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ロング走のデータから考える板橋シティマラソンの戦略

2025年3月16日の板橋シティマラソンでサブフォーで走ることを目標にトレーニングを続けています。
※執筆時点で当日まであと16日。

サブフォー達成のためにパーソナルトレーニングも受け、週5のトレーニング、うち1回はロング走のメニューでトレーニングを続けてきました。

ロング走を積み重ね、レース当日の戦略が見えてきたので、3つのデータを用いてまとめたいと思います。


サブフォーペースと事前のイメージ

まず、基本のことで、サブフォーで走ってるランナー、サブフォーを目指すランナーの方にはあたりまえのことですが、42.195kmを4時間以内で走るには1kmを5:40ペースで走る必要があります。

※最後の0.195kmは割愛してます

このように、最初から最後まで5:40で走ることができれば4時間を切ることができます。

だが、それができれば苦労はしない。

パーソナルの記事でも書きましたが、以下のようにポジティブスプリットで臨むつもりで考えてました。

・レース当日はポジティブスプリットで臨むかも
よくポジティブスプリット(前半飛ばして後半落とす)、ネガティブスプリット(前半抑えて後半飛ばす)の戦略がありますが、そちらについても相談しました。

「サブフォーくらいであればイーブンペースでずっと行くやり方もありますよ、今日教えたメニューをこなし有酸素能力がしっかりつけばそれも可能かと。それか久保さんの場合、少し早めの5:20くらいでスタートするのはどう。」とアドバイスを受けました。

なるほど、ずっとイーブンペースで行くというのもありか、、とも思いつつ、でも個人的は前半で貯金が欲しいので、5:20/kmのポジティブスプリットで臨むかもしれません。1km5:00や5:10である程度の距離走れはしますが、前半過度に飛ばすのはやめておきます。ひとまず日々のペース走も5:20ペースでするようにしました。

では、どの程度までポジティブスプリットで飛ばすのか、いつペースを落とすのか、このあたりがあまりイメージできてないまま、日々ロング走をしてました。

ここからは実際のデータを交えながらあれこれ考えたことをお伝えしていきます。

データ①:ペース早すぎ

まずはうまくいかなかったロング走のデータです。

分かりにくいかもしれませんが、ロング走のデータをエクセルにまとめ、色々計算したものになります。

・最初の10kmは51:16で1km平均は5:08。11~20kmまでは52:15、平均5:14・・最終的に合計23km走って1:59:54という全体結果だった、という見方です。

・続いて右側です。
①貯金:23kmまでで何分貯金ができたか、の合計です。
貯金は5:40のイーブンペースからどのくらい早く走れたか、を1km毎に計算した合算です。
例えば1km目は4:44で走っていて、5:40-4:44で0:56の貯金、
2km目は5:13で走っていて、5:40-5:13で0:27の貯金・・という感じで、貯金を切り崩してる個所もありますが、合計10:28の貯金が作れたという意味です。

②残り距離
完走まで残り何キロか。フルマラソンは42.195kmなのですが、余裕を持って43kmで計算してます(計測してるスマートウォッチの距離と実際の距離が異なることもよくあるので)。このトレーニングでは残り20km。

③1kmあたりの貯金
①-②です。10:28の貯金を残り20kmで割ると1kmあたりどのくらいか、今回は00:31で1kmあたり30秒程度。

④1kmあたりの貯金+5:40
最後に、③とイーブンペースの5:40をプラス。
00:31+5:40=6:11。
残りの20kmを1kmあたり6:11以内で走ればサブフォー達成できる、というシミュレーションです。

このトレーニングでは23kmを1:59:54で走って、10:28の貯金を作り、残り距離を1kmあたり6:11以内で走ればサブフォー達成、という結果でした。

では、これがよかったか振り返ると・・
全くダメ。飛ばしすぎました。

スマートウォッチによるとハーフマラソンが1:49:20で自己最高記録だったようです。最高記録は嬉しいのですが、足への負担がとてつもなく、23km走り終わった段階で足が痛くてこれ以上走るのは無理、という状態になりました。
残り1kmあたり6:11の猶予はありますが、あと20kmも耐えられない状態でとても本番では実施できない走り方でした。

データ②:ボクシングスタイル

続いて、名付けてボクシングスタイルのデータを見てみたいと思います。

このトレーニングでは28kmを2:30:02で走って、8:38の貯金を作り、残り距離を1kmあたり6:15以内で走ればサブフォー達成、という結果でした。

ちなみに「ボクシングスタイル」というのは一定距離の度に休憩をとる走り方です(自分で勝手に考え、名付けました)。ボクサーは1ラウンド毎に休憩しますがそれをイメージしました。といってもボクサーのように椅子に座って休むわけではなく、歩くことを休憩としてます。

このトレーニングではだいたい1kmあたり平均5:20程度で走ってるのですが5kmに1回休みを入れてます。

・5km目:5:37
・10km目:5:44
・15km目:5:32
・20km目:5:45

上記それぞれの節目の1kmでは、900mまでは普通に走り、残り100mを歩く(その時に飲み物を飲んだり、呼吸を整えたり)というやり方をしてみました。100m歩くとだいたい1分くらいかかります。
なので、900mまでを4:40くらいで走って、その後100mを1分くらいかけて歩いて1kmを5:40ギリギリでおさめる、という計算です(休んでもイーブンペースは死守する)。


では、これがよかったか振り返ると・・
データ①よりは全然よい、まぁ悪くない、という感じでした。

・途中で止まり歩いて休むことでリフレッシュになる。42kmを走るのではなく5kmのレースを繰り返す、という意識で臨める。
休憩後の最初の1kmは軽快に走ることができました。

・ただ、この走り方を続けられるのが20km目まででした。トータル5:40でおさめたい場合、上述の通り900mまでを4:40くらいで走る必要があるのですが、20km以降はしんどくてそれができませんでした。

・途中で止まり歩いて休むことでリフレッシュになる反面、体に負荷がかかってる可能性もある。車も走り出しがもっともエンジン使います。良かれと思って定期的に休みましたが実際は実感してないだけで余計な負荷をかけてしまってるかもしれません。実際に別なロング走で似たように走りましたがそのときはイマイチな感じでした。

ということで途中休むことは悪いことではないと思いますが、毎回5km毎に休む必要もない気もしたり、という感じで悪くない、という結論でした。

そもそも何キロまでに何分貯金をしたいか改めて考えてみた

データ①、データ②のように走った後で、改めてそもそも何キロまでに何分貯金をしたいかについて考えてみました。言葉を変えると、何キロまでに何分貯金ができれば十分か

ポジティブスプリットで走る場合、前半で1秒でも多く、より多くの貯金を稼いで後半に繋ぎたい、と誰しも思うかと思います。自分もまさにそうで、「1秒でも多く貯金を作るぞ」、「最初の頃は体も調子いいから飛ばせるなら飛ばそう」と思って、データ①のように、気づけば1km4分台とかで走ってしまうこともありました。

序盤であれば飛ばしても苦しさもそんなに感じない、だから飛ばせるときに飛ばしてしまう、でも序盤では実感できない負担が体に確実に蓄積されてる、後半それが一気にくる。
マラソンの厄介で、難しいところだと思います・・・。

こうならないように、何キロまでに何分貯金をしたいか、十分か、についてシミュレーションをしてみました。
データ①も②も残りを1kmあたり6分ちょっとかけることができます。なんとなく、後半、特に30km以降で1kmあたり6分くらい時間を使えると個人的にいいな、と思います。もちろんそれ以上使えるといいのですが、そうすると前半でより飛ばさないといけない、データ①みたいな走りをしないといけないのでそこまでは望めない。

というわけで、30km以降で1kmあたり6分くらい時間を使えるには、という想定でシミュレーション。

シミュレーション1:ずっと5:30

30kmまでずっと5:30で走る。そうすると、5:00貯金ができ、残り13kmを1kmあたり6:03で走ることができる。

これもいいですが、ずっと長い距離をイーブンペースで走ったことがなく、5:30を30kmというのが続けられるか、あと少し速度のメリハリが欲しい、と思いました。

シミュレーション2:段階的にスピードダウンしていく

シミュレーション1と貯金は同じなのですが、
・最初の10km:5:20で走る(1kmあたり20秒貯金)
・20km目:5:30にスピードダウン(1kmあたり10秒貯金)
・30km目:5:40にスピードダウン(貯金無し)
このように徐々にスピードダウンをしていき、30km目は貯金はできないけど崩しもしないイーブンペース。

30kmに到達して残りの13kmは6分で走る。
ペースにメリハリもつくのと、早く走るのは最初の10km、あとはどんどん遅くなる、というのがいいなと思い、実際にどのような体感になるか試してみました。

データ③:小刻みスピードダウン

上記のシミュレーション2を実際にやってみた結果が以下です。

・最初の10km:平均5:20で走る⇒平均5:13
・20km目:平均5:30で走る⇒平均5:24
・30km目:平均5:40で走る⇒平均5:33
・また、31km~33kmの3km、1km6:00目安で走ってみました(平均5:48)

これでいくと33km終了時の貯金が8:07あって、残り10kmを1kmあたり6:29で走ればサブフォー達成、ということになります。

体の状態は、33km走り終えた段階では、やはり足が痛かったりしんどかったりするといえばするのですが、もう少し長いこと追加で走ることは全然できそうでした。
これまでのどのロング走よりもうまく走れた感じがして、当日はこのペースで臨もうかと思います。
とはいえ、このデータ③がうまくいきすぎた、体調よすぎた、という可能性も考えられるので、30km以降は1kmあたり6:00で走る、を意識していきたいと思います。

今回のように細かくシミュレーションするまでは、前半に1秒でも早く、飛ばせるだけ飛ばす、というスピードを上げる意識になりがちですが、必要ペースがわかったら逆にスピードを抑える意識で走ることができるようになりました(もちろんペースが遅かったらスピード上げることが必要ですが)。レース前にこの思考を身に着けられたことが大きかったなと思います。

当日うまく走れてサブフォー達成できますように。


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