労で病気になってしまうかもしれないから、入院を考えた方がいいという話もあり、
入院すれば何か変わるのではないか
という期待もあって、強制入院を選びました。今振り返ると、ここで
向き合わず、他人に任せた
ことが一つの分岐点であったのかもしれないとは思いますが、正直私も含めて家族のメンバーもすでに疲れ果てていたので、入院してもらったときはほっとしたというのが本音です。強制入院をさせるのは本当に
人権侵害
のような状態で、無理やり連れて行ったように覚えています。というかこう書いたには書いたのですがすみません、実際はその頃のことはあまりよく覚えていません。すんなり受け入れていたようにも思うし、大暴れしていたようにも思いますが、何度か別の時に救急車に乗せた時の記憶と混濁していて、実際はどんな状態で精神病院に物理的に入っていったのかは覚えていません。
問題は、入院中と退院後です。
精神病院や医師に文句があるわけではないのですが、入院してからお見舞いに行った時はずいぶん大人しくなった半面
無気力
が進み、辛辣な言葉で言えば、
もはや人間じゃない
とすら思える状態でした。1か月か2か月が過ぎた頃に退院となって、
ゲッソリ痩せていた
ことを今でも鮮明に覚えています。無気力になった反面、以前のように痛いイタイと暴れたり大声を出したり救急車を呼んだりということはなくなったので、このまま徐々に回復していくのかな、と期待していたさ中に、マンション最上階から飛び降りて、
自殺しました。
人が飛び降りると、
落雷
のような轟音が響き渡ります。その日から私の人生も、
曇天模様
でこの曇ったような濁ったような感覚は永遠に付き合っていくものなのでもう覚悟はきまっており問題なく楽しく生きているのですが、本音を言えば、
自分と家族の選択は正しかったとは思っていない。
決定的な分岐点があったか、そもそも症状などの関係で鬱病が治って幸せに暮らすという未来はなかったのだとしても、
もっとできることがあった。
この想いだけが残っているのです。おそらくうごくちゃんのご家族や関係者の方も、事実が胸にストーンと落ちて来た時からはずっと永遠にそのように感じて生きていくことになるかと思います。
これが自殺です。
精神病院へ入れるのは、よく考えてから、時間をじっくりとかけて他の選択肢が完全になくなってから決断した方が良いと思います。実際どんな治療が施されているのかあまりわかりませんが、退院後の自殺者の統計でも取ってみれば、最悪の選択肢の一つになりえるという真実が明らかになるのではないかと思います。あくまで個人的体験からの見解ですから、入院したことによって快方へ向かった方がおり、効果を否定する気持ちはありません。
うごくちゃんのことはニュースになるまで知りませんでしたし、彼女が何の病気を患っていたかも知りません。彼女がなぜこの選択をしたのかはわかりませんが、「うごくちゃん」として活躍したからこそ私の元まで伝わってきたということは、本当にがんばっていたんだなぁ、と思っています。数々の勝手な関連付けをして書いてしまい失礼しました。