差別化要素としての”文化”のお話
こんにちは。
前回は筋肉はビジネスに通ずる、というお話を投稿させて頂きましたが、今回は「WEBサービスにおいて最強の差別化要因になり得るのは”文化”なのではないか」というお話を投稿させて頂きたいと思います。(画像はあまり関係ありません)
WEBサービスにおける差別化要因創出の難しさ
競合との差別化は、有名なマイケル・ポーター先生が提唱している様に競争をする上で非常に重要なポイントになります。実際に製造業メインの時代においては「製品そのものの機能や性能」によって差別化が行われており、製品を作る技術自体がビジネス上の差別化要因創出に大きく貢献していました。
しかしWEBサービスの世界においては、マイケル・ポーター先生の提唱する差別化の源泉である「製品の特徴」は模倣されやすくなり、さらに地理的な制約やタイミングについても差別化要因にはなりにくくなりました。
様々な領域(〇〇Techと呼ばれるような市場)において、多くのサービスが乱立しており、し烈な競争を繰り広げているのもこういった差別化要因を作りにくい状況が参入障壁を下げることで生まれているのだと思います。実際に従来型の産業は市場成長が鈍化していることも背景の一つだとは思いますが、なかなか新規参入者が増えていないように見えます。
このように、WEBサービスを提供するビジネスは製品の特徴が模倣されやすいことなどを要因として差別化要因を作りにくい環境であると言えそうです。
何をもって差別化を図るのか
では我々WEBサービスを提供する事業者は何をもって競合との差別化を図っていくことになるのでしょうか?私は”文化”こそ最強の差別化要因になり得る、と考えています。
サービスの特徴自体が模倣されやすくなってきている現在、サービスや市場の黎明期においては製品の進化スピードが差別化要因となり得るものの、一定サービスや市場が成熟してしまえば改善のインパクトは次第に小さなものが多くなり、製品の進化スピードも鈍化してしまうでしょう。そうなると開発スピードは差別化要因としては弱くなってしまいます。しかしそんな状況においても差別化要因として存在し続けられるのが「組織の文化」つまりは「組織としての当たり前の水準」なのだと思うのです。
かの有名なリクルート社の『お前はどうしたいの?』というフレーズしかり、組織として大切にしたいスタンス、求める基準を"文化"としてぶらさないことは組織の当たり前の水準に直結します。ビジョンや方針を掲げるだけではなく、日常のレベルで当たり前に会話されている状況、これを徹底的に続けていくことで組織としての当たり前の水準は高まっていきます。
組織の当たり前の水準が高まることで同じ戦略を取ったとしても、実行の徹底度や精度に大きな差が生まれて競合との差別化要因になるのです。この当たり前の水準はそう簡単に競合にはマネすることができません。だからこそサービス自体の模倣が容易になった現代においても"文化"は強力な差別化要因になり得るだと思います。
前提としてのプロダクト力、そして武器としての文化
ここまでサービスが模倣されやすくなった現代では文化こそが最強の差別化要因である、というお話を書いてきました。しかしこの文化が差別化要因になる状況とはしっかりとサービスを作り上げられていることが前提になります。
そもそも互いに模倣し合うスピードについていけないサービスは商品の特徴の面からユーザーに選ばれなくなってしまいます。そのため大前提としてより良いサービスを作る事(≒エンジニアリング)の強さは求められるということを忘れてはいけません。そしてより良いエンジニアリングの実現のためにも"文化”は重要な役割を果たします。
現在、エンジニアなどサービスづくりを担う人材の市場価値は高まり、優秀な人材の獲得が非常に難しくなっています。転職求人倍率レポート(2020年10月)を見ても、全体での求人倍率が1.65なのに対して、IT・通信では4.89と圧倒的な数字となっています。このような状況においてエンジニアを獲得するには待遇面はもちろんのこと、一緒に働きたいと感じてもらえる"文化"がとても重要になってきます。そしてその文化をしっかりと世の中のエンジニアに伝え、理解してもらうことができればより良いマッチングが実現できるはずだと、私は考えています。
まとめ
WEBサービスを提供する事業者の中の人として、思っていることをつらつらと書きました。WEBサービスを成長させていくには、大前提として良いプロダクトを作ることができることが大切であり、そこからさらに大きく成長していくためには組織の"文化"、つまり"当たり前の水準"を高く持つことが重要だと思います。
もし少しでも「わかるかも、、、」と感じて頂けたら、自分の組織の"当たり前の水準"を見つめなおし、イメージしている水準とギャップがないかチェックしてみてもよいかもしれません。読んでくださった皆様のサービス運営の参考になっていれば嬉しいです。
そしてエンジニアの採用などで文化を伝えて、マッチした人材を採用したい時にはこんなサービスもございます!(宣伝)良ければご覧くださいませ。
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