工具は正しく使いましょう(はんだごて編)
ごきげんよう、おつかれさまです。
今日は「ハンダ付け」「ハンダゴテ」の使い方を書いていこうと思います。
はんだ付け とは
はんだと言われる合金を溶かして、母材金属同士を接合する技術です。電子回路でよく使います。電子回路では、基板パターンと電子部品の足を接合することが多いですね。もちろん銅線と基板、銅線同士、基板同士をつなぐこともあります。
似た技術で「溶接」があります。熔接とも言います。火を使うからこっちの字らしいです。溶接はベースとなる母材を溶かして接合します。
それに対して、はんだ付けは母材は溶かしません。異種金属であるはんだを介して母材を接合します。溶接と接着の間のイメージです。
まちがったはんだ付け
結構多いのです、間違ったはんだ付け。
リード部品の根元に糸はんだを置く
はんだごてを押しあてる
すぐはんだごてを離す
または
はんだごてを押し付けたまま、ずっと温め続ける
溶けたはんだをはんだごてでいじくり続ける
どちらもあまりよろしくないです。
前者では、部品やパターンに熱が十分伝わらず、はんだは溶けていますが、パターンとはつながらず、接触不良になりがち。
後者では、逆に加熱しすぎで、はんだの流動性が失われ、やはりこちらもパターンと接続できなくなります。
正しいはんだ付け
じゃあ正しいはんだづけは?
基板側ランド(はんだ付けするべき銅箔)にはんだごてを当てる
熱が回るまで2秒~3秒カウント(部品やパターンによって変える)
ランドに向けて糸はんだを供給する(はんだごては動かさない!)
必要量が供給されたら糸はんだを離す(はんだごては動かさない!)
はんだごてを離す
ポイントは、はんだごてで塗り広げるのではなく、熱を与えるだけと割り切ること。はんだごて→ランド→糸はんだ に熱を伝えて溶かすこと。はんだごてから糸はんだに熱を伝えて溶かすのではない。
ダメなはんだごての扱い
はんだ付け作業以外でも注意があります。はんだごてを通電放置してはなりません。小手先の酸化が進み、はんだ付けするのが非常に大変になります。
はんだ付け作業後に、先端のはんだをぬぐって置台に戻す人がいますが、コレはやめてください。先端をぬぐってしまうと、表面が露出します。置台に戻す=高温での放置です。露出した表面が酸化していきます。置台に戻すときはそのまま、作業開始直前にぬぐってください。
温調はんだごてのススメ
世の中に流通してるはんだごての大半は、温調ではありません。
コンセントに差し込むだけで昇温し、小手先の温度がどうなってるかは全く考慮しないものです。
プロ用だとかちょっと高いものだと、先端の温度が設定できます。はんだ付けに適した温度というのが設定できます。
あまりに低温だと熱が伝わらず、逆に高音だとはんだが変質してしまい、流動性がなくなります。ちょうどよい温度帯があり、温調はんだごてであれば自動的に調整してくれます。ただし、ネックはお値段。
まとめ
はんだ付けは、溶かした金属、はんだを使って、母材を接合する技術。
はんだごては、ランドに熱を与えるために使うべし、糸はんだに熱を与えるのは、ランドの熱から。
はんだごては極力動かさない。
はんだごての先端が酸化しないように注意するべし。
温調はんだごてだとなおよい。
はい、そんな感じで、皆様の電子工作ライフが充実することを願ってます。
まあ自宅ではんだ付けするような人は、ここ読む前にちゃんと技術あると思うけどね。