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酔いどれ天使

本日も黒澤映画作品について書く。

「生きる」に続いて僕が好きで何度も見た作品の一つは「酔いどれ天使」である。この映画の魅力の一つは、三船敏郎演ずるヤクザの存在感が何とも言えないことである。

オープニングシーンは重苦しい音楽でスタートする。メランコリックなギターの音色とともに戦後の闇市の風景が映し出されていく。荒廃とした地面や沼地がパーンされていくが、まるで人々の心情を映し出しているかのようだ。

こちらが予告編。オープニングシーンも見れます。

そこから志村喬演じる貧乏医師・真田が闇市のヤクザ・松永(三船敏郎)が結核に侵されていることを発見するというところからストーリーが始まる。

そして松永は出獄して来た兄貴分の岡田との縄張り争いや、情婦を巡る確執の中で急激に命を縮めていくという内容のストーリーである。

昭和初期の街並みや独特の義理人情の人間臭さを忠実に表現されている中で、ジャズリズムに乗せられてストーリーが展開されていく。黒澤映画は、社会の中で渦巻く問題や常日頃感じている人間の葛藤が描かれているのが非常に魅力的だと思う。

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