怒りの対処
◆怒りの奥に本当の気持ちがある
私達がいかに素直なコミュニケーションをしていないのか、具体例でご紹介したいと思います。
<1.心配が怒りに変換された例>
恋人が何の連絡もなくデートに遅刻してきたときの会話
彼:「遅くなってごめん!」
彼女:「あなたはなんでそうなの?連絡ぐらいしてよ!」
これは心配が怒りに変換された例です。
彼を待っている間に「もしかしから事故にでも巻き込まれたのではないかしら」と心配をしていたので
やっと現れた彼の顔を見た瞬間に怒りに変換されたのです。
<2.さみしさが怒りに変換された例>
映画を観に行く約束をしていたが、急な用事で行けなくなったときの会話
夫:「ごめん。急に仕事が入ってしまった。明日の映画は君だけで行ってきて」
妻「あなたはいつも仕事ばかりね。ひどいわ!」
夫とのデートを楽しみにしていた妻は、約束が守られなかったことで
「私のことなんてどうでもいいんだ」というさみしさが怒りに変換されたのです。
このように最初に感じているのは、心配やさみしさという感情です。
それがすぐに怒りに変わるので、ちっとも素直な気持ちを伝えていないことがおわかりいただけたでしょうか。
怒りは一瞬のことで、なかなか自分では制御しにくい感情です。
誰だって怒ってしまうことがあるかもしれません。
でも、怒り奥に本当の気持ちがあるとわかると、コミュニケーションに変化が起こせるかもしれません。
さみしい時ほど怒ってしまう、心配な時ほど怒ってしまう、悲しい時ほど怒ってしまう
甘えたい時ほど怒ってしまうなど、いろいろな本当の気持ちがあるのです。
あなたはどうでしょうか?もし最近怒りを感じたことがあるのならば
その奥にある感情がなんであったのかを振り返ってみると良いかもしれません。
◆では、どうしたら素直な気持ちを伝えられる?
「怒りの奥に本当の気持ちがある」と気がつくことができたら
その気持ちを怒りにしてしまうのではなく、一次感情を素直に相手に伝えてみませんか。
伝え方としては、相手を主体にした「ユー(You)メッセージ」ではなく
自分を主体にした「アイ(I)メッセージ」が役立ちます。
「あなたはなんでそうなの」「あなたはいつも仕事ばかりね」のような
相手を主体として非難するような言い方を避けて、自分を主体にして伝えることが大切です。
人は非難されると心を閉ざす習性があります。
理屈のうえでは、相手の言っていることが正しいとわかるのですが
気持ちのうえでは受け入れられなくなってしまうのです。
「連絡がないと、事故にでもあったかもしれないと、私はすごく心配だったのよ」
「一緒に映画を観にいくことをすごく楽しみにしていたから、私はすごく残念だわ」
というように「私」を主語にして素直な一次感情を言葉にしてみましょう。
「私は心配した」「私は残念に思う」「私は悲しい」「私は困っている」と言われれば
自然とその気持ちのほうに共感したくなるものです。
気持ちに寄り添いたくなるのは、人間の習性でもあるのです。
素直な一次感情を伝えることは、人間の習性にあったコミュニケーション法だといえるのです。
ぜひアイメッセージを使ってみてくださいね。
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