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常連さん
ある日吉野家で牛丼をかっ食らっていたとき。
隣に超高齢の男性(80代くらいか。付き添い付き)が座って、店員に「いつものヤツよろしく」などと宣ったのであります。
昨今の吉野家は、オーダーはタッチパネルで行うのですが(全てがそうなのかは知らんが)、このご老人はそういう作業が苦手のようで、それも店員さんは全て承知の上のご様子。
「はい、分かりました〜いつものヤツですね」と手際よくオーダーを受け付けていらっしゃいます。
爺の目論見としては、まずここの吉野家の超常連になり、顔を覚えてもらって、「いつものヤツ」と言えばタッチパネルを使わずとも自分の欲するものが出てくるというところまで上り詰めようとしたのであるな、と勝手に想像したのですが。
で、「いつものヤツ」とはなんだろうかと、チラチラチラと横目で爺を覗っていたのですが、それはなんと牛丼ではなく、「鰻」と「日本酒」でした(^^)。
いいなあ、昼間っから。
オレも御隠居さんという立場になったら、真っ先にやってみたいことだなあ。
(まあ、隣にお付きの人がいたわけだし、その人がタッチパネルを駆使すればよかったのに、とは思いましたがね)
別の日のこと。
会社近くに新しくできた、魚メインのチェーン店の定食屋「しんぱち食堂」。
開店以来ずっと行列ができてなかなか入れなかったのが、奇跡のように空席があって、捻り込むように入店したときのことです。
私の横のカウンター席に、外国人らしき若い男性が、「どうもー」なんて従業員と話しながら着席したのでした。
どうもこの方、従業員さんたち(こちらも外国人風の人ばかり)とはすでに顔馴染みのご様子。
開店して1ヶ月も経っていない、それも連日行列が絶えない店で、すでに常連さんという称号をいただいて(勝手にこちらが言っているだけですが)いるのもすごいなあと思いながら、でもこの方、焼き魚なんか上手に食べられるのかなあと、チラチラと、これまた横目で伺っていたところ。
その外国人の前に置かれたものはなんとハムエッグ定食。鯖の文化干し定食の小骨に手間取っている私を尻目に、早食い王かと思うようなスピードで完食し、颯爽とその場を後にしたのでした。
しんぱち食堂でハムエッグ定食かあ。
まあ別にいいですが。
まあ、私にも「常連」と言ってもいいようなお店はあります。
しかし、それは店主と楽しくおしゃべりしたりできるような「個人店」だったりします。
それも仕事が終わったらもう「誰とも話したくない」タイムに突入するので、疲れているときなどはそういう店にも行かず、すぐに帰宅するか、都会の片隅に紛れ込んでひっそりと、覆面でも被っているつもりで食事したりするのが常、であります。
それが自分にとって何よりもの「リセットタイム」なのですね。
それも、チェーン店のご飯屋さんなどはほとんどがバイトさんで成り立っているわけで、だから行くたびに店員さんのメンツは変わるわけなのです。
そういう状況でお店側から「常連さん」と言われるのは大したものだなあ、というより労力のいる作業だなあと思わざるを得ません。
ちょっと昔のことですが、やはりチェーン店のご飯屋さんで、中年の男性がどかっと着席し、店員さんに「いつものね!」とかっちょよくオーダーしたつもりが、その時のバイトさんがまだ新人さんだったのか、その「いつもの」が分からず、あたふたしている間に男性はヘソを曲げ、プイッと店を出て行ってしまったことを思い出しました。
まあ、そんなのはほっとけばいい話だと思いますがね。
相変わらず都内の居酒屋を徘徊する日々が続いています。まあ、毎日、ってわけじゃないですけどね。
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初めて覗いてみた店もありますが、何度か行くような「常連さん」の店もあります。
まあ、紅とんなどは行くたびにバイトの店員さんが違っていますからね、変に干渉もされず、とても心地よいお酒ライフを過ごせております。
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