見出し画像

最下位 ワトフォードvs好調 マンチェスターU


2019-20シーズンプレミアリーグ18節 ワトフォードvsマンチェスターU。最下位に沈んでいるワトフォードと過去5戦4勝1分と調子を上げつつあるマンチェスターUの一戦。3人目の監督としてチームの再建を託されたピアソン監督、前節リヴァプールに続いてビッククラブ相手だが、初勝利に挑む。一方、離脱中だったポグバがおよそ3か月ぶりにチームに戻ってきたユナイテッド、エースの復帰と共にさらに勢いに乗り、上位陣とポイントを縮めたいところだ。



試合概要


開始序盤、ロングボールを多用し左サイドから突破を試みるワトフォード、奪ってから最短でゴールへ向かう動きを見せるもここまで総得点9点のチームはユナイテッドDF陣に阻まれる。徐々にペースを掴みポゼッションを高めていくユナイテッドだが、引かれた相手に対してアイディアはなく、単調なクロスにとどまる。それでも33分、相手ゴールキックのボールを奪い、押し上げられていたDFラインの裏に抜け出したリンガードがキーパーと1vs1になりループシュートを狙うがゴール頭上を通り過ぎていく。その後もボールをキープするも決定機を作れずスコアレスで前半を終える。後半、得点を狙いたいユナイテッドだがFKをワトフォードに与えると、こぼれたボールをサールがボレーで狙い、デヘアがキャッチミスしそのままゴールへ。思いもよらない形で失点してしまったユナイテッド、さらに4分後セカンドボールを拾われ、前線のディーニーがヘディングでフリックし、走り込んできたサールを倒してしまいPKを与えてしまう。これをディーニーが冷静に沈める。後半開始9分で2失点を喫したユナイテッドはグリーンウッド、ポグバを立て続けに投入する。ポグバの投入により前線が活性化され、ボックス付近でのワンタッチでの崩しやロングボールからの背後への抜け出しなどで再三チャンスを作るもキーパーのセーブによりゴールを決めれず。そのまま試合終了しユナイテッドは最下位相手にまさかの敗戦を喫した。




浮き彫りな課題、思考なきポジションチェンジ


今シーズン、ユナイテッドサポーターは期待と落胆の感情に揺さぶられているだろう。チェルシーとの開幕戦では4-0、トッテナム、マンチェスターCとも2-1と勝利収めており、ビック6相手には無敗を誇っている。しかし順位表を見ると上位には名前がない。これには試合を見ているものなら誰にでもわかる理由がある。ユナイテッドは前線のスピードを生かし、カウンターを得意とする縦に速いスタイルが武器である。ビッククラブとされるチームの多くはポゼッション率が高くボールをキープしながら相手の穴を狙い一瞬の隙をついてゴールに迫ってくるがユナイテッドはこれを苦手としている。これが引いてくる相手に対して勝ち点をこぼしている要因であろう。しかしユナイテッドの最大の武器を捨てる必要はもちろんない。ラッシュフォードを含めた前線のスピードは強力であり、縦の速さという点で上回るのはリヴァプールの前線ぐらいだろう。かといってマンチェスターシティのようなポゼッション戦術をはめ込めばいいというわけではない。彼らには彼らの武器があり、それを生かしつつオプションがあればいいのだ。この試合でも意図は汲み取れた。トップ下に入ったリンガードは、右サイドに流れジェームスが中央に入る動きや、マルシャルと上下の関係を変えたりしていた。しかしボールは入らず、効果的なシーンも生まれない。前半は特にそうだったのだが、まずそれぞれの距離が遠く、連携が取れていない。そこでポジションチェンジを試みる。ポジションチェンジの有効な点は、相手のマークする選手が変わり、そのギャップをつくことや、相手を釣り出す動きで処理する情報を多く与え隙を生まれるようすることなどができるが、このように効果的使えるのはポジションチェンジした選手同士、さらには3人目の連携が重要なのだ。ユナイテッドがこの試合うまく行かなかった(主に前半)原因はこの連携がなかったのが大きい。ポジションチェンジを繰り返しても連携がなければ、ただ場所を変えただけ。相手からしたらマークする選手が変わっただけで一人を抑えればいいだけになってしまっていた。恐らくスールシャールから指示があったのだろうが、選手自身も考えながらプレーしなければ、引いた相手を崩すことはできない。




大黒柱ポグバの復帰


第7節 アーセナル戦以来3か月ぶりの実践復帰となった、ポール・ポグバ。この試合では2失点後の64分からの出場だったが、確かな存在感を見せた。前半や投入前まではなかったボックス付近でのワンタッチのコンビネーションやハーフエリア付近からの裏へのロングパスのタイミングとクオリティをみるとやはり特別なものを持っていると感じる。開幕前に移籍情報が度々報じられ、最近でも冬の移籍の噂があったが、代理人のライオラが「ポールはユナイテッドでタイトルを切望している。」と残留をほのめかした発言をしたが、くせ者ライオラの発言とあって信憑性が高いとも言い切れない。サポーターの中には放出を望む声もある。確かに年俸に見合ってない稼働率やモチベーションの不安定さなどの懸念材料はあるが、能力をとってみても彼は特別な選手であり、代わりとなる選手がいないのは明白である。この試合をみても攻撃のタクトを振るう彼は効果的であり、開幕からチームを引っ張り大きな期待を背負ってきたラッシュフォードの負担も軽減されるのではないだろうか。冬の市場はまだ開いておらず、何が起こるかわからないが、年内残り2戦で輝きを放つことができればサポーターの信頼も得ることができ、ユナイテッド躍進につながるはずだ。今後のキーになるポグバは去就も含めて要注目だ。





いいなと思ったら応援しよう!