「ウクレレ好き100の質問」 #001~#010
最初のあいさつ
どうも、麻生洋平です。
「ウクレレ好き100の質問」と題して、TwitterやInstagramなど各種SNSにて、ウクレレや音楽にまつわる質問やご相談を受け付けています。
そちらで集めた質問をこのnoteでまとめていきたいと思います。
一体100個も質問来るのか不安ですが、まあやってみます。
もし来なかったら、どうしよう。
白ヤギさんも黒ヤギさんも、1通も手紙が来なかったら、
お腹が減って倒れてしまうかもしれません。
優しい皆さん、ヤギさんのお腹を満たすためにもぜひ質問&ご相談お待ちしております。
ウクレレプレイヤー&講師のサイトウユウキさんにも助けてもらいながら、
楽しく回答できればと思います!
それではよろしくお願いいたします。
#001 2023/12/20
ふと浮かぶメロディー
emi-rinさん
ご質問ありがとうございます!記念すべき第1号の質問です。
ふとメロディーが浮かぶこと、もちろんあります
降りてくるのは感情が動いた時だと思います。
自転車に乗って、気持ちよく風を浴びている時。
楽しい時。
悲しくてふさぎこんでいる時。
その気持ちから逃避したい時。
ほとんどの場合は僕は詩を書いて、
そこにメロディーをつけます。
結局は歌のないインストの音楽になるのですが、
自分の中では歌詞があって、ストーリーがあります。
僕が会ったシンガーソングライターの方たちは、
まずメロディーを書いてから詩を書く人が多かったです。
言葉を届ける人がメロディーを先に書き、
メロディーを届ける人が歌詞を先に書く、
不思議ですね。
麻生洋平
#002 2023/12/20
ストレートペグは使い易いか?
hirofukuさん、ご質問ありがとうございます!
まずストレートペグとギアペグ。
違いがわからない人もたくさんいると思います。
違いはインターネットで調べてもらうとして、
僕は正直気にしたことがありません。
そもそも大雑把な人間なので、ウクレレは綺麗に音が鳴っていれば全部OK。
あとは個々のウクレレの持つそれぞれの個性だと思っています。
もちろんギアペグの方がチューニングの微調整ができるので実戦向きですが、ストレートペグもヘッドの後ろにぴょんと飛び出ていて可愛いですよ。
僕は食べ物では、乾いたフルーツはあまり好んでは食べません。
でもあれば食べます。「すごい乾いているなあ。」と思って食べます。
そう言えば嫌いな食べ物ってないなあ、と弟に話したことがあります。
すると弟は
「僕もない。みんなが嫌いなピーマンも苦味のある個性的な味だし、キュウリも青臭さも、あれがキュウリ本来の味だし。それがそれぞれの良さだもんねえ。」と言ってました。
われわれはどうやら舌が大雑把な兄弟のようです。
と言うことで、チューニングが合いづらいウクレレも、
簡単には言うこときいてくれない相棒みたいで可愛いですよ。
麻生洋平
#003 2023/12/20
脱力のススメ
くみちょさん、ご質問ありがとうございます!
実践的な質問ですね。言葉だけで説明できるか、頑張ってみます。
重音とは同時に複数の弦を2本以上押さえることです。
ダブルストップ、などとも言います。
この質問をしてくるということは、1つの音だけを押さえれば良い時は、フレット移動は簡単にできているということですね。
では2つ以上の音を押さえるとなぜうまくフレット移動できないのか。
それは力が入っているからです。
しっかりネックを握り込んで、親指にグッと力を入れてコードを握る。
そんな押さえ方をしていないですか?
これは初歩的には正しい押さえ方ですが、レベルが上がった中級者以上の方は力の入らない押さえ方を学びましょう。
なぜなら力の入った状態では、人はすぐに次の動きに移れないからです。
脱力している状態。それが素早い次の動きを生みます。
1流のスポーツ選手を見ると、わかりますね。
さて、人間の手の重さはどれくらいあるでしょう。
腕まで入れると体重の6%。体重50キロだと腕の重さは3キロです。
その重みをネックに預けます。
(3キロのダンベルがウクレレのネックに乗っている状態を想像してください。弦がしっかり押さえられるのは当然ですね。)
そうすると左手親指の力を使わなくても、しっかり指が弦を押さえこむことができます。ネックを水平ではなく、ちょっと自分の方にナナメに向けるのが手の重みをネックに預けるコツです。
そして手の重みをネックに預けられる、ということは脱力した状態なので、次の動きにもすぐに移れます。
(昔ライブで見たトミー・エマニュエルは押弦の際、ほとんど左手親指の力を使っていませんでした。)
まずは脱力の練習をお勧めします。
手をテーブルの上に置いて、脱力します。
すると肘が落ちるはずです。
そのままテーブルの上の手を、テーブルから外しましょう。
その時手は重力に従って、テーブルの下へと落ちましたか?
それとも宙に浮いたままですか?
宙に浮いたままの場合は、腕の力が脱力できていません。
おそらく肩こりに悩まされているでしょう。
まず脱力すること、そして脱力したその手の重みを、ウクレレの指板の上に預ける訓練をしてください。(左手親指の力を使わないでも弦が押さえられることに気づくと、フレット移動が楽になります。)
長くなったのでここまでにしておきます。
文字だけで伝わっていれば良いのですが。
脱力の練習すると肩こりも治るので、練習頑張ってください!
麻生洋平
#004 2023/12/21
難しい曲について
Undoさん、ご質問ありがとうございます!
世の中はやはり広くて、たくさんの難しい奏法や難曲があります。
パンチ・ブラザーズで活躍している、超絶技巧のマンドリンプレイヤーのChris Thileさんを知っていますか?
マンドリンでブルーグラス、ジャズ、フォーク、クラシック、ロックなど数々のグルーヴの曲を弾くスタープレイヤーです。
マンドリンでどんなグルーヴも弾きこなすその姿に、衝撃を受け、励まされました。
「ウクレレでもどんな音楽でも表現できるんじゃないか。」
そう思えたのはChris Thileさんのおかげです。
そう思ってトライした曲があります。
Chris Thileさんもマンドリンで弾いていた、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第三番ホ長調 BWV1006(Partita for solo violin No.3 in E major BWV1006)です。
何度かライブで演奏しましたが、結果はボロボロでした。難しすぎた。
よくよく考えると、マンドリンは5度調弦のクラシック属。ウクレレはギターと同じ4度調弦。楽器のチューニングシステムがそもそも違いますね。どうりで弾きにくいわけだ。
後日、ハワイのウクレレプレイヤーがパルティータ第三番を演奏しているのを見ましたが、弾きやすいキーに変えていました。
その手があったか!
麻生洋平
ご質問ありがとうございます。
とてもワクワク…そしてドキッとする
ご質問ですね!!
“難しい”
この言葉も奥が深いもので世の中の沢山の曲に
ふれていると…
・運指が難しい
・リズムが難しい
・表現が深くて難しい
・速すぎて難しい etc.
など色々な難しい壁に当たってきました。
どの壁も越えたと思うとすぐ後ろに大きな壁が立っており、そういった意味だと逆に全て
「弾けねぇー!!」状態ともいえます…笑
そんな中で特に最近「難しくて弾けない曲」
として挑戦していたのは…
「Tico Tico」ですね。
KYASさんの演奏動画をみて素敵だなぁと感じ
弾き始めたのですが…
ご本人の演奏を生で拝見した際には圧巻過ぎて
絶叫状態でした!!
という事で2月17日
僕もこの曲をライブで初挑戦してみようかな…
と想います。
サイトウユウキ
#005 2023/12/21
著作権的なこと
橘あき。さん、ご質問ありがとうございます!
僕は難しいことには全く詳しくないので、専門家に聞くのが一番だと思います。
一応、YouTubeの演奏動画にTab譜を貼るのは大丈夫、と聞いたことがあります。
ぜひ調べて見てください。
著作権、知的財産権、確定申告。
僕は難しい漢字が並ぶと頭が痛くなってきます。
アジェンダ、エビデンス、KPI。
カタカナが並ぶと胃が痛くなります。
そういったものから逃げるために、音楽家になったのに、
どこまでも大人たちが難しい言葉を掲げて、追いかけてきます。
恐ろしいので、将来は無人島に引っ越して、
魚を取りながら暮らしたいと思っています。
椰子の木の下でウクレレを弾きながら、目を閉じる。
波の音を聞いて、星の下で眠るのはどんなに気持ちの良いことだろう。
麻生洋平
#006 2023/12/21
諦めが肝心?
あめさん、ご質問ありがとうございます!
コードが押さえられないだって?
諦めずに血豆ができるまで頑張れ!
と言いたいところですが、僕はすぐに諦めます。
できないことはできない。
他の方法を探しても自分でできないのであれば、
できる人を探してやってもらえば良いです。
ウクレレだったら上級者と一緒に弾いてもらうとか、パートを分けるとか。
そんな仲間を作って弾いていると、
知らない間に自分でも弾けるようになっていることがあります。
僕は中学生の時にFのコードが弾けなくて、買ったギターを1週間で友達に売りました。
その後、ギターに長いこと触らなかったのですが、
20歳になった時に久しぶりにギターを持ったらFが押さえられました。
理由はわかりません。
全然関係ないことをしていると、乗り越えられる壁もあるのかもしれません。
麻生洋平
#007 2023/12/21
音が小さい
ドラゴンズ馬鹿日本一のドラキチ社長さん、ご質問ありがとうございます!
好きなものがすぐに分かる名前ですね。
さて生音が小さい。
日本の住宅事情だと、ご近所さんにも申し訳ないので小さい音で弾いてしまう。
そのせいで小さく弾いてしまう癖がついてしまう。
これは誰しも経験あるのではないでしょうか。
大きい音で弾くためには、その楽器で一番大きな音を出す限界を探ることです。
音は弦が振動して、ボディで増幅し、音が出てきます。
ということは大きい音を出すためには、大きい振動を弦に作れば良いですね。
大きい振動を作るには弓を想像してもらえれば良いです。
弓に張ったつる(ストリング)を引っ張り、力を蓄える、そしてリリースすると矢が飛んでいきます。
少ない力で引っ張って、すぐに離してしまうと、ちょっとの距離しか矢が飛びませんが、大きくひっぱり、力を溜めると、遠くまで飛んでいきます。
ここで大事なのは力をリリースしたときに矢が飛んでいくということです。
ウクレレもそう。
弦を引っ張り、力を溜め、リリースしたときに音がなります。
ぜひご自分のウクレレで試してみてください。
そうすると音と同時にパチン、というような弦のノイズが鳴ると思います。
このノイズと実音のバランスが大事です。
ノイズが大きすぎると実音が聞こえないし、実音だけ透き通って鳴るようにすると全体の音量が小さくなります。
そのバランスの中で、自分のウクレレで使える最大音量はここだな、と思ったところを探してあげます。
それがあなたとあなたのウクレレの出せる最大音量です。
その感覚が掴めたら、ストロークでもその感覚を出せるように弾いて見てください。
そこでは左手の使い方も大事になってきますが、長くなったのでここまでにしておきます。
でも普通、家でウクレレ弾いていたら、パートナーには「うるさい」と疎んじられそうです。
「音が小さい」と言われるということは、よっぽど仲が良いか、
素敵な音色で弾かれているんでしょうね。
素晴らしい!
麻生洋平
#008 2023/12/22
ウクレレのサイズ
へいさん、ご質問ありがとうございます!
今僕がメインで使っているのはテナーウクレレです。
ダン・ラトリフさんというアメリカのルシアーさんが作りました。
ラトリフさんは1本のウクレレのオーダーが入った時に、必ず2本同時に製作して、互い違いに具合を調節しながら作っていくそうです。
そうすることによってクオリティも上がっていくとのこと。
どこかにある双子のもう1本のウクレレにも会ってみたいですね。
僕は昔、コンサートサイズを使っていたのですが、もう少し大振りで頑丈なウクレレが欲しいと思って、テナーにしました。
ライブ会場とかでよくウクレレをぶつけちゃうんですよね。
メイン機と違うサイズを弾くときも、あまり自分で使い分けている感じはしないです。
触って見て、「あ、この子はこんな感じなんだ。」と思うくらい。
自分の演奏をウクレレにぶつけるのではなく、そのウクレレに自分をフィットさせていく感じです。
サイズが違っても一緒でも、そもそもウクレレはそれぞれ性格が違うので、
そのウクレレが一番鳴るところを探す。
ストロークの時も「これくらいかな、これくらいかな?」
とそーっと触ります。
ちょうど引っ込み思案の犬がドックパークで、うまく他の走り回っている明るい犬に近づけない、あの感じです。
ずっと触っていると、だんだんそのウクレレの良いところが分かってきますが、やはり時間がかかります。
引っ込み思案の犬も、他の犬と仲良くなるのに時間がかかりますね。
ライブやワークショップで、私のウクレレを弾いてみてください!
と言われるのですが、すぐに良い音で弾くのは難しいですし、何を弾いて良いのかわかりません。
やはりうまく音を出すには、同じウクレレと長く付き合うことが大事だと思います。
麻生洋平
へいさん
ご質問ありがとうございます。
現在メインで使用しているウクレレは
コアロハのロイヤルピカケというシリーズで
サイズはコンサートを使用しております。
(材質はハワイアン・コア)
ウクレレのサイズというのは音色にも
大きな影響を与えるとても面白いポイントの
一つですよね。
僕はコンサートかもしくはコンサートのロングネックが好きなのですが選んでいる理由は
・身体とウクレレボディのフィット感
・ウクレレのかわいらしい音色と程よい低音域
・演奏する曲の必要なフレット数
といったところです。
これが面白いことにライブか家かでも
好きなサイズが変わります。
家だとソプラノが好きなんです。
僕は元々ギターを弾いていたので初めて
ウクレレを弾いて際に、ソプラノの優しくも
どこか凛としたかわいらしい音色を聴いて…
「これがウクレレかぁ~」とスタートした経緯が
ありますので、何も考えずボーッとウクレレを
楽しみたい時はソプラノが最高です。
※もちろんライブで使えないとかそういうお話じゃないですよ!
テナーについては、ウクレレの中では低音域が
豊かに鳴ってきます。
ネックのスケールも長くなってくるので、僕にとってはなんだか「小さいギター」に近い感覚になってくるのです。
(Low-Gとかだと更に…)
なのでせっかく違う楽器を弾いている“甲斐”を
感じたくて…という気持ちであまりテナーは
弾きません。
※僕の場合は…というだけでテナーが使いにくいとか
そういうお話じゃないですよ!
とはいえ、どれもそれぞれの魅力があり
サイズに関わらず、みんな違った“声”を
持っています。
なので…
“この子はどんな声のウクレレだろう?”
“この子はどんな風に弾いてあげるといいだろう?”
そのウクレレの持っているポテンシャルや
魅力、そして声に耳を傾けながら演奏をする
そうすると自然にウクレレと調和の取れた
美しい演奏につながるかなぁ…と想います
サイトウユウキ
#009 2023/12/23
演奏による体の負担
Cherie-tokyoさん、ご質問ありがとうございます!
右肩を痛めたということは、ストロークや指弾きの時に肩に力が入っているのかもしれません。
僕はウクレレのボディの上に上腕をおいて、腕の重みをウクレレに預けてしまっています。そのおかげで肩の力を軽減できているので、肩こりしにくいかもしれません。
でも楽器演奏はどれも、体に負担をかけるものばかりです。
冬には腰をさすって「いてて。」と言いながら現れるミュージシャンをたくさん見ます。
腰痛持ちのクラシックギター演奏者の知り合いは何人もいます。
体のどこかが痛い、というのは体からのメッセージです。
何かおかしな体の使い方をしているんじゃないか。
それに注意深く耳を傾けてあげるのが大事ですね。
痛くなったら、まず演奏をやめる。
そしてなぜ痛みが出るのかを考える。
ぜひ実践してみてください。
ストレッチはたくさんあるので、リアルイベントでもぜひ質問してください!
ちなみに体全体のメンテナンスと運動には朝のラジオ体操が一番です。
僕も定期的にやっています。
子供の頃より大人になってからやるべきですよね。
麻生洋平
#010 2023/12/24
演奏上達に役に立つアプリ
hirofukuさん、ご質問ありがとうございます!
アプリで僕が使っているのはメトロノームとチューナー、それからiReal Proです。演奏上達に一番役に立つアプリはメトロノームですかね。
メトロノームは無料のアプリで、特にすごい機能がついているわけではないです。世の中の数多あるメトロノームと同じ、一定にテンポを刻む機能だけあるシンプルなものです。
ある時「メトロノームを使わない練習は、練習ではない。」と書いている文章を読んで、「確かに!」と思って、それから携帯にも入れるようにしました。練習の際には使うように心がけてはいますが、なかなか使えていないですね。
メトロノーム練習には、いつもはBOSSのDB-90を使っています。色々できて便利です。
昔、YouTubeでジャズドラマーの黒田和良さんがメトロノームアプリの使い方を説明する動画を見て、衝撃を受けました。そのメトロノームをどこかでダウンロードしたいですね。
確かテンポアドバンスだったと思いますが、マニアックな練習方法に使うので、一般的な練習には普通のメトロノームで十分です。
チューナーはCleartuneというチューナーで色々機能がついているようですが、使いこなせてはいません。
周りのミュージシャンが使っていたので真似してダウンロードしました。
僕は、チューニングに使用する最低限の機能だけ使っています。
iReal Proはジャズスタンダードのコード進行が乗っていて、それを伴奏でも鳴らしてくれる優れものです。コードの確認でよく使いますが、一緒に演奏することはほぼなくなりました。
昔はアドリブ練習の時によく使っていましたね。
総じて全てアプリに言えるのは、まずはアプリの力を使って演奏や練習に活かす。
それからゆっくり機械に頼るパーセンテージを減らしていく。
最終的には自分だけで出来るようにしていく。
機械とデジタルの力を使って、アナログな人間の力を強化していく感じですね。
最近はAIで音楽が作れてしまうようになって、音楽家不要論も出てきましたが、
そもそも音楽の世界は早くからテクノロジーに頼ってきました。
僕個人は、AIの力を使って、音楽もさらに発展していく良い未来が来ると思っています。
そのうちAIバンドマンなんかが産まれそうですね。
それをAIファンが応援している、なんて未来もあるのかな。
麻生洋平
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