せっせと積読_2
今回も積読を消化していこうと思います。批判的吟味をきちんとするよりはメモ的に脳内の片隅に残しておければなと思いやっているものになりますので、ご参考程度にしていただければと思います。
①:人生の終末期における高齢者の処方と減薬のパターン*1
ターミナルケアでは、薬物治療をどこまで継続するか、どこからやめていくことが抑制医療的な文脈になりにくいか、議論が絶えない部分ではあるかなと思います。この文献では、ポリファーマシーを5-9剤、ハイパーポリファーマシーを10剤とし、STOPPFrailなどに記載されている薬を減薬すべき薬として調べています。減薬のトリガーとなりそうなものは、嚥下障害など差し迫った終末期を想起させるものがある傾向が見られたようです。STOPPFrailなどに記載されている薬は半数近くで終末期でも服用が見られ、また一方で薬の総数は減少傾向で慢性治療薬が主に減っているようでした。明確に余命がわかることは少ないかと思います。その中で、嚥下障害などの予兆を契機として、QOLを維持するのに必要な最低限の薬に整理していくことが多いのかもしれません。その中では、不適切な可能性のある薬物でも、状況状況で必要度は変わってくるのでしょう。
②:ヘルスケアアルゴリズムが健康とヘルスケアにおける人種および民族の格差に与える影響*2
難しくて僕はよくわからなかったのですが、ヘルスケアアルゴリズムに人種や民族性が変数として組み込まれることがあり、それに関する影響を調べてくれているようです。結果としては、良い方向に働くものもあれば、悪い方向に働くものもあり、なんでもかんでも盲目的に、人種的な観点を取り入れレバいいと言うわけではなさそうです。
不勉強ながら、今後凡用AIが普及し、医療・ヘルスケアなどに特化したLLMが増えていく時、アルゴリズムの設計でこのような観点が重要になってくるのかもしれません。このような部分は今後もちゃんと勉強していけたらなと思います。
③:プライマリケアにおける安全な患者への取り組みと健康に関するコミュニケーション (SPEECH)*3
Multimorbidityのようなたくさんの病気を抱えているような方では、不安に思うことも多岐に渡り、医療サービスへのアクセスやコミュニケーションに問題を抱えるケースが多いため、何か支援ができないかを考えている研究のようです。仮説生成的な研究で、患者さん用の小冊子と医療従事者向けのガイド用紙で構成され、エンパワーメントなど行動変容を促す作りにしているようです。結果としては一定の効果が見られ、RCTなどの計画もよさそうと言う見解でした。
日本でも、トレーシングレポートや服用後フォローなど連携の促進であったり、医療機関にいない間のアプローチの拡充が図られており、このような小冊子のような取り組みは、デジタルでもアナログでも参考になる部分はありそうです。
まだまだ、積読は全然終わらないですが、今後も続けていければと思います。
【参考資料】
*1:Tahani Alwidyan ,et al. 2024;PMID: 38032069
*2:Kelley Tipton ,et al.2023;PMID: 38147523
*3:Rebecca Goulding ,et al.2024;PMID: 38178010