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最近思うこと #15 チバユウスケが死んだ

チバユウスケが死んだ。

チバユウスケ

元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのフロントマンで、今はThe Birthdayのフロントに立つ人間だ。僕が知った頃にはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTも、その後に結成されたROSSOも活動休止していたのでThe Birthdayでの活動が一番印象が濃い。朧げながら『例のMステ』の放送を幼少期に見ていたことは覚えているが、それがミッシェルであったことを知るのはもっと後の話だった。
チバユウスケはロックスターだった。ロックンローラーだった。初めて見た時から今日までその印象は変わらない。オオカミみたいで一見すると怖そうな風貌で、近くにいたらきっと話しかけることも難しかったと思う。でもロックンローラーとして見ているチバユウスケはちょっと不器用で、適当で陽気なおじさんだった。酔っ払って大好きな音楽の話をするときに饒舌になるところが好きだった。別に何かができなくても、ちょっと周りに取り残されても「そんなこと知ったこっちゃねえ、俺は悪くねえし」とニカっと笑いながら言ってのけるようなところに憧れた。憧れたけどなれなかった、チバには。きっとこの先もなれない。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのライブ映像を初めて見た時には一瞬で心を撃ち抜かれた。ミッシェルの演奏は、どの楽器もひとつに混ざり合うことを知らず、ただ突っ走っていた。突っ走った先にある最高到達点がミッシェルの音楽そのものだったように思う。前に前に、誰かの心を突き刺しにくるようにこちらを目掛けてやってくる。それは僕の知っている限りのロックンロールだった。
2009年にはギタリストのアベフトシが亡くなった。僕はそのニュースで彼らのことを知ったわけだ。きっとチバユウスケが亡くなったことで、誰かが彼の作り続けた音楽と出会うきっかけになることもあるかもしれない。悲しいけど僕はアベフトシが亡くなってから彼らを知って、影響されて似たような形のギターを選んで買うことになるのだから悲しくても誰かの人生を前進させることになったりするものだ。

僕はアベフトシになりたかったし、チバユウスケにもなりたかった。この先どんなジジイになるのか見ていたかった。ミックジャガーのように、ウィルコジョンソンのように、イカしたジジイになると思っていた。寂しいね。

生きていると寂しくて悲しいことが増えていく。年齢を重ねていくたびに当たり前は変わっていく。人生は、若い頃に夢を見てたくさん抱えた荷物を少しずつ降ろしていく旅みたいだ。最後に残るものって一体なんだろう。チバの人生は最後に何が残ったんだろう。いつかあっちでインタビューを読みたいな。長生きしていこう。

「ロックンロールを一曲」



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