成功するリーダーに求められる8つの資質
リーダーシップは「才能」よりも「経験」によって培われる。
これは、ハーバード・ビジネス・スクールのリンダ・ヒル教授が強調している考えかたです。
人を動かし、共に成果を創り出すためのリーダーシップは、生まれつきのカリスマ性ではなく、学びや挑戦を経て身につくものだというのです。
では、その学びのプロセスで鍛えられる重要な資質とは何でしょうか。
以下では、リンダ・ヒル教授が挙げる8つの要素を解説します。
1. 自分らしさを体現する
リーダーにとって「信頼感」を醸し出すには、まず自分自身への理解と、それを誠実に表現する力が欠かせません。
自分の強みや価値観を明確にし、それを言動に反映できるように自分らしく振る舞うと、周囲も自然とついてきます。
鍛え方のヒント
周りの人があなたの行動をどう受け止めているのかを定期的に聞く
ネガティブな意見も排除せず、「なぜそう見えるのか」を探る
もらったフィードバックの中で、「自分らしさ」がより引き立つ要素を意識する
2. 変化を楽しむ探究心
常に「なぜか」を問い続ける探究心は、リーダーシップの大きな原動力となります。
コミュニティや社内だけでなく、関係者、顧客や競合他社といった外部からも学ぼうとする姿勢こそが、的確な判断を生む重要な基盤となります。
鍛え方のヒント
いつもとは違う部署や他業種の人と情報交換してみる
興味のある分野・趣味を深掘りし、新しい視点を得る
やったことがないことにあえてチャレンジしてみる
3. 分析的に考える力
膨大なデータや複雑な状況を整理し、根本的な課題を探り当てる思考力もリーダーには欠かせません。
感覚だけに頼らず、数字や客観的情報を組み合わせて問題点を導き出すことが、リスクの高い意思決定を支える土台となります。
鍛え方のヒント
エクセルなどでデータを扱う機会を増やし、数値を根拠に議論するクセをつける
データの出所や集計方法の背景まで理解するように努める
直感と数字の両面から結論を検証する手順を設ける
4. 変化に順応する柔軟性
技術革新が目まぐるしい現代では、新たな情報や環境の変化を受け止め、スピーディに軌道修正する能力が重要です。
まわりが方向転換を求められた時に、「前例がないから」と足踏みしているようでは、イノベーションを阻んでしまいます。
鍛え方のヒント
異動や新しい仕事の機会があれば積極的に飛び込む
自分の得意領域をあえて超えるプロジェクトに参加する
経験のないタスクに着手したら、試行錯誤を繰り返しながら柔軟に対応策を探る
5. 新しいアイデアを生む創造力
組織でイノベーションを生み出すには、一人の天才的な発想だけに頼るのではなく、メンバー全員がアイデアを出し合える雰囲気をつくることが大切です。
リーダーは、その化学反応を促すまとめ役を担います。
鍛え方のヒント
チームが気軽に意見を出し合える場づくり(ブレインストーミングなど)
失敗しても学べる姿勢をリーダー自身が示す
さまざまな専門性やバックグラウンドを持つ人材を意図的に巻き込む
6. 不確実な状況を許容する
ビジネス環境は予測不能な要素に満ちています。
一つの答えだけに固執せず、矛盾や葛藤が同時に存在する状況であっても、落ち着いて判断を進める多面的な視点が必要です。
鍛え方のヒント
「もしこうだったら?」「別の視点から見たら?」と常に仮説をいくつか立てる
複雑な課題に遭遇したときも、いくつかに分解して考え直すプロセスを踏む
気持ちを整理するルーティン(メモやマインドフルネスなど)を取り入れる
7. 立ち直る力(レジリエンス)
計画通りにいかない事態が起きたとき、どれだけ早く立ち直り、修正策を打てるかがリーダーに問われる資質です。
打たれ強さや立て直しを図る柔軟性があると、組織全体を前向きに巻き込むことができます。
鍛え方のヒント
成功のゴールが定まっていない新しい仕事や難易度の高い案件にチャレンジする
自分だけで抱え込まず、「どう改善すべきか」を周囲に問いかける
小さな失敗でも振り返りをして、次へ活かすルーティンを確立する
8. 相手を思いやる共感力
人を動かすリーダーにとって、相手の立場を理解し、適切に寄り添う能力は大きな武器です。
単に命令を下すだけでなく、メンバーと同じ目線に立ち、それぞれが大切にしている価値観を把握することで、チームの結束力は格段に高まります。
鍛え方のヒント
普段交流しない部署や専門分野のメンバーと話し、背景や強みを聞き出す
感情的になりやすいテーマこそ、相手が何を重視しているかを探り出す
互いをよく知ることで、誤解や摩擦を未然に防ぐ
まとめ
以上の8つの資質は、特別な才能の持ち主だけが発揮できるものではありません。
多様な経験に飛び込み、他者と協力し、失敗を含めた試行錯誤を重ねていくことで、誰でも一歩ずつ伸ばせるものです。
リンダ・ヒル教授が指摘するとおり、リーダーシップとは、自己学習と行動のサイクルを途切れさせない地道な積み重ねの先に花開くものなのです。
自分らしさを活かしながら、好奇心、分析力、柔軟性、創造性、不確実性への対応力、打たれ強さ、そして共感力を磨いていけば、組織を牽引できるリーダーへと大きく近づけるでしょう。
ビジネス環境の変化が激しさを増す現代においてこそ、これらの資質を少しずつでも実践に落とし込んでいくことが大切です。
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