御書印店での思わぬ出会い@東京都〜てんしん書房
御書印巡りで、自分が予想していない本に出会い、昔を回想したという話です。
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御書印店の中でも子供向け本屋さんは、自分が買う本がない可能性があるのが悩みの種だった。
SNSで旅人みちワタルさんが、東京・茗荷谷のてんしん書房にてブックサンタで寄贈したというのを見た。
てんしん書房は日が暮れたら閉店という書店だ。思い立ったら行かずにいられないので、日曜夕刻にダメ元でお店に向かった。
日没で閉店する直前に到着。ブックサンタを初めて行いたいというと、丁寧な説明をうける。
ブックサンタで本を選ぶ前に、この制度や送られる側のことを知る必要があるからだ。
閉店間際だったのに申し訳なかったが、勉強させてもらった。
メインである絵本は素晴らしいものが沢山ある。絵本にも興味はあるものの、買う人のためにあまり開かないほうが良いし、時間がないので深入りしないことにした。
そして、自分が買いそうなジュニア新書などの児童書の棚に気づき、物色し始めた。
最初に見定めた本も関心があったが、その視界の端に「フードファイター」の文字が見えた。
フードファイター…まさかと思って手にとると、それは紛れもなく、かつて大食い番組のタイトルを総なめにしたあと、ファイターとしてプロになり、アメリカに渡った小林尊が児童向けに書いた本だった(『みんなの研究 食べるスポーツ フードファイターの挑戦』小林尊 著 偕成社 2022年10月初版)。
フードファイターがブームになったのはもう20年以上前になる。私はちょうど転勤でPCを使わない仕事になってしまい、気分的に持て余していた時、小林尊が出場した「フードバトルクラブ」を見て、小林尊のファンページを作ってみようと、初めてWebサイトを立ち上げた。
しかし、同日に「王子の箱庭」というスタイリッシュなサイトを作った方がいて、私は1週間で大食い全般を取り上げるサイトに切り替えたのだった。
サイトは1年、ブログは4年ほど書いた気がする。全国の大食いイベントを見回り、ニューヨークにもホットドッグ大会を見に行き、これ以前は実家に帰るだけだったものが、旅行し始めることとなった。かっぱ寿司でのイベントにアメリカのライターが取材に来ていたことから英語を勉強してみたり、ライター講座にも通ってみたりした。文章は下手なままだが、これは良い意味でその後の人生に大きな影響を与えてくれた。
「大きくなったらフードファイターになりたい」と掲示板に書かれたのを見たのがきっかけで、稀有な特技を持つ人のエンタメとして応援するものの、促進させてはいけないと思い、フェードアウトすることにした。その後、手書きとホチキスを多用する仕事による腱鞘炎や目の疲労もあり、ネットから距離を置くべく、サイトやブログを閉鎖した。
そんなわけで、今更大食いや早食い自体を語る資格もないけど、私がここでこの本に出会うとは思いもしなかった。
児童向けに書いているとはいえ、逮捕後無罪釈放の真相やトレーニング研究結果など、小林氏の集大成となる内容だ。尤も、それが主題ではなく、一生懸命やることや、人と違った研究をした結果、人と違っていてもいいということを伝えたいのだろう。
子供達に贈る方が著者の希望だろうが、まずは私が買ってしまったことを謝ると同時に、この内容を読めたことには感謝したい。
※この素晴らしい本屋さんの近くには小石川植物園など散策にもよいスポットがあるので、充分明るいうちに時間をとって訪れた方がよい。
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