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「Z世代は着ているTシャツのバンドの曲を知らない」のは世代ではなく、時代の問題でしょう

ここ数日、ロック関連でSNSでバズっているのは、ロッキンオンジャパンの来年の開催地をめぐるNHKのフライング報道問題と、ロックTシャツ問題だ。

「Z世代は曲を知らずにロックTを着ている」と。

たしかに、この10年くらい、ファストファッションの店でもDef Leppard、VAN HALEN、NIRVANAなどのTシャツが売られており。ファストファッションに限らず、ストリートブランドやセレクトショップなどでアーティストを取り上げたTシャツが売られていたりする。私もHYSTERIC GLAMOURのSonic Youth Tシャツ、BEAMSのBeastie Boys Tシャツをゲットした(福沢諭吉先生1人くらいのお値段だった)。

教え子に「え、君、VAN HALEN、聴くの?」と声をかけてみると「え、これ、バンドだったのですか?」と。そんな会話を何度したことか。彼ら彼女たちにとっては、ダサカッコイイ、普段に着るのに最適なTシャツの一つなのだ。ブラック・サバスの再結成ツアーのTシャツを、そうとは知らずに「親からもらいました」「これバンドなんです?」「どんな音楽なんです?」という教え子には、お願い、売ってと言いそうになったけど。

一方、これはZ世代に顕著な傾向なのだろうか?要するにアーティストロゴのTシャツがファストファッションとコラボし広がったという話で。音楽ビジネスも、音源、ライブだけでなく、グッズが大きな支えになっているという話で。

「世代」ではなく「時代」ではないの?

なんでもZ世代にくっつけるのも、ね。

バンドのロゴやジャケットは、世代を問わず、次のファンとのタッチポイントで。「あの、ベロはなんだろう?」「あのバナナの絵、ウォーホールなんだ?」と興味をもったり。あとから聴いてもいいんじゃない?それこそ、あのトリコロールカラーのロボットかっこいい、という話からガンダムに入る人もいるわけで。

やや話はそれるが、完全、ジャケ買いで、幅広い音楽を聴く私からしても、かなり遠い位置にある音楽に手を出してしまったのが、Donald Fagenの”The Nightfly"で。なんてかっこいいジャケットなんだろう。タバコを吸わず、ワイシャツもネクタイも着用しない私が、かっこいいと思えたジャケット。

一方、ファッションで取り上げられないような、着るのに覚悟がいるTシャツというものもあり。それだけ、ファンだぞ、という。入手も必ずしも簡単ではなく、という。

私?

ロックTシャツは多数持っているのだが。中でもガスタンクのTシャツは、色違いも含めて何枚も持っており。もはや、ユニフォーム。若い人は知らないバンドだし。とても癖のあるバンドなので、誰もが好きではなく。主義主張がはっきりしているという。

ガスタンクは昨年、BAKIが脱退し。THE MAD CAPSULE MARKETSなどで活動したMOTOKATSUさんと昨年、ご一緒したときに「BAKI、抜けたねえ、本当に突然」という話をしていたのだけど。ドラマーとして彼が加入して驚いた。「嬉しいす!」とメッセを送ったのだが。彼とはその数日後、悲しいことにDER ZIBETのISSAYさんが亡くなった件でやりとりするのだけれども。

RATMもそうで。これはガスタンクの100倍以上、知られているバンドだけど。Tシャツは主張が強く。勇気がいる。

というわけで、Z世代はTシャツの音源をほぼ聴いたことがない問題についての違和感。

ガスタンクTシャツで演奏する、俺。

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