もっとも有効な熱中症アラートは身体の声
天気予報などで目にする熱中症注意情報、あの基準はWBGTという暑さ指数に乗っ取って決めている。WBGTには温度、湿度、輻射熱が加味されている。
加味される割合は
・気温(乾球温度)の効果10%
・湿度(湿球温度)の効果70%
・輻射熱(黒球温度)の効果20%
計算式にして表すと
・屋外WBGT[℃]:0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
・屋内WBGT[℃]:0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度
簡単にいうと、熱中症厳重警戒レベルはWBGT温度で31℃、実際の最高気温が35℃を超えるレベルだ。
で、気象庁は7月1日から熱中症アラートと題して、熱中症の危険が非常に高まった場合に発令する警戒アラートを関東甲信の1都8県そうだ。
基準となる暑さ指数が33℃を越すと発令される。
直感的に思った。これ、外気温が36~7℃を超える状況でないと発令されないのではないか。日本の高温多湿な地域からしてみれば、外気温が32℃(WBGT温度29℃くらい)を越えたありで"ヤバい"のに。
高温における1℃の差は極めて重い。人間だって体温が41℃か42℃かで命に与える影響が雲泥の差なのは周知の事実だ。
さて、昨年も一昨年も最高気温35℃越えの日が連発し、都内では救急搬送される人が過去最多だった記憶がある。
何が言いたいかというと、警戒アラートの設定をもっと低くしないと、熱中症患者を減らすことはできないのではないか、そんな危惧がある。
幸か不幸か今年は東京オリンピックが延期になってくれたおかげで、東京の夏に不慣れな外国人が大挙してくることもなくなり、医療現場としては一安心か。
これ、パンデミックと熱中症が被ったらまさに日本の医療は崩壊する。
僕らにできること、それは自分の身は自分で守ること。他人のアラートなんて待っていないで、自分の中のアラートに敏感になってほしいと願うばかりだ。