2021年11月17日

感染者急増のスピードに驚いている。秋が深まって気温が下がり、屋内での接種が増えれば感染が拡大することは分かっていたが、これほど速いとは思っていなかった。デルタ株恐るべし。

感染防止策の強化を求める声は専門家だけでなく、市民の間でも急速に強まってきた。すでに多くの州や地区で規制レベルは引き上げられている。筆者が住むヘッセン州では屋内イベントや飲食店に適用される規制の最低ラインが11日付で「3G」から「3Gプラス」へ引き上げられた。ワクチン接種の完了者、感染からの快復者に加え、陰性証明を提示する人も引き続き入店・入場できるものの、検査はPCRでなければならず、迅速簡易テストは認められなくなった。

影響はすぐに現れた。新規制の導入方針発表後、レストランにキャンセルが殺到したのである。

バイエルンなど感染者数が特に多い州ではすでに「2G」が適用されている。飲食店などを利用できるのは接種完了者と感染からの快復者だけである。
だが、2Gも安全でないというのが専門家の見方だ。ブレークスルー感染のリスクが決して低くはない以上、非接種者を排除しても密閉された空間は安全地帯ではない。「接種で免疫力をつけたから大丈夫」という誤った安心感は逆にリスクを助長する。

近く退任するシュパーン保健相はこうした事情を念頭に「2Gプラス」規制の導入を呼びかけた。接種完了者ないし感染から快復者に陰性証明の提示を要求するというものだ。リスクはゼロにならないものの2Gに比べ大幅に低下するだろう。

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