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SLOW 仕事の減らし方(カル・ニューポート著)を読んでみた

今年は「帰属から独立へ」がテーマの年になると思い、自分の裁量で物事を進めるために参考になりそうな書籍を読んでいます。


本書は、現代の知的労働者が直面する「燃え尽き症候群」や「ニセモノの生産性」といった課題に対する解決策を提案する一冊です。

ToDoリストや会議、メールの返信に追われる現代のビジネスパーソンに向けて、仕事を減らし、心地よいペースで働くことで、燃え尽きることなく高い成果を上げる方法を紹介しています。

このようなやるべきことを減らし、心地よいペースで働き、クオリティを追求する働きかたとして「スローワーキング」という新しい働きかたを提唱しています。

忙しさに追われるビジネスパーソンや思いのままに日々を送りたいと考えるかたにとって、大切なことに集中するための道しるべとなるでしょう。


本書の概要

1. ニセモノの生産性からの脱却

本書では、多くの人が「忙しさ=成果」と誤解し、ToDoリストやオンライン会議に追われる日々を送っている現状を「ニセモノの生産性」と呼び、それが知的労働者を疲弊させていると指摘します。

これに対抗するために、「スローワーキング」というアプローチが紹介されています。

2. スローワーキングの3原則

スローワーキングは以下の3つの原則から成り立っています。

  • 削減(やるべきことを減らす)
    重要でないタスクを排除し、本当に価値ある活動に集中する。

    著者は、知的労働者が絶対に仕事を減らすべき理由として、以下のポイントを挙げています。

    大きな仕事を制限する:ミッションは2~3個に絞り、安易に仕事を引き受けず、プロジェクトの数を減らす。
    小さな仕事を手なずける:スケジュールを自動運転モードにし、場当たり的なコミュニケーションを排除する。
    仕事はプル方式で取りにいく:「保留ボックス」と「実行リスト」で仕事を管理し、締め切りへの焦燥感をなくす。

    これにより、重要な業務に集中できる環境を整えることが可能となります。

  • 余裕(心地よいペースで働く)
    時間的な余裕を持ち、焦らず作業することで持続可能な働き方を実現する。

    心地よいペースで働くために、以下のアプローチが推奨されています。

    定期的な気分転換:月に一度、平日の午後に映画館や博物館を訪れるなど、非日常的な体験を取り入れることで、精神的なリフレッシュを図る。
    1日1つの目標に集中する:1日に取り組むプロジェクトを1つに絞り、焦りや不安に振り回されず、着実に成果を上げる。

    これらの方法により、仕事の質と生産性を高めることができます。

  • 洗練(クオリティにこだわり抜く)
    少ない仕事でも高い品質を目指すことで、成果を最大化する。

    著者は、クオリティにこだわることで、以下の効果が得られると述べています。

    深い集中状態の追求:高品質な成果を生み出すためには、深い集中状態(ディープワーク)を維持することが重要である。
    不要なタスクの排除:本当に価値のある仕事に時間とエネルギーを注ぐために、不要なタスクや会議を見直す。

    これにより、より高いレベルの成果を持続的に達成することが可能となります。


本書の活用法

1. タスク削減による集中力向上

日常生活では、「やらなくてもいいこと」を見極める自己管理が鍵となります。

例えば、日々の業務で優先順位を明確化し、不必要な会議やメール対応を削減することで、自分が本当に取り組むべきタスクに集中できます。

2. 心地よいペースで副業に挑戦

副業や起業を考えているかたは、本書の「余裕」の原則を活用してみましょう。

例えば、副業時間を週1回1時間だけと決め、その間は他のタスクや通知を完全に遮断して集中することで、無理なく成果を上げることが可能です。

3. クオリティ重視の習慣化

日常生活でも「質」にこだわる姿勢は応用できます。

たとえば、料理や趣味など小さな活動でも、一つひとつ丁寧に取り組むことで満足感が増し、それが仕事への姿勢にも良い影響を与えるでしょう。


わたしの感想

本書は、「忙しいこと」に価値を置きがちな現代社会への警鐘とも言える内容でした。

特に印象的だったのは、「削減」の重要性です。

「多くのことに手を出すほど成果が上がる」という思い込みから解放され、本当に大切なことだけに集中するという考えかたは実践的だと感じました。

また、「余裕」を持つことによって得られる精神的な安定も、多忙な日常生活には欠かせない要素だと思います。

さらに、本書はただ理論を説くだけではなく、具体例や実践方法も豊富であるため、自分自身の日常生活にもすぐ取り入れられる点が魅力的でした。

「クオリティ」にこだわる姿勢は、小さな成功体験として積み重ねていけそうです。

この本は、仕事だけでなく人生全般について、どう向き合うかを考え直すきっかけになる一冊でした。





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