胸を張ってさよならできるよう
友人の結婚式で、飾ってあった花束をいただいた。
2人の祝福を見届けて幸せの詰まった白い花束は、1ヶ月経った今も僕の家で綺麗に咲いている。
花束を手にしてから変わったことが2つある。1つは、日々の暮らしで美しい花瓶を探すようになったこと。もう1つは、机の上を常に整頓するようになったこと。
寿命ある儚いこの生き物を、少しでも長く美しい形で保ってあげたい。一番似合う容れ物で、一番似合うところに置いて。
生活に余裕を見出す手段として花を扱うんじゃなくて、香りや色彩で安らぎをくれるそのお返しとして、僕にできることをやってあげたいという不思議な感覚。
もし花束じゃなくてアロマキャンドルだったらこうは思わないのかもしれない。2つも行動を変えてくれた尊い命に対して、感謝と愛情を覚えるのは自分勝手なのだろうか。
いつか枯れるその日が来た時、すんなりと受け入れられるかどうかは、その花へ注いだ愛情の量にかかっていると思う。
なんとなく一緒にいるから、別れる時に後ろめたい。それは花も、人も、服も、案外同じなのかもしれない。
どんな関係にも絶対に最後はあるから。
来るその日に胸を張ってさよならできるよう、僕を健やかに生かしてくれるすべてのものに対して、今日も愛を与え続けたい。
山脇、毎日。