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「お前に全盛期を決められたくない」中高年の全盛期マウンティング問題

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ロックを愛している。

幼少期から公言し続けている。

言い続けていると、いつの間にか
「あの人は、ロックだ」という
評判がたつようになり。

以前、カメラが得意な教え子たちに、
学生時代のゼミの同窓会で
撮影係をしてもらったことがあるのだが。

「常見先生ってどんな先生?」
「ロックですね」
というやり取りが笑いを誘い。

様々な人に
「これからもロックし続けてください」と
言われることが増えた。ありがたい。

この分野の話をすると、
よくこんなことを言われる。
「え、○○(アーティスト名など)って
 まだやっているの?」
と。

この手の話をする人にとっては、
自分もCDを買い、
テレビ出演する様子をみていた
10代、20代の頃が、
つまり自分が夢中になっていた頃、
自分でも知っていた頃が
全盛期ということになっていたりする。

実際は、
各アーティストは地道に活動を続けている。
音楽ビジネスも稼ぎ方が変わり、
ということは活躍の場が変わっているわけで。

さらに、
その人が夢中になっていた期間よりも、
ずっと長く活動しているわけで。
むしろ、今が全盛期ということもある。

既にオリジナルメンバーではないバンド、
ヒット曲を出した時期とは
メンバーが違うバンドもいるわけだが、
いや、今のメンバーが最も長かったりするし。
「あのバンド、音楽性が変わったよな」と
言いつつ、実はその人が知っている
音楽性の時期は極めて短かったりもする。
大御所アーティストのライブでは、
スタジオ・アルバムから
アレンジが変わりすぎていることもあるが、
活動期間が長いと、
むしろスタジオ音源のアレンジで演奏した
期間の方が短いわけだ。

別に全盛期なんてことを意識しない人たちもおり。
先日、『SPA!』で紹介されていた
フラワーカンパニーズなどがそうだ。
「メンバーチェンジなし! 活動休止なし! ヒット曲なし!」
とMCでネタにするらしいのだけど。
なんて、潔いのだろう。

これは仕事についても言えて。
「管理部門の○○さんは、
 営業課長の方がバリバリやっていたよな」
的な社内の茶飲み話があるわけだが、
実際は○○さんはいまや
管理部門の重鎮だったりし。
地道に取り組んでおり、営業の頃よりも
高いパフォーマンスを発揮しており、
いまの方が仕事を楽しんでいる
ということもあるわけだ。

というわけで、
人の全盛期を勝手に決めるのは、
これまた中年仕草そのものであり、
感度が落ちている証拠なのだ。

さて、デビュー15周年。
私の全盛期は、これから。

・・・10年前は
ヒットを連発していたのも事実だけど。

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