"好き"を表現するのって恥ずかしいけど、楽しい。映画「メタモルフォーゼの縁側」感想
芦田愛菜さんと宮本信子さん主演映画「メタモルフォーゼの縁側」を観てきました。見終わった後の温かな余韻と共に、感想を呟こうと思います
周りのようにキラキラできない女子高生うらら(芦田愛菜さん)と75歳の老婦人、雪(宮本信子さん)。共通点はBL漫画!そんな2人が織りなすメタモルフォーゼムービー。
好きって言うこと、他人を羨ましいって思うこと、それってしんどいし恥ずかしい。うんうん、わかる!わかるよその気持ち!BL大好きな女子高生うららが呟く言葉ひとつひとつに共感して、「頑張れうららー!」ってずっと応援したくなるような、そんな作品でした。
過去の自分と重ねる部分も多かった。僕は高校生の頃、俗に言う腐男子※でした。(※BL漫画が好きな男性のことがそう呼ばれている。)
うららと同じで商業のBLコミックはもちろん、同人誌まで集めに集めまくって、男の子同士の恋愛にうっとりときめいて。でも、その"好き"を共感し合える友達はいなかった。
そして昔、漫画家になりたいという夢も持っていた。精力的に絵を描いていた時期もあった。でも、結局今では筆を取ることはなくなった。
BL漫画が好きってことも、漫画家になりたいってことも、友達には言えなくて。何故か言ったら恥ずかしいことなんじゃないかって思ってしまってて。同じような趣味を共通点に盛り上がっている同級生を「羨ましいなぁ」なんて思いながら指を咥えて眺めて、でも自分から声をかけて輪の中に入ることは難しくて…
そんな過去の自分とうららを、自然と重ねている自分がいました。
「なんか応援したくなるのよね」
作中のBL漫画"君のことだけを見ていたい"が好きな理由を、そう表現する2人。
同じく僕はこの映画を見ている間、わくわくが止まらなかった。登場人物のことを自然と応援している自分に、その言葉を思い出して「あ、俺、この映画が好きなんだ」と。この映画はその台詞を体現しているなって気付いて、なんだか嬉しくなりました。
そして、ただ感動するだけではない。「好きを伝え合ったり、表現することには鮮度がある。」そんなことも学ばせてくれる映画でした。
BL好きな人はもちろん、趣味の友達がいない人。好きを諦めた経験がある人。人に嫉妬してしまうのがしんどいと思ってしまう人。今頑張っていることの意味がわからなくなっている人。そんな人達に見てほしい作品です。
そしてこの映画を見た後は、創作意欲がガッツリ湧いてくるでしょう。創作活動、発信活動をしているけど今行き詰まっている方!ほっこりしながらも闘争心を植え付けてくれる、そんな灯火のような映画をぜひ!
PS.
僕は映画の感想をまとめるのが苦手…だと自分では思っています。難しい言葉は言えないし、登場人物や俳優さんの名前は覚えられないし…それでも、好きなものについて語りたいし、共感し合いたい。
メタモルフォーゼの縁側は、そんな僕に「例え下手でも、それを良いと思ってくれ人がいるよ。」と言ってくれているような気がしました。(都合いいように解釈しがち?笑)
うららと雪さんが教えてくれた「好きを表現していきたい!」と言う気持ちを胸に、僕も少しずつメタモルフォーゼしていこう。今後もレビュー初心者なりに、好きな作品について綴っていきます!
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