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症例報告の書き方! (1)テーマの選び方

症例報告論文を書いてみたい!

という若手医師や医療従事者の方、実は結構いるのではないかと思います。症例報告論文は、症例の経過を要約記述し臨床的に意義のある経験を共有するための論文です。医師やその他の医療従事者の学術活動の第一歩になることが多いと思われます。

一方で、「職場の上司が論文執筆の経験が豊富で症例報告論文の書き方を丁寧に指導してくれる」というような先生はそんなにいない、のではないかと思います。自分も最初の一本目の症例報告論文を書いたときは、どのように書けばいいかわからず、色々な本を読みなながら試行錯誤しました。今から思えば、いくつかの重要事項を押さえればもっといい論文にできたのになと思います。

そこで、自身の経験をもとに症例報告論文作成に重要と思うポイントについて解説したいと思います。症例報告論文を書いてみたいけど、どうやって書いたらいいかわからない、適切な指導者がいないという方を対象にしています。和文でも英文論文を書く場合でも使えると思います。

ちなみに筆者は救急医です。このnote執筆時点で卒後11年目で、救急医学に関する研究者として原著論文と症例報告論文をそこそこ出版しています。(筆者の学術業績をみる)。査読経験も50件くらいはありますので、多少は自分の経験が参考になるのではと思います。

テーマの選び方

まず初めのポイントは「テーマの選び方」についてです。

症例報告論文のテーマにはいくつかのパターンがあって、そのパターンに基づくものが作成しやすいと思います。

以下、私の「秘伝の虎の巻」ですので100円の設定をさせていただきます。当直の空き間の暇つぶしにでも読んでもらえたら幸いです。

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