もぐらのグラタン
寂れた商店街にある小さな洋食屋
お客さんは少ないといっても昼時にはそれなりに賑わう
ひとりで切り盛りするのはもう限界だ
猫の手も借りたいといつも思っていたがもぐらの手?
そう、アルバイトの面接にきたのはもぐらだった
「大丈夫。レーシックの手術をしているから目はよく見えるの!」
聞いてもいないのによく話すもぐら
「得意な料理は、グラタンよ」
「一番大切なのはホワイトソース
バター、小麦粉、牛乳の比率は(1:1:10)」
「まずはフライパンで小麦粉が少し茶色くなるまで焼くの。バターも一緒にね」
「次に牛乳を少しずつ加えて、とろみがつくまで、よく混ぜるの。」
「余計なことは考えちゃダメよ。よく混ぜてね。」
「完成したホワイトソースにパルメザンチーズを少し加えるの。
コクがでるから忘れないでね。」
「さっそく作ってみましょう。キッチンを借りるよ。」
「音楽をかけてくれる?」
「あと、ウイスキーも一杯いただけるかな。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?