さわった感じがする
疑似触覚という言葉があります。
錯覚と似たようなもので、本来なら触っていないはずなのに体感的に触ったと感じるような効果や物のことをさす言葉ですが、今日はこれを再考してみて、日々の制作に生かせないか模索してみることとします。
Visual Haptic
僕らが日常的に触覚を意識する時、指からの感触のほかに様々な要素があって、「触った」と感じることがわかるかと思います。押した、引いた、なでた、触れた、つまんだ、はじいた。触り方でそのフィードバックが変わり、人は様々な触覚を
視覚的には、触った前と後の変化量でさわったと判断できます。押下によるへこみ、うごき、影、反応、など、さまざまな複合的なフィードバックにより人は、物を触ったと判断します。世の中のユーザーインターフェースの大多数が、視覚的な疑似フィードバックにより押下を表現しています。
また、聴覚的にもさわったフィードバックを感じることができます。音は触覚を感じる上で意外と大切な要素であったりします。指でさわった瞬間に音のする物は少ないように思われるかもしれませんが、キーボードのキーに代表されるような、間接的な発音によるものが一番音と触覚を身近に感じるかと思います。また、ものをタップするとその物体特有の音が出ますし、音が鳴っていなくても、触った瞬間の振動が指に伝わり、音が鳴ったと錯覚するものもあります。音は振動なので指のフィードバックに直接作用する効果もあります。
また、時間軸的な変化が触覚に作用するパターンも考えられます。水面をタッチすると、ふれた指先から波紋が広まります。また、組み上がったトランプタワーに触れると、軽いタッチでもタワーは崩れてしまいます。
視覚的、聴覚的、時間軸的な表現を用いれば、疑似触覚の体験はさまざまなパターンが考えられるのです。
昨今のwebやアプリのUIは固い物が多いだけでなく、タッチのフィードバックの擬似的なタッチ表現はそれほど進化しているようには思えません。
これらの、要素を複合的に表現することによって、次世代のUIを作れるのではないでしょうか?
おわり