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風景写真の上達に必要な事-初級編-

 皆さんこんにちは、フリーランスフォトグラファーの久保です。

 本日は風景写真が上手くなりたいという方のために、私自身が感じる事を記事にしてみようと思います。
 今回はまず、初級編です。

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 風景写真はおそらく最もポピュラーな写真ジャンルの一つだと思います。

・スマートフォンで近所の風景を撮る。
・旅先の良い景色を撮る。

 など、非常に軽い気持ちで撮影するものも風景写真と言え、スマートフォンの普及率が9割ほどになった今、SNSの普及と相まって、非常に身近な写真ジャンルになったと言えます。
 むしろ、無意識化で撮影してると言っても過言では無いかと思います。

 ですが、今回はコンデジ、一眼レフ、ミラーレスなどの、一般的にデジカメと言われる機材を使って、趣味として仕事として風景写真が上手くなりたいという方へ向けた記事となります。
 初級編の今回は、まずは5つのポイントを紹介します。

1.カメラの設定、基本の「き」をマスターしましょう。

 デジカメを手に入れたら、とりあえずよく分からないけどひたすらに撮影!という方がほとんどかと思います。
 もちろん、それでも良いのですが、これからどんどん上手くなっていきたいと思うのであれば、せめてこれだけは覚えておいた方が良いと思う事があります。

 それは、シャッタースピード(SS)・絞り値(F値)ISOの関係です。
 今更そんな事分かってるという方が多いかと思いますが、SS・F値・ISOの一段ずつの数字を答えられる方はあまり多く無い気がします。
 SSであれば
1/2  1/4  1/8  1/15  1/30  1/60  1/125  1/250  1/500  1/1000.......
といった具合で数字が大きくなります。

 F値とISOも載せておきましょう。

F1  1.4  2  2.8  4  5.6  8  11  16  22......

ISO100  200  400  800  1600  3200  6400  12800......

といった具合になっています。

 なぜ、このような数値を覚えておく必要があるかというと、露出は変えたくは無いけどボケ具合を変えたい手ブレや被写体ブレを防ぎたいけどISOをどこまで上げれば良いか判断が遅れる、などといった一瞬の判断において迷いが減り、チャンスを逃しにくくなるという利点があります。
 チャンスをものにできるということは良い写真を撮ることにおいて最重要な要素の一つです。
 その要素を満たすためにスムーズなカメラ操作は必須と言えます。
 ホワイトバランスや絵作りに関する昨日もすぐに呼び出せるよう、自身のカメラの基本操作も普段から練習しておきましょう。

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 この写真も、設定であたふたしていたら雲が流れてしまったり、日が陰ってしまって撮影できなかったかもしれません。

2.天気を読む力を身に付ける。

 天気を読む力といっても、私自身は気象予報士でもありませんし、毎度毎度良い天気に恵まれるなんてことはあり得ません。
 ですが、撮影したい地点の天気をある程度把握しておくことは、風景写真を撮影する上において、逃れるこのできない事です。
 
 私が活動拠点としている札幌市から、例えば根室市周辺へ撮影に行くとすれば車で休憩を入れて約6時間半くらいでしょうか。
 それだけの時間をかけて撮影に行って、強い雨で撮影がまともにできない状況に陥ったらとても虚しい気持ちになります。
 しかし、天気をある程度把握していれば、そういった状況はある程度回避できますし、場所を変更して撮れ高のある撮影ができるかもしれません。

 そこで私が活用しているサイトを紹介します。
 一つ目は「tenki.jp」、二つ目は「SCW」 です。

 tenki.jpで大まかな撮影スケジュールを決め、SCWで前日に詳細な場所を決めるといった事が多いです。
 tenki.jpは日本気象協会が運営しているサイトで信頼性があります。
 SCWはスーパーコンピュータを使い、雲の動きや雲量、風向きや風速、気温をリアルタイムに近い形で見る事ができる、心強い味方です。
 もちろん、必ず当たるわけではありませんが、自然相手なのでそこは仕方のない事です。
 
 撮れ高を求めるのであれば、天気を確認する癖をつけておきましょう。

3.まずは真似して真似して真似をするところから。

 上達していく過程で、自分自身が最も効果を感じた事は、この真似をするという事です。
 凄いなぁ...と思う写真を撮影しているフォトグラファーの写真を見て、どう撮ればあんな写真が撮れるのかを考えて必死に真似をする。
 これが、なんだかんだ言って一番上達速度が早かったように感じます。

 ただ、注意しなければならないのは、あくまでも真似をしているので自身の作品としては力が弱い事、二番煎じ以降はやはりどこまで行っても二番煎じで、最悪の場合「パクリ」のレッテルを貼られてしまう事です。
 SNSだとしても何にしても、自身の作品として胸を張って世に出すのは、撮影者自身の作品としての要素を含めたオリジナルでなければ、その作品は認められない可能性があります。

 しかし、それはもっと写真が上達してからの話で、上手くなるためには真似をして良いと思う物をどんどん吸収して自分の引き出しにしていく事が大事です。
 幸い、現在はSNSやウェブ上で国内外の写真を多く見る事ができます。
 この人の写真が好き、または凄いと思うフォトグラファーの写真を、構図から仕上げまで真似して見ましょう。
 全く一緒に仕上げる事はほぼ無理ですが、その過程で得られるものは必ず役に立ちます。

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4.頑張って早起きをしましょう。

 風景写真の撮影といえば早朝や夕方がメイン。
 それは紛れもない事実です。
 さらにいえば夕方よりも早朝の方がドラマチックな場面に出会える確率が高いような気がします。
 
 なぜ、早朝か夕方なのか、それは単純に良い光に巡り合える確率が日中に比べ、遥かに高いからです。
 太陽が低い位置にある時の光は、陰影を生み出し、非常に立体感のある景色になります。
 また、朝焼けや夕焼けはそれだけでも非常に美しいものです。
 早朝は気温や湿度の関係から雲海や霧海の確率も高く、観光客も少ないことから特にお勧めです。
 
 早起きは三文の徳なんていう諺がりますが、風景写真において早起きは三文以上の徳があります。

5.ひたすら撮りましょう。

 風景写真は風景を撮るものです。
 家で情報収集やイメージトレーニングをすることも大事ですが、結局のところ撮影して、そのデータを確認して、反省点をまた次の撮影に活かすのが着実に上達していくための道筋です。

 そして最初の方は、身近な絶景スポットに行きましょう。
 というのも、絶景スポットは絶景を見られるから絶景スポットなので、そこから見る景気は多くの場合、とても良い構図になっていたり時間によっては良い光で更に絶景へと変化します。
 しかも大半が車から降りてすぐなので、気軽に撮影できます。
 気軽に撮影できるという事は、それだけ良い写真を撮影できるチャンスにも巡り合えるということにもなります。

 しっかりと整備された場所で、色々な焦点距離で撮影を行い、色々な構図を試し、色々な設定を試す。
 季節や時期によって撮影できるものも変わるので、そういった変化にも気づく事ができるでしょう。
 撮影したその時間が無駄になる事は絶対にありません。

まとめ

・カメラの設定や操作をスムーズに行えるようにする。
・天気をこまめに確認する。
・上手い人、好きな写真を撮る人の真似をして、良いと思う点を吸収。
・ちょっとしんどくても早起き。
・あとはひたすらに撮影して経験値を稼ぐ。

 最初は思うように撮影できなかったり、思うような写真に仕上がらなかったりするかもしれません。
 行き詰まってどうしようもないと感じる事があれば、少しの間、風景写真から離れるのも一つの手です。
 ただ、その行き詰まってる感じを抜け出す事ができたら、確実に一つ上のステップへと駒を進めている事でしょう。
 現像やレタッチを頑張るも良し、ちょっと冒険して自分だけの風景を見つけるも良し、そこまでいけば風景写真が楽しくて仕方なくなっているはずです。


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