不動産投資分析の指標
これもいろいろなところで説明されていますが、不動産投資分析の指標にはざっとこんなものがあります。
FCR(総収益率) =NOI ÷ 購入総額(購入価格+諸費用)
…収益物件の実質の利回り
CCR(自己資本配当比率) =BTCF ÷ 自己資金×100
…投下した自己資金に対するキャッシュフロー利回り
DSCR (負債支払安全率) =NOI ÷ ADS
…ローンの返済余力
BER(収益分岐点) =(OPEX+ADS)÷ GPI
…投資物件をどれだけ安全に運用しうるか を示す指標
IRR(全期間利回り)
= 0=C0+ C1/(1+r)¹ + C2/(1+r)² + C3/(1+r)³ …+ Cn/(1+r)n
…トータルのリターン利回り
全てをしっかりと覚える必要はないと思いますが、業者さんによっては物件の提案時にこれらの指標を使った資料を用意しているケースがあります。
「なんとなくそんなのあったなあ」くらいに存在だけを覚えておいて、実際に遭遇したらおさらいをするのでもいいと思います。
FCRは実質の利回りになりますが、世の中には表面利回りが15%とか20%あったとしても、FCRが5%を切るということはありえるんですね。
空室率が高かったり、運営費が高いケースがこれにあたります。
「表面利回りではなくFCRも見ましょうね」というのは、主にそういう場合を想定しています。
DSCRは年間のローン返済額に対して年間収入がどれくらいあるかを表す指標です。
1以下であれば収入額より返済金額の方が多いってことなんで、ちょっとヤバそうです。
1であれば経費を考慮した実収入が返済額と同額ということになので、トントンでキャッシュフローは出ない状況です。
一般的には1.3程度、金融機関など保守的に見る場合は1.5は必要とも言われているようです。
CCRは支払った自己資金に対する年間のキャッシュフローの割合です。
CCR > FCR なら、借入金のレバレッジが効いているってことです。
利回りは、借入金も含めた総投資金額で算出しますが、CCRはあくまでも拠出した自己資金からどれくらいの利益を生んだかを測る指標です。
金融資産投資等、他の投資のパフォーマンスと比較する場合にはCCRを使います。
例えば、株で年利10%で運用している投資家が、CCR20%の不動産案件があったら、そのポートフォリオの何%かは不動産に割振ってもいいかな、と考えるかもしれません。
BERはどのくらいの空室率に耐えられるかって指標です。
75%未満くらいが目安で、稼働率がこれを超えないとキャッシュフローがマイナスになるというものになります。
あー、この辺でお腹いっぱいですね。
実は最後のIRRが一番重要なんですけど。。
でもこいつはちょっと重たいので、ちょっと先で説明しますね。