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おばあちゃんから学ぶ、サステナビリティ。
人類の知恵袋、歩くサステナビリティ「おばあちゃん」。
戦争を経験して、「モノを大切にする」ことが骨の髄まで染みついているおばあちゃんの日常を垣間見れば、
「サステナビリティとは何か?」「私たち一人ひとりに何ができるのか?」という疑問に、答えが見つけられるかもしれない。
そう思って今回は、2年前まで一緒に住んでいたおばあちゃんの「もったいない」の知恵から学ぶ、サステナブルな工夫をまとめてみました。
「食べ物を粗末にするんじゃない」
野菜を切るときはヘタのギリギリまで切って使う。むしろヘタも食べる。みかんの皮もむしろ食べる。
冷蔵庫に入っている食べ物は「消費期限」が切れる前に使い切るが目標だが、たとえ「賞味期限」が切れても気にしたこっちゃない、おばあちゃん。
十分な食べ物がない時代に育ったばあちゃんの頭には、「食べ物は粗末にしない」という考えがデフォルトで組み込まれています。
一方、食べ物の溢れかえる時代に生まれた私たちにとっては、食べ物があることが当たり前になってしまっていて、食べ物を食べきれずに捨ててしまうことも多いのではないでしょうか。
フードロスの問題を考えるとき、「食べ物を大切にする」ばあちゃんの姿勢から学ぶことは、
まず自分自身が、「食べ物を粗末にしない」という考えを生活の根底に据えることかもしれません。
「食べ物を大切にする」をモットーにして生活してみると、「これってどうにかならないか?」「もったいなくないか?」と、いろいろな問題意識が沸いてきます。
すぐに使うものなら、スーパーやコンビニで一番手前に陳列されている「消費期限の近い商品」を選ぶことも一つ、フードロス解決への一歩かもしれません。
ばあちゃんが食べ終わったご飯茶碗にはいつも、米粒ひとつ残っていませんでした。
「使い捨てなど、この世に存在しない」
プリンのプラスチック容器、コンビニでもらうプラスチックスプーン、割りばし、タピオカの極太ストローまで、ぜんぶ洗って再利用するのが、うちのばあちゃん。
なんでもかんでも取っておく「捨てるのもったいない精神」が、ばあちゃんを突き動かし、地球を少しだけ守っています。
我が家には今でも、ばあちゃんが残した輪ゴムが大量に入ったビンやら、コンビニでもらった大量の割りばしやら、ばあちゃんが好きだったゼリーの容器やらでいっぱいです。
「断捨離」も良いけど、「物を捨てない」という選択肢も、日常の中に残してあげても良いのかもしれません。
「サランラップは何度でも使える」
ばあちゃんにとってサランラップは使い捨てじゃなく、何度でも再利用できる魔法のシート。
冷蔵庫のドアにはよく、使いこんだサランラップが磁石で止められて干されていたものです。
余った料理にかけてただけのサランラップは確かに汚れてはいないし、数回は使えるのかも、、?
ばあちゃんは「衛生」より何より、「もったいないから捨てたくない」という気持ちが先行してしまうようです。
今なら、洗って何度でも使えるシリコンの蓋も安く手に入りますね。
ふだん良く使う「使い捨てのもの」を「使い捨てじゃないもの」に置き換えるだけで、サステナブルな気がしてきます。
今でもサランラップを捨てる度に、ばあちゃんの声が頭の中で鳴り響きます。
「使えるのにもったいない!」って。
「使ってない部屋の電気は消す」
「また電気つけっぱなし!」
子供のころ何度言われたか分かりません。4369回くらいでしょうか。
「電機はつけっぱなし、食べたものは食べっぱなし、脱いだものは脱ぎっぱなし!」と、何でもやりっぱなしにしていることを良く怒られたものです・・・
え、あなたもですか?
当時は「うるさいなあ」と思っていたけど、親やおばあちゃんに何度も口酸っぱく言われてきたことって、振り返ってみるとすごく大切な教えだったように感じます。
現在日本では、電力関連のCO2排出量が全体のおよそ40%を占めており、最大の排出源となっています。
日本は世界で最も「一人当たりのCO2排出量の多い国」のうちの一つでもあります。
2050年「カーボンニュートラル」の実現に向けて、政府や企業の努力も着実に進んでいますが、
私たち1億2000万人の日々の「節電」の努力もきっと、積み重なり、更に広がっていけば、未来の地球も守るほどの一つの大きな力になっていく気がしてなりません。
さいごに
「おばあちゃんが『もったいない』と言うその感覚こそが、サステナブルな感覚にほかならない。」
2030年という一つのゴールを目指して始まった「行動の10年」。
「私にいま何ができるんだろう?」と考えていた時、ふと頭の中に浮かんだのがこの言葉でした。
28年間一緒に住んできたばあちゃんの「もったいない」には、今振り返ると、サステナブルな工夫と知恵が詰まっていたように感じます。
2050年には、世界の人口は100億人近くに増加すると言われています。
人口が増加する一方で、世界の食糧や水資源には、限りがあります。
その限られた資源を、私たち一人ひとりが、「地球家族」と共有していく方法を模索しながら行動していくのが、「行動の10年」の第一歩である気がしています。
「今から、小さなことから、私から」始めていきたいと思います。
日々、心でばあちゃんと対話しながら。
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