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SNSを辞めて、「夜明けのすべて」を読んだ話
去年の暮れから、私の不安の原因は情報を摂取しすぎているからなのでは?と考え始め、スマホを見る時間を意図的に少なくしていた。
SNSのアカウントも可能な限りで削除してみた。
そうすると、今までは友達と遊んだ後、
楽しかったことはインスタのストーリーに載せなければならないと義務感に近いものに突き動かされてインスタを開いていたわたしが、
友達と遊んだことで得られた充足感は写真には映らないし、この幸せを不特定多数と共有しよう!という大義名分とはおさらばして
私の幸せは私が知っていれば十分!と
思えるようになったのだ。
これまでは無意識に私生活が充実していそうな友人と自分の生活を比較してしまっていたが、
いざアカウントを消してしまえば
スマホを見る時間も、持ち上げる回数も減って,
その分、自分のやるべきことに集中できるな〜
と分かった。
SNSの良いところもたくさんあるけど、
私みたいに自分のしあわせがまだ不透明で無意識に人と比べて落ち込んでしまう人にとっては不向きな世界だなと気づいた。
インスタを高校生の時に初めてもう6年くらい経つけど、その事実にようやく。気付いた。
ただ友達のストーリーみたり、自分の自慢をするだけではなく、新しい友達や趣味を見つけたい!勉強のモチベーションを上げるために勉強時間を公開する!といった目的意識があればめちゃめちゃいいツールになるなとも思う。
でも私には向いていなかったという話なので、
これからも自分が感じたささやかな幸せは身近な人に自分の声で伝えていきたいな〜と思う。
そしてそのスマホを使う時間を減らした分、
新しく生まれた暇な時間に
本を読むことにした。
前の投稿でも少しだけ紹介したが、
2025年に入ってからもう一冊読破した本があるのでそれも含めて紹介したい。
瀬尾まいこ『夜明けのすべて』
ずっと読みたかった一冊。
クリスマスにおばあちゃんサンタから図書カードを貰ったので、買ってみた。
本作はすでに映画になっていて、私も先に映画を鑑賞していた。
この映画を初めてみた時は、
去年の8月の末だった。
高校生の時からやりたかったことを達成して満足していたら、なにか、ぷつんと糸が切れてしまって燃え尽きていた時期だった。
何もしていないのに朝は疲労感から起きられず、昼頃に起床し、それでもまだ眠いので昼間寝ていた。
そのせいで辺りが暗くなった、みんなが寝る時間に眠れるわけもなく、暗くて静かで、孤独が強調されそうな夜の時間をただボーーッと過ごしている、そんな時期だった。
眠れるわけもないのでネトフリで見つけたこの映画をみてみたら、不思議と涙が止まらなかった。
上白石萌音ちゃんと松村北斗が主演の映画で、
なにか大きい衝撃わ出来事が起こるわけでもないが、
心にぽっかりと空いた穴をそっとあたためて、
少しずつ、いっしょに埋めてくれるような、
そんな映画だった。
パニック障害で苦しむ松村北斗演じる山添くんが自転車になりながら風を感じているシーンを鮮明に覚えている。
あぁ、私はこんなふうに自然を感じながら生きたいだけなんだな〜って、気付くきっかけをくれた映画だった。
原作が瀬尾まいこさんということも知っていたので、山添くんや萌音ちゃん演じる藤沢さんの、過去やより詳しい心情を活字から得たい!と思ったことがきっかけで購入に至った。
やっぱり、買って正解だった。
本を読んでいるつもりでも、頭の中では冷徹な松村北斗が表情を一切変えずに藤沢さんに口答えしているし、
映画で見た通り、周りの人に対して気疲れしちゃうんじゃないかってくらい優しくしちゃう萌音ちゃんが本の中で喋っている。
そんな,不思議な感覚を味わいました笑
映画と原作で多少異なっている部分があるものの、
やはりなにか「熱中するものを持っている人は強い」
という描写は変わらないなと思った。
何か目標やゴールが明確でそれに対して行う努力の方法もわかっている時は頑張れるけど、
それを達成したときや、達成できなかった時
目標がいい意味でも悪い意味でも消えてしまった時、私は虚無になる。
でも、推しでも読書でも、語学学習でもアルバイトでも、大学の講義でも
なにかひとつ、面白いと思えて
それを極めたいとまた思った時
今まで感じていた虚無感がすっとんでしまう。
そうだ、私はこんなふうに生きていたんだと再確認できる。
その感覚と同じだなーと勝手ながら思った。
山添くんや藤沢さんみたいに、
毎日に生きる希望がなくても、
自分が好きだったものを思い出したり、
相手のために一生懸命になったり
やりたいことをやってみたり
ベビーステップでも一歩前に踏み出すことで
現実はよくなる
ということを、この本で再確認することができた。
2025年最初に読破した本がこの本でよかった。
読み終わった後のじわじわと心が温まる感覚は忘れないと思う。
初めて瀬尾まいこさんの本を読んでみたから、
これからも読書の守備範囲を広げていきたい。
サムネイルにある
もう一つの本はまた今度紹介しますね