見出し画像

双子妊娠|MMとMDに翻弄される話

こんにちは、ヨハクです。
今回は双子妊娠が確定して、一卵性双生児でMMと診断された話を書きます。
周りから見れば、大したことないと思われるかもしれません。
イキイキしたポジティブママからは程遠い、どーんと重めなネガティブママの私には間違いなく、人生で一番思い悩んだ日々だったと思います。

近所の産院にて、2回目の診察

近所の産院で双子が確定した日、先生からの診断結果はこうでした。

"一卵性双生児で、リスクの高いMMの可能性が高い。
うちでは対応ができないので、大学病院で膜性検査をしてください。"

"え、やっと気持ちが落ち着いてきたところなのに、またリスクが高まるの?
しかも、家から遠い大学病院に?"

これが当時の気持ちでした。

双子を妊娠された人しか、あまり知られていないことですが、
双子の種類は「二卵性」と「一卵性」の2種類だけでなく、一卵性の中にも2つのタイプが存在し、3種類に分けられます。

・二絨毛膜二羊膜双胎(DD)→ 二卵性(一卵性の場合もあり)
・一絨毛膜二羊膜双胎(MD) → 一卵性
・一絨毛膜一羊膜双胎  (MM) → 一卵性

一卵性で同じ胎盤を二人で共有していることに変わりはないのですが、
MDは羊膜が2つあり、お部屋が分かれている状態。
MMは羊膜が1つで、お部屋が同じ状態。

それぞれに胎盤を持ち、お部屋も分かれている二卵性に比べ、
同じ胎盤を共有する一卵性は妊娠継続・出産のリスクが高くなります。
それに加え、お部屋が同じである「一絨毛膜一羊膜双胎(MM)」は臍の緒が絡まる恐れがあるため、リスクが上昇します。

双子の妊娠管理にはどのタイプにあたるかが重要なので、双子を妊娠した人は膜性診断を受ける必要があります。

リスクが高まる恐れがあるわ、選択肢もなく、遠くの大学病院への通院に変更になるわでもうすっかり落ち込みモード。。
子どもを授かった喜びもあったのですが、”リスクが高い”というこの言葉に当時は囚われすぎていたのだと思います。
というか、"憑りつかれていた"のかもしれません。。

大学病院での診察

大学病院での初めての診察。
双子ということもあって、とても時間をかけて、診てくださいました。

で、担当医からの診断はやはり「MM」でした。
そして、怖いことがいっぱい書かれた資料を手元に
より詳しい説明、説明、説明。。

(余談ですが、病院の資料って何であんなにリアルなイラストを用いるのでしょうか?w
それが余計に不安をあおると考えるのは私だけですかね。。
もうちょっとかわいいタッチでぜひお願いしたい!)

先生からは

"MMはとても稀なタイプで、当病院では2~3年に1回程度。
私も初めてではなく、何回かは対応経験がありますので。"

と言われ、、
「えっと、その"何回か"は具体的に何回かを教えていただけますか?」と本当は聞きたかったのですが、ビビりの私は聞けずでした。。w

当時、どんな顔して聞いてたんだろう?
しばらく言葉を発せなかったと思います。
MMは双胎の中でも1%程度で発生する稀なタイプです。
今まで平凡に暮らしてきた私がこの確率の少ない、リスクが高いタイプに当たるなんて、、双子が多い親族の中でも私だけ。
なぜこの私が、、?
妊娠中に何かあったら?
産まれてきた二人に障害があったら?
そもそもちゃんと出産できるの?
ずっとそんなことを考えていたと思います。

診察が終わった後、助産師さんとの面談があり、
「リスクの話がいっぱいで不安になったでしょう。」と心優しいお声をいただいて、初めてそこで泣きました。
人前で泣くことなんてない私が初対面の人と話して、泣くなんて。。
自分で自分がビックリ。
ああ、今でもあの光景を思い出すと泣きそう。。w
そしてこの時に出会った菩薩のようなお優しい助産師さんは私が管理入院をするときにも大変お世話になった、お方でした。(管理入院の話はまたどこかで記事にしようと思います)


-暗黒期-検索の日々

MMの診断を受けてからというもの、私は文字通り「検索の日々」でした。
多胎妊娠あるあるだと思いますが、いかなる記事も取りこぼさないぜ。くらいの検索の勢い。
ただ、双子妊娠の記事は多く見かけても、そもそもMMは確率が低いため、一般の人の体験みたいなものは全然なくて、出てくるのは大学や病院のデータや症例の資料ばかりでした。
読めば読むほど、リスクに不安になり、闇に陥り、まさに暗黒期。
今だから話せることですが、闇に陥りすぎて、朝まで眠れず、体調を崩して会社を休んだことがあるほどでした。

今、多胎妊娠されている方にお伝えしたいのは、やはりネット検索しすぎないこと。です。
といっても、誰かの体験談や役立ちアイテムなどは本当に参考になるし、前向きになるので、それらはおすすめです。
ただ、症例やデータなどは自身で検索されないほうが心身の為かと思われますので、担当医の先生と話し合ったことや、病院の資料を読む程度におさめておいたほうが良いと個人的に思います。

暗黒期の日々でも救われたことがあります。
それはやはり周りの人の言葉です。
夫をはじめ、(私と真逆のポジティブ人間。本当にうらやましい。)
自分の両親や助産師さん、母子手帳の手続きをしてくれた担当の方など。(この方も双子育児経験者だった。)
中でもハッとしたのは、夫の両親から言われたシンプルな言葉で、双子妊娠を報告したときのこと。

2人も来てくれるの!?

笑いながら嬉しそうに言ってくださったこのシンプルな言葉。
そうだよな、2人も私たちのもとに来てくれて、そして周りがこんなに喜んでくれているなんて。
私だけの妊娠・出産じゃないんだわ。と感じ、頑張らねば!と思えた瞬間でした。

診断が変わった日

前回の膜性診断から約20日後。
その日は突然にやってきました。
妊娠10週での診察。

"お!膜が確認できますね。MDですね!"

人生で一番嬉しかった言葉かもしれない。
大げさだと思われるかもですが、それほどリスクに追い込まれていたのだと思います。
ひとつ肩の荷がおり、喜ぶ私に「それでもまだリスクはありますからね。」と念をおす冷静な医師。
ええ、分かっています。
それでも少しでもリスクが取り除かれることにとてもほっとしたんです。
目の前の景色がぐっと明るくなって、まだまだリスクはあるけど、やっと前向きに頑張ろうと思えた日。


さいごに

妊娠は奇跡だし、ありがたいことだと分かっていても、当時の私は何も知識や経験がなかったので、いわゆる『普通』の妊娠・出産から私だけがズレてしまったのか。とそんな不安や孤独を感じていました。
今となっては『普通』の妊娠・出産なんて、どこにもないと分かるのですが。。
ただ、あの思い悩んだ日々は無駄ではなかったし、恥ずべきことではないと思っています。
色んなことを調べ、今まで知らなかったことにふれ、管理入院を経験し、世の中にはいろんな妊娠・出産があることを知りました。
私は最終的にMDという診断でしたが、世の中にはMMタイプの人もおられるし、三つ子ちゃんもおられるし、その他にもリスクある妊娠・出産があります。
多胎に関係なく、妊娠・出産は奇跡だし、みんな命懸けだし、保証されたものなんてありませんよね。
だから思う存分、悩んでいいと思います。
かつての私のように、リスクある妊娠・出産に対して前向きになれず、「こんなこと、母親になる私が思っていいのかな。」と考えてらっしゃる方がおられるかもしません。
いいんです。
それほど真剣に命に向き合っているということだと私は思います。
そして、月並みの助言ですが、自分の素直な気持ちを周りの人に話してください。
人に話すことで、気持ちが落ち着くし、考え方のヒントを貰えることもあるし、自分の妊娠・出産だけど、一人じゃない。と感じることができます。

ここまでつらつらと悩んだ日々を長く書いてきましたが、w
今後の記事はもうちょっと軽く読めるような内容にしていきたいです♪
読んでいただいた方、ありがとうございました。

ヨハク


いいなと思ったら応援しよう!