最強ギター基礎練習法
僕が昔からずっと続けているギターの基礎練習法を紹介します。
ただ機械的に指を動かすだけでなく、頭も同時に使う練習法です。
運指の正確さを鍛えつつ、スケールとダイアトニックコードの音の配置を指板の全ポジション隈なく覚える事が出来る非常に効果的なエクササイズです。
このエクササイズではトライアドつまり3声のコードのアルペジオを使います。
まずは最も簡単なCメジャースケールのダイアトニックコードを使ってやってみましょう。
以下がCメジャースケールから成る7つのトライアドです。
C Dm Em F G Am Bº
º はディミニッシュ・トライアドの表記です。
4声から成る º7 (ディミニッシュ・セブンス)とは違うので、注意しましょう。
ディミニッシュ・セブンスの構成音は 1 ♭3 ♭5 ♭♭7
ディミニッシュ・トライアドの構成音は 1 ♭3 ♭5 です。
Cメジャースケールのダイアトニックコードを順にたどり上がって下がるだけです。これをパターンAとします。
これは非常に簡単でわかりやすいエクササイズです。
では次に、上がるにつれダイアトニックコードは逆方向の C Bº Am G F Em Dm という順番で変化していくエクササイズをやってみましょう。これをパターンBとします。
2小節目の最初の音はDで始まりますが、これはBºの♭3です。
つまりこのBºは最低音をDとして、3度→5度→ルートと上がる第一転回形です。
そして3小節目のAmは最低音のEから5度→ルート→3度と上がる第二転回形です。
4小節目のGでまたルート→3度→5度と上がる基本形に戻り、それ以降のアルペジオも同様のパターンで転回していきます。
どうですか?次に来るコードとその転回形をしっかり把握しなければいけないので、意外に頭を使うでしょう?
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次はアルペジオのパターンを変えてやってみましょう。
このエクササイズではF♯マイナースケールを使います。
以下がF♯マイナースケールから成る7つのトライアドです。
F♯m G♯º A Bm C♯m D E
前半がパターンA、後半がパターンBです。
それぞれリピート記号があるので、最初から最後まで間違えたり止まったりする事なく正確に弾けるまで何十回でも繰り返し弾きましょう。
必ずメトロノームを使い、ゆっくりのテンポから始め、慣れてきたら徐々にテンポを上げましょう。
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では次はまたアルペジオのパターンを変えてやってみましょう。
このエクササイズは上昇と下降のアルペジオが交互に続くユニークな動きになっています。
前半のパターンAは全て第一転回形、後半のパターンBは第一転回形→第二転回形→基本形と変化していきます。少し複雑になってきましたね。
このエクササイズではGハーモニックマイナースケールを使います。
以下がGハーモニックマイナースケールから成る7つのトライアドです。
Gm Aº B♭+ Cm D E♭ F♯º
+はオーグメントの表記です。
オーグメント・トライアドの構成音は1 3 ♯5です。
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次はまた違ったアルペジオのパターンです。
今度は前半のパターンAは全て第二転回形、後半のパターンBは第二転回形→基本形→第一転回形と変化していきます。
このエクササイズではAメロディックマイナースケールを使います。
以下がAメロディックマイナースケールから成る7つのトライアドです。
Am Bm C+ D E F♯º G♯º
これらひとつひとつのエクササイズをあらゆるスケールで弾けるようになれば、最強の対応力が身に付き、あなたに苦手なスケールやキーは一切無くなるでしょう。
僕が普段共演するStevie WonderやBrian McKnightやその他様々なアーティストのライブでは、本番の直前もしくは最中にアーティストの気変わりで急に聞いた事もない曲が追加される事がたまにあります。
そういう状況で対応できたのは、耳でコードを聞き取る力も大事ですが、それに加えこの様なエクササイズで地道に基礎力を上げてきたおかげだと思っています。
これらのエクササイズを更に多くのバリエーションを含め一冊の本にまとめました。日本語版は電子書籍のみにて発売しています。興味ある方はぜひ日々の練習に取り入れてみて下さい。
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