今年のフジロックどう楽しむ? 〜Day3〜
いよいよ今週に迫ったフジロック。もう正直予習とかしてる場合じゃない。荷物の準備とかで頭がいっぱい。どれだけ事前に準備しても出発当日まで準備のできない普段使っている手荷物って案外忘れがちで、そういったものはちゃんとメモに残しておいた方がいいなと思いつつ毎年やらない。だからきっと忘れ物をするだろうと思っている。困ったね。
今週はあと数日しか仕事がないので頑張れる人と、数日しかないならもう面倒くさいと感じる人の2通りに分かれる。僕は断然後者である。もはやフジロック明けの仕事のことは何も考えていない。もう帰ってこないのではないかという荷物の量を詰め込んでいる。住所をフジロックに変更したい。
Day1、Day2の記事はこちら↓
"最終日をどう始めるか"
フジロック最終日、この被りは予想していなかった。グリーンステージのnever young beach、ホワイトステージのHomecomings。どちらも同じ時間帯のトップバッターを務める。ネバヤンとホムカミ。ここの被りが意外に割り切れない。
never young beachは、東京で結成された3人組バンド。ネバヤンの略称で親しまれ、2010年代の東京インディーロックを語る上では絶対に外せないバンドであり、2015年の初出演以来フジロックに何度も出演している。今更こんな説明の必要もないくらい愛されまくっているネバヤンはとにかくライブがいい。野外が似合う、夏が似合う、そして朝イチという出演順がなんとも似合うのだ。朝のコーヒーであり、フルーツジュースであり、ハムエッグにトースト、そしてネバヤン。ボーカルの安部くんが「おはようございまーす!」と目覚ましのように叫んでから始まるライブはいつだって最高なのだ。緩やかに爽やかに、そして軽快に朝を始めたいのならネバヤンを観ないと。きっと最高の夏休みを約束してくれる。
そしてホワイトステージのトップを務めるのは京都で結成されたこちらも2010年代のインディーロックを語る上では絶対に外せないバンドHomecomingsだ。
東のネバヤン、西のホムカミ、勝手にそう思っている。こちらも2012年に結成されてから10年の間で5度もフジロックに出演している常連バンド。2019年に「平賀さち枝とホームカミングス」名義で出演した際には苗場食堂が入場規制になる盛り上がりで、最終日の夜に遠くから聴こえてきた"カントリーロード"には思わず夏の終わりを感じてグッときた。それからフジロックの帰路のBGMはこの曲が定番になってしまった。
前回の出演時よりも一回りも二回りも大きくなった優しく強い彼らのメロディーが苗場の地のどう響くのかすごく楽しみだ。
で、どっち観に行く?
"ルール無用!見逃すな今年のフジロック"
今年これだけは見逃せないのよ、本当に。ルール無用、説明不要のハイパーポップ二人組100gecs。今年のフジロックの一番の期待値だ。
プロデューサーでありソングライターの2人によるアメリカで結成されたユニット100gecs。エレクトロであり、エモやパンク、ヒップホップ、ハードコアを一気に丸めて吐き出したような強烈な印象を与える楽曲は一度聴いたら頭にガツンとくる衝撃がある。とにかく何が突然飛び出してくるのか分からない100gecs。ライブの映像を観たことがないので、一体どのようなパフォーマンスになるのか今から楽しみで仕方ない。フジロックのステージの中で一番音がいいと言われているホワイトステージの音響システムで、イヤホンで聴いていても潰れてしまうほどの低音がどのように表現されるのかも見所だ。また、精神的な疲労を理由にフジロックの後のスケジュールをキャンセルすることを発表しているので日本でゆっくり楽しんで帰ってもらえることを願ってる。
"フジにも来るぞ!K-POP!"
サマソニにNewJeansが来たりとすっかりロックフェスにK-POPのグループが出演することが普通になってきた時代に、実はフジロックにもそんな"K-POP"のグループが出演するのです!
自らを「多国籍オルタナティブK-POPバンド」と称する多様な形態を取る11人からなるグループBalming Tiger。パフォーマーのOmega Sapien、sogumm、Bj wnjn、Mudd the student、プロデューサーのSan YawnとUnsinkable、ビデオ監督のJan'' quiとLeesuho、ビジュアルアーティストのHong Chanhee、DJ Abyss、ライターHenson Hwangから結成された表現集団。BTSのリーダー・RMをフィーチャーした楽曲"SEXY NUKIM"で世界的に名前を広げた彼ら。アジア文化をさらに世界に普及させることを目指して活動する彼らの多様なセンスと表現の幅は楽曲にも表れていて、その音楽性はヒップホップだけに留まらず、インディーロック的なエッセンスも感じる。"TRUST YOUSELF"のBloc PartyやTwo Door Cinema Club的なポストパンク感には思わずハスハスしてしまう。昨年のODD BRICKでも話題になってたパフォーマンスを実際に観られることが楽しみでハスハスしている。
"夕刻のレッドマーキーを天国に"
次第に暗くなってくる17時あたり、少し肌寒さも感じ始めると少しずつ場内のボルテージも上がってくる。暗くなることで映える照明の演出、単純に夜ってだけでテンションが上がってしまうのもあるけどこの感覚、すごく夏!そんな時間帯にピッタリなのがJohn Carroll Kirbyだ。
LA出身の鍵盤奏者、プロデューサー、作曲家であるJohn Carroll Kirby。これまでにフランク・オーシャンなど様々なアーティストのアルバムにも参加し、グラミーも受賞。ジャズやソウルからアンビエントなど多方面の音楽リスナーから注目されるアーティスト。その音楽性には世界中の文化や背景を持つ音楽からの強い影響を感じる。そのため聴いているとどこか懐かしさや親しみやすさを感じる瞬間がある。日本からもmei eharaをフィーチャーし、Corneliusの"変わる消える"のリミックスをしている。もしかしたら前日に出演しているmei eharaとのコラボもあるかもしれない。新作『Blowout』をリリースしたばかりのフジ・ロック初出演はフルバンドセットを予定しているらしく、豪華で最高のグルーヴを感じられる予感しかない。個人的には100gecsと被ってしまっているところが難点だ…。
"苗場の地にセルフラブの力を"
まだ始まってすらいないのに締めくくりのことまで考えてしまって寂しい気持ちになっている。夏休みの日記を夏休み前に一気に書いてしまっている気持ちだ。自分が想定している以上に楽しい日々にしたい!そう思っている。そんな最終日の終わってしまう寂しさなどをきっと全て吹き飛ばしてくれるのがLIZZOだ。
まさかLIZZOが初めてライブをするのがフジロックだなんて想像もしていなかった。苗場の地に今、世界で最も影響力のあるアーティストであるLIZZOがグラミー賞を受賞したこのタイミングでヘッドライナーとして来日する。くぅ。すげえぜ。
LIZZOは常に「あなたはそのままで美しい」というメッセージを発信してきた。そのセルフラブの精神にいつも励まされ、LIZZOの歌を聴いている時にはいつも強い力をもらってきた。仕事で上手くいかない時、人との関係性に悩んだ時、自分のことが嫌いになりそうな時、いつもLIZZOの声にパワーをもらって日々を前に進めてきた。だからこの最終日、彼女のパワーを全身で受け取って全力で踊るのだ。日々の呪いを振り払って次の日からも生きていけるように。ちなみにLIZZOはフルートがめっちゃ上手い。
これまでに参加して書いてきた過去のフジロック記事はコチラ