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薬をきちんと飲むことの大切さ

前回、服薬アドヒアランスについて簡単に書きました。

ただ自分で納得して薬をきちんと飲むことは実際いいことなのでしょうか?

服薬アドヒアランスと死亡率の関連を検討したメタアナリシスでは、以下のような結果が出ておりました。

服薬アドヒアランス良好と不良を比較した際の死亡率
全体        :オッズ比0.56(95%信頼区間 0.50-0.63)
有益な薬物治療の場合:オッズ比0.55(95%信頼区間 0.49-0.62)
有害な薬物治療の場合:オッズ比2.90(95%信頼区間 1.04-8.11)

この研究では、服薬アドヒアランスが良好なことは、死亡率が下がる可能性がありますが、リスクの高いような薬の場合は、服薬アドヒアランスが良いと死亡率が逆に上がってしまう可能性が示唆されています。
ただ対象患者の疾患、薬剤など背景の違いが多く、研究デザインもいくつか混じっているため、この研究の批判的吟味は僕には難しいですが、解釈に注意は必要かもしれません。
きちんと飲めている薬、飲めていない薬がある場合には、どれをきちんと飲むべきなのかを、薬剤師として、多職種・目の前の患者さんと一緒に考えていく必要があるのかなと思います。

A meta-analysis of the association between adherence to drug therapy and mortality
BMJ. 2006 Jul 1;333(7557):15.
PMID: 16790458

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