聖地巡礼
独学と言うか、見よう見真似でTuftingを始めたのは良いのですが、独りよがりになることが怖いところです。「そもそも絨毯は、」などと一括りに出来るほど歴史の浅いものではなく図書館の本で数冊見ただけでも産地や製法、呼び名も様々でした。
FacebookにTufting関連グループが幾つか有って、またYoutubeでも沢山動画があるのですが、いずれも私の目指す方向とはちょっと違う気がしています。
そんな中、山形緞通、オリエンタルカーペット株式会社、を見つけました。
昨年の秋のことです。秋に、見渡す限りの田んぼが、一面黄金色になるそんなイメージの写真を撮り、それをTuftingで表現してみたいと思っていました。実際には別の作品を手掛けていましたのでそちらを造り進めながら、まずは構想を練って写真を撮ることから始めようとしていました。
ところが、オリエンタルカーペット株式会社のホームページには、INAHOという作品が商品として載っているではありませんか。
以前にも書いたかも知れませんが、自分の写真からその時のイメージのエッセンスを絨毯で表現したいと思っているので、まさに方向性が一致していると躍り上がりました。
実物が見たい、作り手を見たい、作っているところを見たい、、、、、
まさに、私にとっての聖地になってしまいました。
3月に工場見学の予約を入れたのですが、まさかの福島沖地震が発生、東北新幹線が脱線するなど大きな被害が起きました。わが身には直接的な被害は無いものの、さすがにこんな時には遠慮するべきと判断して先延ばししました。
県民割と言うコロナ対策事業が隣県まで拡大し(その時点では)6月末まで延長されたのもあって今回スケジュールしてみました。
ちなみに山形駅前のホテルを利用して、宿泊費は補助によって3500円(朝食付き)それにチェックアウト当日まで利用可能な2000円クーポンが付いたので実質1500円の負担で済みました。この大盤振る舞いには逆に国庫が心配になるほどですね。まぁ私が心配しても????ですが。
戦前に戦艦大和の長官室に敷き詰めた絨毯の話や戦後の苦しい時期の話、近年の京都祇園祭の緞通の復元作品、皇居新宮殿に敷き詰められた絨毯などなどじっくりと見せていただきました。
手織り緞通と手差し緞通の違いもおさらいです。
10時30分からお昼過ぎまで丁寧に見学とご説明をしていただきました。
せっかく来たので記念に一枚購入したいと思うのですが、何しろ毛糸の染色からすべてが手作り、とても衝動買いが出来る値段ではありません。
タペストリーとして、あるいは床に敷き詰めるなど、じっくり検討したうえで購入するのが、作り手にも製品に対しても敬意を表すことにつながると思います。
でも、こんな製品もありました。これなら購入可能と事前にオンラインストアで調べて行ったのでした。
今回の見学を受け入れていただいたオリエンタルカーペットの皆さん、
大変ありがとうございました。行きかえりにすれ違う社員の方々が皆会釈をしてくれるのがとても新鮮で、「日本品質」の粋を存分に感じた半日でした。