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海外中継種明かし•治安編(前)
海外生中継種明かし、最後のテーマは治安です。
世界50ヵ国で取材をした経験を話すと治安に関してよく聞かれます。
大前提として日本を一歩出たら、どこへ行ってもある程度のリスクは高まります。
日本国内と同じ感覚で過ごしていては危険です。
公衆トイレで手を洗う時にカバンを洗面台に置く、写真を撮って欲しいがためにスマートフォンを他人に手渡す、レシートを貰わない、バーで知らぬ人が払ってくれた酒を飲む、突然話しかけてきたストレンジャーに最初からニコニコ•ヘラヘラ対応する、、、私は全てNGだと思っています。
もちろん、あまりに気にし過ぎると旅先でのせっかくの出会いや、思いもよらぬ素敵な発見に出くわす機会が減ってしまうという考えもあるでしょう。
私もどちらかと言えば、旅のトラブルはそれすらも醍醐味であるという考えです。
しかし、やはり海外にいる時は全方位的にかなり高い警戒心を維持し、常に狙われているという気持ちは忘れないようにしています。
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これまで。
東南アジアで自分たちのスタッフがスリにあったり、南アフリカでは他メディアのクルーが大規模な盗難被害を被ったり、周辺でそんなことも起きました。
私もリスキーな場面に遭遇したことは何度もあります。
ロサンゼルスでは向こうの勘違いからギャングの逆鱗に触れ、しばらく複数人から囲まれました。
インドネシアの離島では突然発砲音がしたかと思えば周辺のお店が一斉にシャターを閉め、何かの闘争に巻き込まれそうになったことも。
コロンビアでは、調子の良いお兄ちゃんを信じて値段交渉の末に唯一の移動手段だった彼の小舟に乗ったら、軽装備かつ経験が浅いボートマンだったが故にカリブ海で遭難しかけました。
ナイジェリアでは、パプアニューギニアでは、オーストラリアでは、、。
まあ今では全てが笑い話です。
少しご安心を。
“旅行”ではなく我々は”取材”として海外へ出向くので、もちろん一般の旅人よりはハイリスクなことを元々しています。
特殊な状況に遭遇することが多いのは当たり前とも言えるのかなと。
上記に示した国々は、きちんと高い意識を持ちながら”旅行”すれば安全な場所なので、そこまで怖がらないでください。
そんな私ですが。
これまでの海外取材経験の中で金銭的な被害にあったことは一度もありません。
こうして生きて帰って来ているのもやはり自分が心掛けてきたことが功を奏しているのだと思います。
治安編では私が海外取材で心掛けているポイントを前後半に分けてお伝えします。
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本当はこの記事1海外でまとめたかったのですが、安全面で気をつけていることを考えると結構お伝えしたいことが多くありまして。。
ご理解ください。
前半の大テーマはズバリ。
あえてコイツじゃなくてもいいよな、と思わせる毅然とした態度!
そして次回後半がより生中継の種明かしに近い話し。
120%の”本番感”を演じる架空のオンエア!
先ずは前半から。
誰かを騙したり、お金を奪ったりする行為は犯罪者側にとっても大きなリスクがあります。
できたら騒がれたり助けを求めたりされることなく穏便にことを運びたいはず。
そうなると自然と大人しそうで、警戒心が薄そうで、小柄な人が狙われ易いです。
それってまさに世界がもつ日本人のイメージそのもの。
私は基本的に海外では街中でスマートフォンや地図等を凝視しません。
まず日本人が持つ高価なスマートフォンは、それだけでも泥棒のよだれを誘います。
更に、眉間に皺を寄せてGPS等を一生懸命に見ている姿は明らかに土地勘が無く、そこに初めて来た者だと自分で宣伝しているようなもの。
移動中のバス車内、タクシーの中、ホテルの部屋など、できるだけ閉ざされた空間で地図やお店の情報をある程度頭に入れ、外は胸を張って堂々と歩くようにしています。
カバンの持ち方もとても大切です。
知らぬ間にナイフで持ち物を切られて中身を抜きとられるなんてことも。
リュックサックやショルダーバッグは、人混みでは身体の前方に持ってくるようにしています。
この持ち方一つでも警戒心の高さが伝わります。
長財布をジーンズのお尻ポケットに入れて歩くなんて海で撒き餌をしているようなものです。
そして見知らぬ人間とのやりとりにも大きな落とし穴が。
例えば警察官から突然「パスポートを見せて?」と言われたら、あなたはすぐに手渡しますか?
その人物は本当に警察官なのでしょうか。
パスポートの提示を求める理由は何でしょうか。
パスポートを差し出す前に
Please show your identification.
あなたのIDを見せてください。
ぐらいは言ってみてください。
私なら、そこにこう付け加えます。
Is it okay if I show my passport at the police box?
交番でパスポートを見せても良いですか。
多くの国にビザ無しで行けてしまう日本やシンガポールのパスポートは悪い意味で犯罪者にも人気です。
海外では、商人らしき人がフレンドリーに話しかけてくることも多いです。
何かを強く勧められた時に、空気に負けて簡単にそれを手に取ったり、ヘラヘラしながら対応したり、味見をしたり、しないでください。
どんどん入り込んできます。
必要なければ、はっきりNo thank youです。
それでも、しつこい時は冷静なトーンでしっかり相手の目を見てI said No と言ってみてください。
こういうシーンのI said No には「あなたラインを越えつつありますよ」という警告のニュアンスが含まれます。
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つまり、上記に述べた全てのテクニックは犯罪に巻き込まれそうなリスクが高まったタイミングで、数多いる中からあえてコイツに踏み切らなくても良いと相手に思わせる術だと思っています。
国内でも、身を守る上でいかせる内容ではないかと思いますが、如何でしょうか。
次回は、120%の”本番感”を演じる架空のオンエア!で身を守る?!