3Dプリンタはがれ防止対策いろいろ
ごきげんよう、おつかれさまです(時間に関係ないあいさつ)
最近すっかり寒くなり、冬本番という気候になってきました。
そこで気になるのはやはり樹脂の収縮ですね。異論は認めません。
収縮すると何が起こるかと言えば、ヒートベッドからはがれて造形失敗するんですね。ざっとメカニズムから解説していきましょう。
3Dプリンタにおける剥がれとは?
もくじの前でメカニズムを説明すると言ったな。アレは嘘だ。なぜなら下記を見たほうが分かりやすいからだ。さあみんな調べてみて。
Google先生にいいサイトを教えてもらいました。探してみるとザックザク出てきますので、ぜひ見といてください。
テーブル/ヒートベッドから出力物がはがれる、定着しない、という内容です。
症状と対応いろいろ
第1層目からはがれている、定着しない
ノズルを変更した直後ではありませんか?
なにかメカを変更、調整していませんか?
→ベッドとノズルのクリアランスが適切かチェックします。
やり方は各自3Dプリンタのマニュアルをご確認ください。
自分はAnycubic i3Megaなので、コピー用紙を挟んでスリスリします。
初期層は定着しているが、2~5層目くらいではがれる
上記ノズルクリアランスの再確認に加えて
ベッドが汚れていませんか?皮脂、油、前回の出力物の残り、水分、ホコリなどです。
皮脂が残ってると定着しません。初期層が適切に出力されているように見えても、皮脂のおかげで全然食いついてなくてはがれることがあります。
濡らした布で拭くのが良いです。ベッドの材質次第でアルコールで拭くのもアリですが、I3Megaのベッドだと表面処理がはがれるため非推奨です。
大きいものを出力すると端っこからはがれる
もうそういうもんです。(匙投げ)
いろいろ対策やらノウハウの積み上げ
スティックのり
定着をよくするために、ベッドにスティックのりを塗布するのがあります。
定番は「シワなしPIT」です。ほかのものでも良いと思いますが、入手性良いので近所の文房具屋さん、コンビニ、100均でお求めください。
ケーブ(ヘアスプレー)
髪をふわっとした状態でキープするためのヘアスプレーです。みんなケーブを使ってるようです。自分は使ったことがありません。
スプレー塗布なので、均一に塗れる点がメリットのようです。
水平出しをビシッと
結局ノズルとベッドの間隔が広いと樹脂が貼りつかず、狭いと樹脂が余計に引き延ばされてやはり貼りつかないようです。ノズルの走りとベッドの水平をきちんと出すことが重要です。
(最近の機種はオートレベリング機能があるので、古い人間の叫びと思ってください)
ベッド温度を上げる
寒くなってきたら有用です。フィラメントの推奨温度の上限に設定してやりましょう。
周囲を囲う
冬の時期、寒くなってきたときに有用です。寒いと外気に熱が奪われてしまうためベッド温度が下がってしまいます。囲って暖気を逃がさないようにしましょう。
ブリム、ラフトを使う
ここでやっとスライサーの設定変更です。実は上記をやったほうがより効果的です。スライサでちょこまかとやるより、面倒な対策のほうが効果が高いのです。
スライサーで「ブリム」「ラフト」という設定があればチェックしましょう。同時に設定はできません。片方だけです。「スカート」の代わりに設定します。
「ラフト」=「いかだ」です。どんな形かはキーワードでGoogleか、実際に設定してみましょう。
モデル形状を変更する
はがれやすそうな四隅にブリム相当の形状を追加する
剥がれるなら一番端っこ、すみっこ、尖っている箇所からはがれます。そこに補強形状を作成します。モデリング時につける必要があります。
ブリムでよいですが、必要な箇所だけに任意形状が作れるのがメリットです。
中央を抜く
これまでは定着面積を広げて応力分散していましたが、こちらははがれる力を分散させて小さくしようという魂胆です。
下から見た絵がこちら。
底面形状に自由度がある場合に限りますが、収縮が分散するためはがれずに持ってくれます。考えとしてはラフトに近いと思います。
まとめ
3Dプリンタ出力に対するはがれ対策をいろいろご紹介しました。
ネットで探すとずらっと出てきますので、そちらを参考にした方がよさそうです(本末転倒!!!)
やるべき順序としては、
1.プリンタ本体のメカを理想状態に近づける。(めんどくさい)
2.周辺温度をそろえてあげる、熱が逃げないように
3.ベッドを脱脂、洗浄、清掃する
4.ベッドに糊、ケープを塗布して食いつきやすく
5.ラフト、ブリム設定
6.3Dモデルを微修正して、形状追加
こんな感じと思っております。
先にプリンタメカの状態確認ですね。
もじゃもじゃもまた風物詩です。そちらも楽しみつつ、よりよい3Dプリンタライフになることを願っております。
ではでは。