NP大学院 対策諸々のこと

こんにちは。ヨっちゃん@看護師です
現NP学生M2です。もう少しで卒業(できるか…?)です。
ここ最近、診療看護師(NP)への認知が増えてきてDMでも進学に関する相談などをしばしば受けることが増えてきました。

過去にも似たような内容のnote作成したことがありますが、修正しました。

※注意
大学院によって対策する内容は違うでしょうが、方向性は概ね間違ってないと思うので参考までに。。。
この対策で相談してきた方々はほぼ進学決めたので再現性はあると思うのですが、個人の努力によるところが大部分を占めているのでなんとも言えません。


1.色んな大学院の説明会に参加する

NPコースと一口にいっても大学院によって特色があります。
まずクリティカルケア領域・プライマリケア領域(小児領域もありますが今回は割愛)がありますが、日本ではクリティカルケア領域のコースを取り扱う大学院が多いです。まずはそれらの領域を選択をするところからです。中にはクリティカル・プライマリケア両領域を担っている施設もあります。

授業の形式も考えたいところ。全日制か隔日か夜間か、働きながら通うか否か、オンデマンド形式か等の差があります。
そのあたりはご自身の生活背景もあるでしょう。
さらっと書きましたが、修学する上で非常に重要です。

事前面談をしているところが大半かと思いますので大学院を絞ったら担当の先生にアポイントメントを取りましょう。
お忙しい中時間を取って面談してくださるのでメールや連絡のマナーは必須です

などなど自分に合っているかをよく吟味することが必要になります。

2.SNSで情報を得る

大変便利な時代になりまして…ありがたいことに私が受験を志した時はSNSで修了生の方や現役の学生さんからどんな働き方をしているか、修学中の過ごし方を聞くことができました。積極的に発信してくださる方もいます。
リアルな意見を聴くことで自分がどう働きたいかイメージできますし、入試の傾向なども聞くことができます。
LINEのオープンチャットなどもあるようです。私は活用しませんでしたが、参考にはなるでしょう。

3.対策は何をする

本題ですね。ここが一番質問が多いです。「対策って何したらいいですか」と。
勉強をしてください、としか答えようがありませんが。。。

いじわる過ぎました、ごめんなさい。
質問の意図としてはきっと何の勉強をしたらいいかを尋ねているわけですね。

⚫︎色んな問題に触れておく

この辺はSNSでよく見かけるやつなんですが、医師国家試験のQB、中でも必修を解く方が多いようです。
学科試験がある所はコレをやってる人が多いかと思います。普段の臨床でも必要な知識があったりするのでやって損はないでしょう。

他にも
・看護師国家試験のレビューブックを見直す
重要な知識が集約されていて、かつ綺麗にまとめられているので資料集的なポジションで活用しました

・レントゲンやCT、MRIなどの読影もやってみる
大学院によっては読影問題もあるようです。山ほど参考書ありますが、正常を知らないと異常も分かりません。そんな正常を見られるサイトがあります。

画像診断cafe http://medicalimagecafe.comはおすすめです。

・大学院の過去問を解く
問題の傾向がわかりますからね。しかし、過去問を掲載していない大学院もあります。中には現地であれば閲覧可能、みたいなケースもあったり。
どうにかして情報を入手できると強いでしょう。上記の通りSNSなどで情報を得ることも一助になります。

・ACP 事例集で介入例を考える
事例問題などで問われることが多くなってきました。「QB解け」の勢力が多いですが、個人的にはこれらの視点の方が大事な気がするんですよね。

などなど勉強しようと思ったらたくさんあります。準備をする期間によるところもあるでしょう。早いに越したことはありません。
思いつく限りの学習をしても損にはなりません。ただ時間には限りがあるのである程度の吟味は必要かもしれませんね。
ものすごくマイナー疾患が問われることはそうそう無いので、よく見聞きする疾患を押さえておきましょう。

⚫︎小論文が苦手…という方へ

小論文なんてここしばらく書いてないです」という方もかなり多いです。かくいう私もでした。形から入るタイプで、とりあえず小論文の書き方の参考書を読みました。挙げておきます。

・大学受験 小論文・面接の時事ネタ本 看護・医療・介護系編
・小論文の完全ネタ本 医師薬系/看護・医療系編
・看護医療系 小論文 頻出テーマ
これらを参考に、とにかく書きまくりました。(入試の3ヶ月前から本腰入れて取り掛かり、1日1テーマ800字を目標に書いてました)

看護系から一般の時事問題まで幅広く書きました。テーマ探しは看護系大学院の過去問がネット上にはあったりするのでそこから拾ってきたりしてました

書いているうちに言語化する力も養われたような感覚があったので身になっていたと思います。
客観的視点は重要で、第三者に評価してもらうと、精度が上がるでしょう。私は職場の先輩や上司に見てもらっていました。
一番よいのはその道のプロに見てもらうことです。調べるとオンライン上でそういったサービスがありますから、有効活用しましょう。(小論文添削講座ポトスなど)

小論文は作文やお気持ち表明ではありません。与えられたテーマに論理的に記述することが求められますのでしっかり対策しましょう。

⚫︎志望理由書には何を書く

受験する際に必要となる書類の中には大抵この「志望理由書」なるものが存在します。あなたが何者で、なぜNPになろうと思ったのか、NPになって何がしたいのか、なんでウチの大学院なのかを知るツールです。ちゃんと書きましょう。

よくある語録
・「NPはチーム医療のキーパーソンで〜〜」←そんなもん医療者みんなキーパーソンです
・「タイムリーに〜〜」「シームレスに〜〜」←実際に「何がどうタイムリーで、何がシームレスなのか」が説明されていないと中身がない。特に「シームレス」は響きが良いだけで、「何の境界をなくすのか」「どの領域を繋ぐのか」が曖昧になりがち
・「医学と看護の視点で」←看護に医学の視点がないとお思い?
・「働き方改革」←NPの導入がすぐに働き方改革につながるわけではないし、そもそも「働き方改革」という言葉自体が漠然としている。
・「さらに知識や技術を身につけたい」←至極まっとうな動機だが漠然としていて、大学院で学ぶ必然性が見えない。

ちょっと前なら通用したかもしれませんが、NPの認知度が上がってきて志望理由にもよくある常套句になってきました。それゆえに読み手が「またこれかよ」となる可能性すら出てきました。

かといって攻めたことを書きすぎても突拍子なさすぎるので、そのバランスが試されます。


どうしても上記で述べた語録をあえて取り入れるのであれば、、、

NPはチーム医療のキーパーソンで〜〜
→「NPならではの役割」を具体的に言うべき。 例えば、「診療看護師は、患者の変化をいち早く察知し、医師がいない時間帯や場面でも臨床判断を行い、適切なアクションを起こせる」など。単なるキーパーソンではなく、「NPが担う特有の役割」を明確にすることが大事なのです

「タイムリーに〜〜」「シームレスに〜〜
「タイムリーに患者の変化に対応できる」ではなく、例えば「夜間の病棟で、急変の兆候をいち早く察知し、医師が来る前に適切な初期対応を行う」 など、具体的な場面を示したり、「シームレスな医療提供」と言いたいなら、「外来と入院をつなぐ役割」「診療とケアの橋渡しをする役割」 など、明確な説明が必要かと思います。

医学と看護の視点で
言いたいことは、「医師の診療に近い役割を担いつつ、看護の視点も併せ持つ」ということでしょうが、それならば 「診断・治療を見据えた臨床判断を行いながら、患者の生活背景やケアの視点も統合して判断する」というように具体的に言うべきでしょう。

働き方改革
「NPが医師の業務負担を軽減する」と言いたいなら、単に「働き方改革」と言うのではなく、「NPが診療の一部を担うことで、医師がより専門性の高い業務に集中できる」 など、具体的な説明を加えるべきです。また、「働き方改革=NP導入」と短絡的に結びつけず、医療現場全体のシステム改善と併せて語るのが重要かと思います。

さらに知識や技術を身につけたい
「さらに知識・技術をつけたい」と言うなら、「臨床でこういう課題を感じた → だからNPとしてこの領域の知識・技術を深めたい」 という具体的な流れを示すのがいいでしょう

提示した内容でもまだまだ改善の余地はあるでしょうが、結局のところは診療看護師(NP)が何者なのかをしっかり把握しておく必要があります。
志望理由書に関してもその道のプロに見てもらうことが一番間違いないでしょう。こちらに関してもオンラインでそういったサービスがあるようです(クイックチェックなどのサービス)

こちらの「高度実践看護 統合的アプローチ」にはコンピテンシー・役割・価値などが最新のエビデンスや概念モデルに基づいて記載されているため参考にしてみるのも良いでしょう。

長々記載しましたが、それほどまでに志望理由書は大事というわけです。
次の項目ではその根幹を担うことについて記述します

⚫︎自分が仕事で大切にしていることやプロフェッショナリズムを言語化する

なぜNPを目指すに至ったか、という部分でも問われる内容です。
言葉としては好きじゃない人もいるかもしれませんが、看護観という言葉で表現されることもあるでしょう。
仕事上で大事にしている価値観を言語化しておくことは看護師としてどのように働いてきたかを評価される指標にもなりますし損はないはずです。
いわゆるプロフェッショナリズムみたいなものです。
言語化できるようにしましょう

おそらくこういったことも比較的若年(看護師5年目とかそこいらの年数)でNPを目指すことに対して「目指すにはまだ若い」と言われるファクターになっている気がします。もちろんこれに限らずですが。


⚫︎英語

これは試験内容にあるところとそうでないところがあります。
長文読解だと読み解く速さがものをいいます。
対策として例を挙げるのであればTOEFLのリーディング対策問題を解くことが近いかと思います。
長文に慣れるためにリーディングレベルのものに触れておこうという魂胆です。

「受けるところは英語ないからあたしゃいいよ」なんて言っちゃいそうですが、論文に触れる機会も多くなるため英語は今後も必要になってくるスキルです。
翻訳ツールも優秀なので頼っちゃいますが、読めるに越したことはありませんから…

⚫︎面接対策

大学院によります、と言えばそれまでなのですが、一般的には志望理由書やその他の書類を元に深掘りされるものと考えてよいでしょう。
「面接なんてぶっつけでどうにかなるわ!」って思う方も少なからずいますが、浅い考えは余裕で見抜かれます。
いかに要点をまとめてわかりやすく相手に伝えられるかがポイントだと思います。

以下は色んな媒体を参照した面接で聞かれる可能性のある内容の一例です。参考までに

・簡単に自己紹介を。
・NP を志望した(目指した)理由、きっかけ、エピソード ・この大学院を志望した理由。他にもプライマリケア・クリティカル領域両方カリキュラムにある大学院 があるが...、他の大学院ではなくここで受験をと思っている理由。
・これまでの経歴 (経験した部署・診療科)
・仕事の上で大事にしている価値観
・特定看護師と NP の違いはどのように認識しているか
・自分の病院に NP はいるか NP から話を聞いたことはあるか
・上司に NP のことを理解してもらうためにやってきたこと
・指導経験はあるか
・在学中仕事はどうするか
・経済面は大丈夫か
・移住することに対して周囲の人はどう思っているか、家族など ・今まで研究や発表をしたことがあるか
・患者さんと接する中で印象深いエピソード
・倫理的側面で壁があった事例、どう対処したか
・ストレス発散方法
・自分のメンタルヘルスや体調管理のためにしていること
・働きたい診療科はあるか
・長所、短所 またその克服方法
・今の部署で働いていて困ったことはあるか (事例絡みで) ・結婚はしているか、またその予定はあるか
・卒後はどのように考えているか
・NP としての目標
・受験に際して準備したこと、やってきたこと

・当大学院の理念(目的やアドミッションポリシー)は知っているか ・理念に共感する部分はあるか ・理念について意見を聞かせてください
・経験した診療科で特色のある看護技術については問題なくできたか ・業務改善に関わったことはあるか ・医師と看護師の意見が違う時、どうしていたか
・医師の無理なオーダーに対して交渉した経験はあるか
・組織を変えるために何をするか
・あなたと意見が違う人に対してどのように対応するか
・インシデントなどの指導の際に気をつけていたこと ・多職種連携についてどのように考えているか
・簡単に自己 PR
・自分の長所だと思うところを理由と一緒に
・周囲であなたが見習いたい・真似したいと思う方はいるか。また、それはどのようなところか
・スキルアップのためにしていること
・現在の職場で頼りにされていることや得意な分野は何か
・上司やスタッフなど周囲の人から見て、自分はどのような存在だと思うか
・苦手なスキルと、それに対しての対処法

●答えにくい 困りやすいちょい意地悪質問
・併願か専願か
・NP 大学院受験について、ご家族の理解はあるか
・5~6 年目という若くして NP を目指すに至った理由。足りないところは何か
・あなたがこの仕事に適任であると思う理由
・認定看護師や専門看護師があるが、なぜ NP を選択したか
・アメリカのナースプラクティショナーとの違いはどのような認識か
・NP ではなく特定行為研修ではダメなのか

まとめ

NP大学院の対策、というと「医師国試のQB!!!」とSNS上では語られており、もちろん知識面も無視はできないことですが、それ以上にNPへのリサーチや卒後何をしていきたいか、決まってないにしても看護師として何を大事にしてきたかがそれを凌駕するくらい重要です

その中で情報収集をして自分の行きたい大学院を選んで、対策を練ると迷いなく実施していけます。

年々受験を考える方が増えてきていることから、これらを実践したからといって合格できるかどうかはわかりません。

上記以外で質問などあればTwitterのDMでどうぞ
事前面談で聞かれたことなど個別での対策も相談できることがあれば乗ります

長文失礼しました

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