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風魔の小次郎 究極最終版から読み解く聖闘士星矢のネタ元(1):魔星と聖剣
初めて『リングにかけろ』『風魔の小次郎』を読んだ時、聖闘士星矢で使われるネタだらけで驚いた。その大半はコマ中のネタだが、一部は扉絵等を由来としている。
昨年末より刊行を開始した「風魔の小次郎 究極最終版」では連載当時のカラーページ、扉絵、アオリの再現をウリにしている。この記事では今まで単行本未収録だった要素に着目して聖闘士星矢のネタ元を探っていく。
『風魔の小次郎』とは
『リングにかけろ』で大ヒットを飛ばした車田正美の次作。
忍者同士の抗争をテーマにしており、学ランを着た忍が木刀で斬ったり刺したり忍術で燃やしたり凍らせたり幻惑したりする。
連載当初よりカラーページ連発(乳首券付)で編集部からの期待の高さが伺える。結果として長期連載にならずに終わったがファンからの人気も高く、“車田漫画でもっとも画が美しい”と評価される。
百八の魔星
この大地に まだ青い空も海もなく
深い暗闇でおおわれていた頃
冥王星のかなたから
三十六の天罡星と七十二の地煞星
あわせて百八つの悪魔が流星となって 飛んできた
しかし月に はばまれ
たったひとつの流星をのこして
すべてが暗黒の闇に星屑となって消えていった
その死闘で月は傷だらけとなったがいまだ
この地上をたったひとつのこった流星から
守り続けているという
(結集・夜叉八将軍の巻より)
ハーデス編で登場するハーデス百八の魔星が水滸伝を元にしている(完全には一致しない)ことは有名だが、冥王と魔星との関連はこのカラーページから着想したと思われる。(水滸伝が書かれた時代に冥王星を観測することはできない)
聖剣(エクスカリバー)
THE MAN WITH THE EXCALIBUR
(黄金剣を持つ男の巻)
黄金剣とは主人公・小次郎のライバル、飛鳥武蔵の所持する木刀で黄金の長刀。小次郎の豪刀・風林火山と同様に神の作り出した十本の聖剣の一振り。
その黄金剣に“エクスカリバー”と訳が振られている。
つまり、黄金聖闘士・山羊座のシュラの手刀が“聖剣(エクスカリバー)”とされた元ネタは、武蔵の黄金剣から来ているのではないだろうか。
さらには、聖剣を所持する武蔵は神に選ばれた“コスモ正統の戦士”であり、女神を守り小宇宙(コスモ)を燃やして戦う希望の戦士・聖闘士に通じている。
まとめると以下の通り。
究極最終版(2)の聖剣戦争編は未刊行の(3)まで食い込むのでまたいずれ。■