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時をかける少女とおぢさん

 先日、ボーッと「しゃべくり007」なるテレビ番組を見ていたのですが、今田耕司さんがずっと昔に一度だけ共演した(私のこと覚えていますか、みたいなコーナー)ということで出ていたのが、柴山智加さんという女優さん。

 なんだか名前に見覚えがあるなと、我がへっぽこ脳をフル回転させて記憶を辿ってみたところ……。

 そうでした!
 新・尾道三部作の「ふたり」での石田ひかりの親友役をはじめ、「青春デンデケデケデケ」など、当時の大林映画の常連だった、「あの」柴山智加さんなのでした。

 当時はボーイッシュな、ソフトボール部にでもいそうな活発な少女という印象だったのが、今やすっかり大人の綺麗な女性。
 それも、20年前に今田さんと共演していた時点で「もう結婚していました」ということですから、時の流れの速さ、そして「その間、オレはいったい何をしていたんだろう」と、一切の成長のない己にがっかりするばかりなのでありました。

 我々大林映画、特に尾道三部作ファンとしては、いつでもDVDでその頃の役者さん達と再会出来て、その時の感情によって違った感想を持ち、役者さん達は今でも、そのままの姿でイキイキと息づいているのですが、考えてみたら大林宣彦監督も、樹木希林さんも、浦部粂子さんも、峰岸徹さんも天上界の人。
 そしてオレ様は還暦なのですからね、ポリポリポリと頭を掻くことしかできないのであります。

 それでもこうして、当時死ぬほど好きだった映画の人たちの、充実した(ようにお見受けする)近況を知ることができて、とても嬉しくもある一瞬でございました。

 オレも頑張らなくてはね(何を頑張るのかは、これから考えるとして)。

 もうひとつおまけの話。

 いつも行く、地元の大衆酒場で、たまたま隣になった35歳の若者(まあ、オレからしたら十分若者なのです)に、
「お母さん、何年生まれ?」
 と聞いたところ、
「えーと、昭和38年っす」
 という答えが返ってきたので、
「ああ、そうなんだ。じゃあ河合奈保子と一緒だね」
 なんて言ったのですが、
「えっ? 河合奈保子って誰ですか?」
 と言われてしまいました。

 困りました(苦笑)。
 私の話す言葉全てが、誰にも理解されない時代が、すぐそこにやってきているということなのですね。
 ふうっ。
 

 
 

老後の楽しみになればと、というか、ボケ防止に、コツコツ始めてます。