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STOP温暖化③ SRMが世界を救う

(前回、前々回の記事で、SRMをSMRと誤表記していました。訂正いたしました。お詫びいたします。)

太陽放射管理(Solar Radiation Modification)か二酸化炭素除去(Carbon Dioxide Removal)か、二つの決定的手法の二者択一で、地球の未来を考えるという思考は正しいか。二つに一つでなく、両方注意深く、良いものは素早く実行すべきだろう。インドの熱波で人が亡くなってゆくのを見ていると、もう気象災害は、そういう段階にきていると思われる。(適応措置の必要)

二酸化炭素除去は、次々に新しい研究成果が発表されているようで、未来は明るいと感じられるが、実現し軌道に乗るまでに10年はかかりそうである。その10年をどう超えるかが、いま問題だと思われる。10年をこらえれば、空気中からどんどん二酸化炭素が回収されて、効果が表れてくるかもしれない。

SRMについて、影響の危険論が先走りしているが、たとえば熱波のインドの、その上空の十分の一をエアロゾルで覆うだけでも、かなりの仕事量になる。やったとして影響をモニタリングし、むしろ災害状況をわずかしか変えられなかったことへの反省のほうが大きいだろう。空は広いのだ。全地球を覆うようなイメージが先行しているが、一地域に実行するのもかなり大変なものだ。むしろ、水温が上がりすぎて危険な海域に、すぐにも実行してどれだけ状態を緩和できるか、いますぐ実験すべきだ。つまり、精密にデータを駆使し、必要な位置に、必要なだけ、おこなうべきだ。

海については、4つあるSRMの手法の一つとして、海上雲に水蒸気を足し雲を大きくする方法も検討され始めている。それも合わせ、いますぐにでも水温適正化を始めるべきだ。日本は三重大学の立花教授チームが、気象庁と精密な水温監視をはじめたと複数のテレビが伝えていたが、急がないとこの夏も、何かが起きるかもしれない。幸い今すでに、たとえば海上の水蒸気量を、三次元で表示できる機械も存在している。データ採取や影響のシュミレーションは、進化してゆくはずだ。

そもそもSRMの反対論に納得できないことが多くある。自然への介入が危険というなら、人体への西洋医学、遺伝子操作、農地の肥料、あらゆることが不自然だ。だがまわっている。局所的な、慎重なSRMは、むしろ今後、必ず必要になると考える。繊細な反対論を超えてこの方法が求められる時代が、来ると思う。
薄雲に覆われた空を見るたびに思うことだ。曇りの日は3度から4度涼しい。

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