「ウクレレ好き100の質問」 #051~#060
どうも、麻生洋平です。
ついに50個の質問に答えることができました。
これも質問を送ってくれた皆さんや読んでくれる方、
XやInstagramなどのSNSでリツイート、紹介してくれる方のおかげです。
ありがとうございます。
50の質問。
目標の100のちょうど半分。
折り返し地点です。
山でいえば山頂にたどり着いたところ。
なんとか頑張って頂上を目指して歩いてきました。
頂上の景色を楽しみ、さあ帰るぞ、というところです。
山登りは下山の方が大変、と聞いたことがあります。
下りだと足場の視界は悪くなり、道も迷いやすくなってしまう。
慌てず騒がず。
マイペースで答えて行きたいですね。
さて今回は51から60までの質問です。
僕は今、「ウクレレ好き100の質問」と題して、TwitterやInstagramなど各種SNSにて、ウクレレや音楽にまつわる質問やご相談を受け付けています。
そちらで集めた質問をこのnoteでまとめていきたいと思います。
まだまだ大募集中です。よろしくお願いいたします。
ウクレレプレイヤー&講師のサイトウユウキさんにも助けてもらいながら、
楽しく回答できればと思います!
#051 2024/1/15
フレットを際で押さえるには
keptさん、ご質問ありがとうございます!
よくぞ聞いてくれました。
このことに関しては前から言いたいことがありました。
それは「フレットの際を押さえるときは目に頼るのではなく、指先の感覚に頼る。」です。
これが理解できればフレットの際を押さえないと、感覚的に気持ち悪くなります。
押さえる癖、というよりは際を押さえずにいられなくなります。
さてやり方ですが、
まず1弦1フレットを押さえてみてください。
いつも通りで構いません。
弾いてみましょう。
普通に音が鳴るはずです。
そうしたら目を閉じます。
閉じたまま1フレットを押さえた指をスライドしながら、元から指を離さずに0フレット(つまりナット)に近づけます。
弾いてみると、音は悪くなるはずです。
目を閉じたまま、次は1フレット側にスライドしながら指を近づけます。
そうすると弦のテンションがキツくなるところがあります。
そこで弾いてみましょう。
おそらく良い音が出るはずです。
フレットの際に近づけば近づくほど、指先に感じる弦のテンションは強くなります。
フレットの上に指が乗ると、テンションは下がり、フレットの金属を指先に感じます。
その手前ギリギリのポイントを探してあげる。
そうすると自分のウクレレの「フレットの際」を指先で感じることができるはずです。
ずっと目は閉じています。
自分の指先の感覚と耳を頼りに際を探しましょう。
良い音が出るポイントが見つかったら、その指先の感覚を覚えます。
ちょっと弦の張りが強くなるところ、といったイメージです。
生徒さんのほとんどが後少しだけフレットの近くになれば「フレットの際」なんだけどなあ、と思うことがあります。
そのときは目を閉じてウクレレを弾いてもらいます。
指先の感覚に全神経を集中させます。
そして先ほど説明した方法を試してもらう。
そうすると大抵の人に「フレットの際」の感覚を理解してもらえます。
ぜひ目を閉じて、探してみてください。
麻生洋平
#052 2024/1/15
ぼくの奏法について
のうさぎさん
ご質問ありがとうございます!
親指弾きで演奏されているんですね。
ウクレレの温かい音が出るピッタリの奏法だと思います。
僕のスタイルはギター奏法から流用しているテクニックが多いです。
総称はフィンガーピッキングという奏法になりますが、その中に4フィンガーや3フィンガーのカントリー奏法。
ハワイアンの2フィンガー、スラム奏法やハープ奏法などの特殊奏法。
ジャカソロのバトキン奏法。ウォーキングベース。
あるいはまだ名前の付いていない、気になったプレイヤーが曲の間にやっていた弾き方などを気に入って取り入れています。
僕は知らない技術を取り入れるのが好きで、良いな、と思ったものはどんどん取り入れてしまいます。その技術の習得のために奏法メインで曲をアレンジしたりもします。
例えばカントリーロードはギャロッピング奏法をウクレレで弾いてみたくて作ったアレンジですし、丸の内サディスティックはNeoSoulの弾き方を取り入れたくてアレンジしました。
Close to youはアコースティックギターの神様トミー・エマニュエルのソロギターからウクレレへの翻訳です。
(長く弾いてきたので原型を留めなくなってしまいましたが。)
いろんなものを齧ってアレンジしているので参考になる教本はおそらく世の中にありません。
今ネットに全ての自分のやってきた演奏やレッスン、弾き方の譜面や演奏動画、レッスン動画のデータを残そうとしています。
それができたら、そこで奏法を説明できると思います。
完成したらお伝えしますね。
(すでにオフィシャルBitFanサイトに少しずつアップしているので是非ご覧ください。)
アルペジオ弾きで簡単なのは、ジブリの「君をのせて」の中級編です。
まだアップロードはしていませんが、追々上がると思いますので、そちらを練習してみてください。
Instagramにアップした演奏の譜面、販売しようとしたのですが手続きが煩雑で諦めてしまいました。
コロナ禍のオンラインレッスンでとんでもない量の譜面を書いたので、演奏動画に譜面をくっつけて全てYouTubeで無料で流そうと思っています。
そちらを楽しみにお待ちください。
丸の内サディスティック、となりのトトロなどはもうアップできてるはずです。YouTubeでぜひ練習してみてください。
麻生洋平
#053 2024/1/16
ウクレレにステッカーを貼りたい
NAOKOさん、ご質問ありがとうございます!
自作ウクレレにステッカー、良いですね。
僕はステッカー大好きで、MacBookにこれでもか、とステッカーを貼ったことがあります。
でも貼り方にもセンスが必要で、僕は貼りすぎてしまってカッコ悪くなってしまいました。後で剥がすのに苦労した記憶があります。
海外に行くスーツケースや、ギターやウクレレケースにもライブハウスのステッカーを貼ったりしていましたね。
全体像を考えてから貼ればカッコ良いものができるんでしょうけれども、僕は場当たり的に貼っていたので、ぐちゃぐちゃなスーツケースができてしまいました。
ただ目立つので荷物の受け取りには苦労しなかったですね。
さてウクレレ本体にステッカーを貼る。
ということは、音にもちろん影響が出ます。
ボディの振動を阻害するので、鳴りにも影響が出ます。
そのあたりを理解した上でデコレーションを楽しむのは素敵だと思います。
カッコ良いウクレレにしてあげてください。
僕は普段のウクレレの持ち運びはソフトケースです。
リュックに入れたりしないのですが、そのままで十分にクッション性に優れたものを使っています。
ソフトケースはやはり軽いので持ち運びが楽ですね。
自作ソフトケースをミシンで作る、良いですね。
そういった技術があれば僕も作りたいのですが、からきしですね。
自分で自分が弾くウクレレを作る。
ウクレレプレイヤーの夢です。
自作ウクレレに自作ソフトケース、それを持って自分で曲を弾く。
最高ですね!
麻生洋平
#054 2024/1/17
左手の小指が動かない
ヒッポKazuyo鈴木さん、ご質問ありがとうございます!
小指は思った通りに動かないですよね。
僕も楽器演奏ではよく使うので、左手の小指は動くようになりましたが、
右手の小指は全く自由に動きません。
薬指と連動して思ってもない動きをしてしまいます。
これには理由があって、指同士は腱で繋がっており、ある一つの指の動きに連動して他の指も動いてしまうからです。
そして脳の動きも重要で、「全ての指の動きを止めて小指1本だけ動かす」という使令はかなり複雑で体が対応できないそうです。
ですので小指がぎゅっと丸まってしまうのは、別の指の動きに対応して小指が動かないように、脳が強く指令を出しているため、丸まって固まってしまう、と考えられれます。
それではどうやって動くようにしていくのか。
それは小指を使うことです。
使う回数を増やせば、そこに指令が行くので、神経が行き渡り、だんだん独立して動くようになります。
「例えばこの文章は小指だけを使って、タイピングしました。」
すごい時間がかかりましたが、面白い体験でしたね。
日頃何かを押す動作をする時に、小指しか使えない、
とルールを決めて生活すると面白いかもしれません。
(くれぐれも怪我ないように、痛いと思ったらやめてください。)
後は手のストレッチと動きの訓練があります。
左手の薬指を右手で持って、立てたまま固定します。
そして小指を動かす。
慣れないうちは結構難しいと思います。
僕は右手の小指は全然動きません。薬指と連動してしまいます。
僕も右手の小指を強化したいのでやってみます。
ぜひトライしてみてください。
麻生洋平
#055 2024/1/17
美しいストロークの音
ドラゴンズ馬鹿日本一のドラキチ社長さん、ご質問ありがとうございます!
難しいワードがたくさんあったので調べてみました。
橈骨と尺骨(トウコツとシャッコツ)は前腕の骨ことですね。
腕が回転するときは、この尺骨を中心軸として、橈骨が回転するらしいです。
うん、漢字が多くて難しい。
答えはイエスです。
僕は例えで「ストロークはドアノブを回した時の動き」とよく言います。
人差し指ストロークを弾くと、腕を回転させている時の人差し指の軌跡は半円のようになります。
重力と慣性モーメント。
慣性モーメントはネットで少し調べたのですが、意味がきちんと理解できていないかもしれません。
(今度お会いした時に教えてください。)
イメージとしては、先ほどの半円の軌跡を限りなく直線にしていきます。
ロールストロークを弾く時をイメージしてもらうと近いかもしれません。
腕の回転を使って、半円を描きながら弾くのですが、その範囲を狭めて限りなく短い直線にする。そうすると無駄な動きが減って早いストロークが可能になります。
そして重力がないかのように弾くことを意識しています。
指と弦が当たった時も、極力脱力をして、指にかかる弦のテンションの感触を限りなく減らします。
重力と手の重みを意識するのはアクセントを入れる時だけです。
そしてストロークの際は、僕は1弦1弦の響きを気にしていません。
全ての音が1つの塊として聞こえるように弾くのが理想です。
ダウンストロークもアップストロークも同じトーン、同じ音量で弾くのが理想です。
理論上は不可能ですが、限りなく近い音にしたいです。
その時の練習方法として3つのステップがあります。
1つ目は、開放の4弦の音をまずしっかり聞いて、口で歌います。
そしてその音を意識して、4限の音だけを聴きながら、オルタネイトストロークします。
4弦の音量やトーンにばらつきがあってはダメです。
アップもダウンも全て同じ音量、トーンで4弦が鳴るようにします。
2つ目は、1弦の音を聞いて歌います。
そしてストローク。
1弦のトーンと音量が揃うまで続けましょう。
3つ目は1弦と4弦の音を聴きながらストロークします。
どちらの音量も同じになるようにストロークしましょう。
大抵、ダウンの時は4弦の音が大きくなり、アップは1弦の音が大きくなるのではないでしょうか。
その2本の弦の音量が揃うまで、弾いてみましょう。
1弦と4弦の音量とトーンが揃ったら、その間にある2、3弦は同じ力で当たっているので、基本的に綺麗な音が出ているはずです。
この3つのステップを使って、美しいストロークの音を手に入れてみてください。
麻生洋平
#056 2024/1/18
指の押さえる方向
kepoさん、ご質問ありがとうございます!
指先で押さえる練習やられているんですね。素晴らしいです。
指板に対して垂直で練習しても良いのですが、僕のおすすめは「自分の体の正中線に向かって指を向ける」です。
正中線は体の真ん中にある線のことで、自分を2分割した時にできる線だと思ってください。指先をそこに向けて、弦を押さえます。
これには理由があって、人間は自分の体の中心に向かって力を出すのは得意ですが、体の外側に力を入れることは極めて難しいからです。
自分の方にモノを引き寄せるのは簡単ですが、外側に引っ張るのは苦労するはずです。
指板に対し指を垂直に押さえると、力の方向が体の外側に向かってしまい、強い力がないと押弦できなくなってしまいます。
自分の体の中心に指を向けて押さえると、力の方向が正中線を向き、弦も押さえやすくなると思います。
まずは正中線の方向で練習してください。
そこからレベルアップすると、指先のいろんな箇所、たとえば横、で押さえた方が良い場合なども出てきます。
コードを押さえるときに上手く音が出ない時が来たら、違う押さえ方を考えるタイミングもあるかもしれませんが、まずは「指先で自分の体の中心に向かって押さえる」を心がけてみてください。
麻生洋平
#057 2024/1/18
シャッフルのリズムが苦手
emi-rinさん、質問ありがとうございます!
シャッフルはいわゆる跳ねるリズム。なかなか難しいですよね。
最初は弾けててもだんだんシャッフルではなくなってしまう。
ということはいわゆる跳ねないリズム、イーブンになってしまうということだと思います。
弾けるようになるための簡単な方法は、
シャッフルもイーブンもどちらも跳ねないビートだと思って弾くことです。
どういうことか説明します。
今はリズムを口で言っているとのこと、良い練習ですね。
おそらくこんな感じで言っているのではないでしょうか?
「いーと、にーと、さんと、しーと。」
伸ばし棒でリズムをカウントすると、よっぽど慣れてない限り、リズムはずれてしまいます。
お風呂場で子供が10秒数えたらお風呂から上がっていいよ、なんて言われるときがあります。
「いーーーち、にーーーーーー、さーーーん。」
なんて数えた、あるいは数えさせた思い出がないでしょうか?
子供心に全然1秒の長さが違うし、そもそも1と2と3の長さが全部違う、
と理不尽に思っていました。
これではリズムよくカウントできません。
それではどう数えるか。
「いちと、にいと、さんと、しいと。」
一つ一つの言葉を滑舌よくしっかり言いましょう。
そして一音一音の長さを同じに揃えます。
メトロノームを使うのも良いですね。
こう数えると全ての音は同じ長さです。
それが3つ区切りになっているだけです。
跳ねないイーブンの場合は、
「いち、にい、さん、しい。」
同じ音の長さが2つ区切り。
なのでシャッフルとイーブンどちらも区切り方が違うだけなんですね。
そしてリズムが安定してきたら、実際に弾いてみます。
「いちと」の「い」でダウンストローク、「ち」で待って「と」でアップストロークします。
あとは同じ動きを繰り返す。
大事なのは「口の動きに体の動きを合わせる」ことです。
逆になってはいけません。
ストロークの動きでリズム取ったりしていると書かれていましたが、
ある程度弾けるようになったら動きでリズムを取るのをやめましょう。
ちゃんと体の中でカウントを取るようにしましょう。
なぜか?
逆にここで質問です。
人間の体の中で一番リズムが良い箇所はどこでしょう?
手?足?首?
考えてみてください。
答えは口です。
ドラムを叩いたことのない人にスティックを渡して、さあ叩いて、と言っても難しいですが、
ドラムを口で言うボイスパーカッションのように「ドクツク、パクツク。」と言うのはすぐにできると思います。
もし体が頭の中で思っているイメージを思い通りに再現できたら、
人はすぐにオリンピック選手になれて金メダルを取れるし、
ダンスだって思いままのままです。
でもそうではありません。
頭で思ったイメージを外に出すのは相当な訓練が必要です。
アスリートはそのために日夜練習しています。
思った通りに体を動かすためです。
なのでリズムはまず口で言う。
それが安定したらそこに体を合わせてください。
イメージを一口からまず出して、
それに対し体を訓練する。
例えば「プロサッカー選手になりたい。」とイメージを言語化してみます。
そうすると、次はどうやればなれるのか調べてみないといけない。周りの人のアドバイスを聞くといいでしょう。有名なチームに入ることも重要ですし、仲間に会うのも重要です。
一度言語化すればその後に色々なものがついてきます。やらなければならないことも見えてきます。
まず最初は口で言ってみる。
ぜひ心がけてみてください。
麻生洋平
#058 2024/1/19
あなたにとって音楽とは何か?
flowerさん、ご質問ありがとうございます。
僕にとっての音楽とは何か。クリティカルな質問ですね。
僕にとっての音楽は喜怒哀楽、過去未来の全てです。
音楽を聞ける喜び、楽器を弾ける喜び。
上手く弾けなくて、練習をサボってしまった自分への怒り。
昔の曲を聴いて、今はいないあの人たちのことを思う哀しみ。
人と一緒に音楽を奏でる楽しみ。演奏でみんなが笑顔になる。
そしてある音楽は、もう戻れない過去を今のものとして目の前に再現します。
過去の思い出が一瞬のうちに思い出されます。
まるでタイムマシーンのようです。
音楽の演奏の中には、演奏者が努力した時間が一瞬の中に再現されます。
楽しんだこと、苦しんだこと、練習したこと、サボったこと。
全てが圧縮され数分の中に帰結します。
どのくらいの時間を圧縮してそこに注ぎ込んだのか。
その時間の密度が感動を生みます。
そして未来。作詞や作曲をすると、そこから未来が作られます。
J.D.サリンジャーが自分の書いた本が自分の未来を予知したように。
良くも悪くも何かをクリエイトすると自分の未来が引き寄せられます。
言霊の考え方に似ていますね。
僕も自分の作ったものによって思ってなかった違う未来がやってくる、そんな経験をしました。
喜怒哀楽、過去未来、すべて。
人は皆、喜びは楽しみは感じたいけど、怒りや悲しみは味わいたくない。
惨めな過去は思い出したくないし、酷い未来を迎えたくもない。
でも悲しみも怒りも、誰よりもフルサイズで味わってこそ、素晴らしい人生だと思います。
僕はミュージカルが好きです。
ミュージカル映画では、嬉しければ人は踊りだし、街も踊りだす。
悲しければこの世の終わりのように絶望に暮れます。
ミュージカルはフィクションですが、
音楽はそのように人生を彩ってくれると思います。
人1倍喜び、人1倍怒り、人1倍悲しみ、人1倍楽しむ。
それが素晴らしいことだと思います。
そう思っていれば、どんな怒りや悲しみが襲ってきても乗り越えられる気がします。
音楽やっていて本当に良かった、と思います。
みんなにもそう思ってもらえるように、頑張りたいですね。
麻生洋平
#059 2024/1/19
バトキン奏法について
わっきぃさん、ご質問ありがとうございます!
バトキン奏法、ストロークのダウンアップの中に親指のダウン(あるいはアップ)を入れて、3連符を出す奏法ですね。
ウクレレの花形とも言えるカッコ良い奏法です。
さてバトキンをカッコよく弾く方法は、ずばりリズムを意識することです。
コーヒールンバは跳ねない音楽。
いわゆるイーブンと呼ばれるものです。
そのダウンアップのストロークの中に一つ音を入れるだけでは、実はリズムはずれてしまいます。
ずっと8部音符で弾いていて、3拍目に3連符が来るとすると、
口で言う場合はこんな感じです。
「タカ、タカ、タカタ、タカ。」
3つ目だけ音数が多いです。1、2、3、4で手を叩きながら口で言ってみてください。
3つ目だけ早口になる感じがしませんか。
これはなんで起こるのかというと、1、2、4拍目は1拍を2分割しています。「タ」と「カ」です。
しかし3拍目だけ「タ」と「カ」と「タ」です。
これは1拍を3等分します。3等分というのは割り切れません。0.33333…と続くはずです。
そこで個人のヨレが出てしまいます。
これを綺麗に口で言えるようにすること。
そして口で言えるようになったら、それに合わせて体を動かすことです。
シャッフルの質問で答えたので、詳しくはそちらをみて欲しいですが、
体をリズム良く動かすのは難しいので、まず口で言えるようにしてください。
そこから口に合わせて、体を動かす。この順番が大事です。
それからバトキン奏法で音のバランスが悪くなってしまう。
これはなぜか?
ノーマルのバトキン奏法だと、右手の爪と指のお腹が当たる順番が、人指し爪、親指お腹、人差し指お腹の順で当たります。
そこで各指の音色の違いが出てしまいます。
特に親指のお腹が当たる時に強くアクセントが出ることが多いように思います。
ですので練習ではとにかくアクセントを入れず、すべて同じ音量で弾けるように、軽く当てることを心がけてください。
まあ爪と指のお腹の音のトーンは一緒にはならないので、そこはしょうがないです。音量だけ整えられればオッケーです。
ソロピースを練習する時は、右手と左手を分けて練習するのがおすすめです。
特にジャカソロではまずは右手で譜割を弾けるかどうかを確認してから、左手に移ると良いと思います。
練習頑張ってください。
麻生洋平
#060 2024/1/20
ライブハウスでの音出しについて
杉本竜馬さん、ご質問ありがとうございます!
ライブハウスでのウクレレの音出し、どういう風に考えるか重要ですね。
エフェクターは持参します。
そしてエフェクター込みで音を作るのですが、大事なのはその前にスタジオや自宅の機材などで、「自分が出したい理想の音」を作って理解しておくことです。
この目指すべき最終形の音がわかっていれば音作りは楽です。
そしてライブハウス先のスピーカーやアンプでその音が再現できる、あるいは限りなく近づけるのが理想です。(僕はスピーカーを持ち込むこともあります。)
ライブハウスのルームの形状や壁の素材、スピーカーの種類などでいつもより低音が出たり、高音がキツかったりします。そこをPAさんとともに直していきます。
(実際にはEQで80Hzを6デシベル下げてください、と言った言い方をします。大雑把にLowをカットしてください、とかLow cut入れてください、とかからスタートするのもおすすめです。)
あとはいろんな観客席に座って、全ての席で良い音で聴けるかチェックします。
場所によって聞こえ方がうるさすぎたり、小さすぎたりしないようにします。
音が大きすぎるとお客さんの耳のダメージになってしまいますので、そうならないようにします。
外音ができたら、次はモニターのチェック。
自分の弾いている音やタッチがしっかりモニタリングできるかどうか、
音量をチェックしてください。
(外音がしっかり作れていれば、モニターはそのままでも良いことが多いです。)
よくライブ前に自分の演奏曲を弾いてリハーサルに時間を使ってしまいがちですが、そこに時間をかけるよりはサウンドチェックとモニター作りに時間をかけることを僕は心がけています。
あとは演奏環境。立ち位置や、椅子を使うなら高さを普段の自分の演奏環境に近づけておきます。ステージから見える景色に慣れておくよう心がけるのも良いですね。いざ演奏が始まっても緊張を軽減できると思います。
プロのジャズミュージシャンでアロマを使う人もいました。
家で使うアロマと同じものを数滴垂らしておくと、まるで家で弾いているようなリラックスした気分になるそうです。良いアイデアですね。
エンジニアリングの勉強はおすすめです。
僕は数々のプロミュージシャンのリハーサル、レコーディング、サウンドチェックを見たことと、自宅でのDTMで学びました。
ライブ前や後にPAさんにアドバイスを求めたり、エンジニアリングの本を読むと詳しくなりますので、ぜひやってみてください。
麻生洋平
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